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2023.12.01

【2023】社用車のアルコールチェック義務化をわかりやすく解説

2022年に道路交通法が改正され、一定台数以上の白ナンバーの社用車を所有している企業に対して、アルコールチェックが義務化されました。また、2023年12月1日からアルコール検知器を用いたアルコールチェックも義務付けられました。

 

ところが、社用車のアルコールチェック義務化について、

・社用車はあるが、義務化の対象なのかわからない
・義務化の最終的なスケジュールを知りたい
・今後義務化の対象となった場合、具体的に何をすればよいのかわからない
・アルコールチェックの運用方法に悩んでいる

など、疑問や悩みを抱えている方も多いようです。

 

そこで本記事では、社用車のアルコールチェック義務化について「対象となる企業」や「内容・スケジュール」、義務化に際して「対応しなくてはいけないこと」やアルコールチェックの「具体的な運用ステップ」等について解説します。

分でわかる
「アルコールチェック義務化」完全ガイド

2023年12月1日から検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。「アルコールチェック義務化」について総復習したい方のために、わかりやすく解説した資料を用意しました。

今はまだ義務化の対象ではないという方も、自社での飲酒運転防止の仕組み作りのためにお役立ていただけます。

【資料で分かること】 

  • 義務化の経緯やスケジュール
  • 義務化の対象となる企業  
  • 対応を怠った場合の罰則  
  • 会社として対応すべき事項  

アルコールチェック義務化について正しく理解するために、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

資料を無料でダウンロード

アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
 【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!

そもそも、社用車とは

まずは、社用車の言葉の定義から確認しておきましょう。合わせて、社用車に関してよく耳にする「白ナンバー」と「緑ナンバー」の違いについても説明します。

 

社用車の定義

「社用車」という言葉はどういう意味なのでしょうか。似た言葉で「営業車」や「商用車」という言葉を耳にしたことある方もいるかと思います。「社用車」「営業車」「商用車」の言葉の意味の違いをお伝えします。

 

前提として、社用車、営業車、商用車はどれも、法人が業務で使用する車のことを指しています。厳密な言葉の定義はありませんが、一般的に以下のような意味で使われることが多いです。

  • 社用車
    法人や個人事業主が使用する車全般を指します。使用目的は様々で、営業としての外回りや荷物の搬送、役員・従業員の送迎などが挙げられます。
 
  • 営業車
    法人や個人事業主が使用する車(社用車)の中でも、特に外回りなどの営業活動を目的に使用する車のことを指します。
 
  • 商用車
    仕事用途で使用される車全般を指すことが多いです。商用車にはタクシーやバスなどの旅客輸送車、トラックなどの貨物輸送車、ミキサー車やダンプカーなど工事用車両も含まれ、社用車も商用車の一部です。

白ナンバーと緑ナンバーの違い

街中を走っている車のナンバープレートの色は2種類あり、白ナンバーと緑ナンバーの両方の車を見かけるかと思いますが、その違いをご存知でしょうか。白ナンバーのアルコールチェック義務化について解説する前に、白ナンバーと緑ナンバーの違いを整理しておきましょう。

  • 白ナンバー:「無償」で自社の人や荷物を運ぶ事業用自動車以外の車両のこと
  • 緑ナンバー:「有償」で人や荷物を目的地に運ぶトラック・バス・タクシーなどの事業用自動車のこと

具体的には、営業車として会社で使用する一般的なサイズの自動車は白ナンバー、宅配業者や引っ越し業者のトラック、バスやタクシーなど人を乗せることで収入を得るような自動車は緑ナンバーになります。

社用車のアルコールチェック義務化とは

2022年4月に道路交通法が改正され、白ナンバーの社用車を一定台数以上所有している企業や事業者に対して、アルコールチェックの実施が義務化されました。まずは、アルコールチェック義務化の概要や経緯からお話しします。

元々は緑ナンバーに対してのみ義務化されていた

2022年4月の道路交通法改正では、白ナンバーへのアルコールチェックが義務化されましたが、それまでは緑ナンバーに対してのみアルコールチェックが義務化されていました。緑ナンバーへのアルコールチェックは、国土交通省によって2011年から義務化されていました。白ナンバーの場合は「安全運転管理者」がアルコールチェックを実施しますが、緑ナンバーの場合は、「運行管理者」が実施しなくてなりません。

 

白ナンバーに対する義務化の経緯

今回、なぜ白ナンバーの社用車に対してもアルコールチェックが義務化されたのでしょうか。

 

白ナンバーへのアルコールチェックは、2021年6月に千葉県八街市で起きた飲酒運転のトラックによる交通事故がきっかけで義務化されました。

事故の概要

令和3年6月28日、千葉県八街市で、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童5人が死傷しました。事故後、運転者の呼気から基準値を上回るアルコールが検出されましたが、運転者が乗っていたのは飲酒検査が義務付けされていない白ナンバーのトラックでした。

この事故を受け、道路交通法施行規則が改正され、白ナンバー車両に対しても飲酒運転防止対策を強化することを目的として、安全運転管理者の確実な選任・運転前後のアルコールチェックの実施・アルコールチェック記録の保管が義務化されました。

 

今までも飲酒運転による事故が起きる度に道路交通法が改正されてきましたが、なかなか飲酒運転がなくならないため、この事故をきっかけにさらに法制化や厳罰化が進められました。

義務化の対象となる企業

2022年の道路交通法改正では、アルコールチェック義務化の対象となる企業はかなり増えました。

 

例えば、幼稚園バスやスクールバス、ホテルの送迎車などの大人数が乗れるような車を1台でも所有している場合や、メーカーの営業部門や建築業など車を運転する機会があり社用車を複数台所有している場合などは、今回の義務化の対象となっている可能性が高いです。

 

今回の義務化によって業種を問わず対象になるので、業務で使用する車を所有している場合は義務化の対象となる企業も多いので、注意が必要です。

 

具体的には、以下のいずれかに当てはまる企業(事業所)が対象となります。

  • 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上所有している
  • その他の自動車を5台以上所有している
    ※ 大型自動二輪車または普通自動二輪車は、それぞれ1台を0.5台として計算
     (道路交通法施行規則第9条の8)

義務化の内容とスケジュール

アルコールチェック義務化は、もともと2022年4月と2022年10月の二段階に分けて実施される予定でした。2022年10月の内容については義務化が延期されていましたが、2023年12月1日から義務化が開始されました。

2022年4月1日から義務化された内容 (第一段階)

飲酒運転による交通事故を今まで以上に厳格に防止するために、まずは運転前と運転後の計2回、ドライバーに対してアルコールチェックを実施し、その記録を管理することが義務化されました。

 

ただし、第一段階では、アルコールチェックの際にアルコールチェッカー(アルコール検知器)を用いることまでは義務化されず、「目視等」で実施すればよいとされていました。

 

2022年4月1日から義務化された内容は、具体的には以下のとおりです。

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無の確認をすること
  • 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
    (道路交通法施行規則第9条の10)

2023年12月1日から義務化された内容 (第二段階)

第二段階では、さらに厳格なアルコールチェックの実施が必要となりました。第一段階では「目視等」での実施に留められていましたが、第二段階では「アルコールチェッカー」を用いたアルコールチェックが義務付けられました。

 

また、アルコールチェッカーは定期的に点検を行い、いつでも正確に計測できる状態にしておくことも義務化の内容に含まれています。

 

アルコールチェッカーの使用について、当初は2022年10月1日から義務化される予定でしたが、アルコールチェッカーの供給不足等を踏まえて延期となっていました。

(参照:警察庁の発表文書

 

その後、安全運転管理者へのアンケートやアルコールチェッカー製造業界からの意見等により、アルコールチェッカーの供給状況は改善傾向にあると認められ、飲酒運転防止を図るためには早期にアルコールチェッカーを導入することが望ましいとの見方から、2023年12月1日から義務化開始となりました。

2023年12月1日から義務化された内容は、具体的には以下のとおりです。

  • 運転者の酒気帯びの有無の確認を、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いておこなうこと
  • アルコール検知器を常時有効に保持すること
    (道路交通法施行規則第9条の10)

なお、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、「呼気中のアルコールを検知し、その有無 又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器」を指しており、これを満たしたアルコールチェッカーであれば問題なく使用できます。

 

二段階にわたるアルコールチェック義務化の内容を図でまとめると以下のとおりです。

対象企業が対応すべき3つのこと

アルコールチェック義務化の対象となる企業は、以下の対応を進めなくてはなりません。

安全運転管理者の業務の見直し

白ナンバーにおけるアルコールチェックは、原則として安全運転管理者が実施しなくてはなりません。安全運転管理者をすでに選任している場合は、新たな業務としてアルコールチェックが追加されたので、業務フローを再確認するとともに、アルコールチェック実施を徹底する仕組みをつくる必要があります。

 

アルコールチェック義務化の対象となる企業は、安全運転管理者の選任が必須になるので、まだ安全運転管理者を選任していない場合は、選任や届出等を早急に進めなくてはなりません。

 

なお、安全運転管理者については以下のコラムで詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
参考記事:【2023】5分でわかる「安全運転管理者」とは|選任義務や業務内容を徹底解説

 

また、今回のアルコールチェック義務化によって安全運転管理者の業務がどう変わったかを知りたい方は、以下のコラムがおすすめです。
参考記事:アルコールチェック義務化で安全運転管理者の業務はどうなる?

アルコールチェッカーの購入

2023年12月1日からアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの実施が義務化されました。アルコールチェッカーについては、警察庁の通達で以下のように記載されています。

”アルコール検知器※については、酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば足り、特段の性能上の要件は問わないものとする”
  ※アルコール検知器とは、アルコールチェッカーのことです。

 

(引用:警察庁 通達 「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者 業務の拡充について」P.12)

言い換えると、アルコールチェッカーを選ぶ時のポイントは以下のとおりです。

 
  • 音、色、数値等で酒気帯びの有無が確認できる
  • 正しく計測ができれば、メーカーや形は問わない
 

現在は各メーカーからいろんな種類のアルコールチェッカーが販売されており、価格や計測の精度、形状なども様々です。社内でのアルコールチェックの運用方法を想定した上で、自社にとって使いやすいアルコールチェッカーを選ぶことが大切です。

 

アルコールチェッカーの形状や種類、選び方については、以下のコラムでもご紹介しています。合わせてご覧ください。
参考記事:アルコールチェッカーの正しい使い方|義務化に向けた運用方法も紹介

 

人気のメーカーとしては「タニタ」や「アイリスオーヤマ」などがあります。海外製の安価なアルコールチェッカーもありますが、飲酒運転を徹底的に防止するためには国産などの安心できる製品を選ぶことをおすすめします。

 

アルコールチェッカーは以下のサイトから購入することができます。
Amazon.co.jp : アルコールチェッカー

アルコールチェック記録の保管方法の検討

白ナンバーのアルコールチェック義務化では、アルコールチェックの記録を1年間保管することが義務付けられました。保管方法についてはルールがないので、紙でもデータでもどちらでも問題ありませんが、記録しなくてはならない内容は定められています。具体的には、記録しなくてはならない項目は以下のとおりです。
  1. 確認者名
  2. 運転者名
  3. 運転者の業務に係る自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
  4. 確認の日時
  5. 確認の方法
    ・アルコール検知器の使用を記載(2023年12月より使用が義務化)
    ・対面でない場合はビデオ電話などの具体的な確認方法を記載
  6. 酒気帯びの有無
  7. 指示事項
  8. その他必要な事項

なお、アルコールチェックの記録簿については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
参考記事:アルコールチェック記録簿のテンプレート|運用方法も徹底解説!

アルコールチェック実施の8つのステップ

実際にアルコールチェックを運用する際には、どのような流れになるのでしょうか。アルコールチェックの一般的な流れを8ステップでまとめると以下のとおりです。

  1. 運転前に安全運転管理者が立ち合って検知器を用いたアルコールチェックを実施する
  2. ドライバーがアルコールチェックの結果を記録簿に記入する
  3. 運転する
  4. 運転後に安全運転管理者が立ち合って検知器を用いたアルコールチェックを実施する
  5. ドライバーがアルコールチェックの結果を記録簿に記入する
  6. ドライバーから安全運転管理者に記録簿を提出する
  7. 安全運転管理者が記録簿の内容をチェックし、未記入等があった場合は修正を依頼する
  8. 内容の確認が完了したら、記録簿を1年間保管する

このステップの中で大切なポイントは以下の二点です。

  • 運転前後のアルコールチェックには、原則として安全運転管理者が立ち合わなくてはならない
  • アルコールチェックの結果は記録簿に残し、1年間しなくてはならない

この二点は道路交通法施行規則で定められている内容なので、必ず守らなくてはなりません。

 

また、2023年12月1日から正式にアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの実施が義務化されたので、アルコールチェッカーをいつでも正確に計測できる状態に維持しておかなくてはなりません。

アルコールチェックの実施方法

アルコールチェックは、適切なタイミングと方法で行う必要があります。ここからは、実施のポイントや留意すべき事項について解説します。

実施のタイミング

アルコールチェックを行うタイミングは運転前・運転後の計2回実施しなくてはなりません。運転前のチェックでは、運転者がアルコールを摂取していないことを確認し、安全な状態での運転を保証します。一方、運転後のチェックでは、運転終了後にアルコール濃度を確認し、万が一アルコールが検出された場合は警察に通報するなど、適切な措置を取ることが求められます。

 

どうやって実施するか

アルコールチェックは原則として対面で実施し、安全運転管理者が立ち合わなくてはなりません。ただし、直行直帰の場合や早朝・深夜の場合など、対面で実施することが難しい状況や安全運転管理者が対応できない場合も考えられます。そのような時は以下のように実施します。

 

直行直帰など対面で実施できない場合

直行直帰などで、対面でのアルコールチェックが難しい場合には、代替手段を検討する必要があります。例えば、カメラやモニター、携帯電話や業務無線を利用してアルコールチェックを行うなど、適切な方法を選択し、実施することが求められます。

 

ただし、メールやチャットなど、運転者と対話ができない方法は該当しません。運転管理者は運転者と対話したうえで、顔色や声の調子などを確認する必要があります。

 

なお、直行直帰時のアルコールチェックの実施については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
参考記事:直行直帰時のアルコールチェックはどうする?|実施方法を徹底解説

 

安全運転管理者が対応できない場合

安全運転管理者が実施することが困難な場合には、副安全運転管理者や安全管理者を補助する者などが、代わりに実施します。安全運転管理者が休暇や欠勤などで不在の場合でも、アルコールチェックが適切に行われる必要があります。企業・事業所で継続的にアルコールチェックを実施する必要があるため、適切な教育や訓練を行うようにしなくてはなりません。

アルコールチェックを怠った場合の罰則

アルコールチェックを怠った場合は、安全運転管理者の義務違反となりますが、今のところ特に罰則は設けられていません。

しかし、アルコールチェックを怠った結果、飲酒運転をしてしまった場合には、以下のような厳しい罰則が科されます。そのため、アルコールチェックは厳格に行わなくてはなりません。

飲酒運転には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の二種類があり、どちらに該当するかによって罰則の内容が異なります。それぞれの違いを確認した上で、罰則の内容を詳しく見ていきましょう。

酒酔い運転と酒気帯び運転の違いとは

飲酒運転には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の二種類があります。どちらに該当するかで罰則の内容がことなるので、まずはそれぞれの違いをお伝えします。

 

「酒酔い運転」とは、名前のとおりお酒を飲んで酔っぱらっている状態で運転することを意味しています。警察による飲酒運転チェックは基本的にアルコールチェッカーを用いて行われますが、酒酔い運転の場合は、呼気中のアルコール濃度に関係なく運転者の状態で判断されます。つまり、アルコールチェッカーの測定値に関わらず、「まっすぐ歩くことができない」「受け答えがまともにできない」など、酔っていると判断される状態の場合は「酒酔い運転」として罰則を受ける可能性があります。

 

一方で「酒気帯び運転」とは、アルコールチェッカーを用いて呼気中のアルコール濃度を測定した際に、ドライバーの体内にどの程度のアルコールが残っているかで判断されます。つまり、アルコールチェッカーで一定以上の測定値が出た時点で、「酒気帯び運転」と判断されるのです。

具体的な罰則内容

「酒酔い運転」や「酒気帯び運転」が発覚した場合には、以下の罰則が科されます。

運転者

  • 酒酔い運転の場合:5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金

業務の中で運転していて事故が起きた場合には、運転者だけでなく、車両提供者である企業に対しても同等の罰則が科されます。

車両提供者

  • 酒酔い運転の場合:5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金

また、罰則の対象になるのは運転者本人だけでなく、酒類を提供した人や一緒に車に乗っていた人も、罰則の対象になります。具体的には、以下のような罰則が科されます。

酒類の提供者・車両の同乗者

  • 酒酔い運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:2年以下の懲役 または 30万円以下の罰金

このように飲酒運転には非常に厳しい罰則が設けられています。また、運転者本人だけでなく企業や同乗者にも責任がおよびます。また、罰金や車の修繕費用などの金銭的な損害だけでなく、企業としての社会的信頼を失うことにも繋がりかねないため、アルコールチェックを厳格に行い、飲酒運転を防止しなくてはなりません。

 

なお、アルコールチェックを実施する安全運転管理者に関する罰則も設けられています。安全運転管理者の罰則について知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。
参考記事:安全運転管理者の罰則とは|制度や罰金、業務内容も解説

アルコールチェックにおける課題3選

すでにアルコールチェックを実施されている方も多いかと思いますが、アルコールチェックの運用がうまくいっていないケースも見受けられます。アルコールチェックはドライバーに対応してもらう業務も多く、管理も煩雑になりがちなので、様々な課題を抱えている企業も多いです。ここでは、アルコールチェックで抱えがちな課題を3つご紹介します。

 

記録簿の未記入・未提出が多い

アルコールチェック義務化にも含まれている「記録簿の管理」に課題を抱えているケースが非常に多いです。具体的には、提出された記録簿に未記入箇所があったり、そもそも提出をわすれられてしまったりなどのケースが挙げられます。

 

アルコールチェックは運転前後の計2回実施しなくてはならないため、運転前にドライバーに渡した用紙を運転後に全て記入済みの状態で提出してもらわなくてはなりません。しかし、記録簿の記入はドライバーにとって手間のかかる業務であるとともに、メイン業務ではないため、人によってはあまり丁寧に記入してもらえないこともあるようです。

 

記録簿のチェックと保管が大変

ドライバーから提出された記録簿は、管理者が内容のチェックを行い、適切に保管しなくてはなりません。先程もお伝えしたとおり、記録簿には1年間の保管義務が設けられています。

 

ドライバーが丁寧に記入してくれている場合や、社用車台数や利用頻度が少ない場合には、記録簿のチェックはあまり大変でないかもしれません。しかし、例えば1日で10人のドライバーが社用車を使い、紙で記録を管理している場合だと、1ヶ月(稼働日は20日間)で約200枚の記録簿となりますので、チェックにはそれなりの時間がかかります。また、200枚の紙を12か月分保管するとなると、2,400枚にもなりますので、期限管理を行いながら適切に保管するのも大変です。

 

計測数値の不正やなりすましのリスクがある

アルコールチェックは原則安全運転管理者の立ち合いが必要となりますが、直行直帰の場合や早朝・深夜の場合などでビデオ通話などで対応することもあるかと思います。また、記録簿をドライバー本人が自分で記入する場合には、実際の測定数値を偽って記録する可能性もゼロではありません。また、前日に飲酒していた場合などに代理で他の人に計測させ、その結果を報告するなりすましも発生する可能性があります。

 

アルコールチェックは厳格に行わなくてはなりませんが、その重要性がドライバーに理解してもらえていないケースも多く、不正やなりすましが起きているという企業もあるようです。

課題を解決するための「車両管理システム」

先程アルコールチェック実施の8つのステップをご紹介しましたが、上記のステップだと手間がかかると感じた方も多いと思います。また、記録簿の未記入・未提出が多かったり、チェックと保管業務に工数がかかって大変、不正やなりすましが起きているといった課題もよく耳にします。

 

これらのアルコールチェックに関する課題を解決する方法方法として、「車両管理システム」を活用してみてもよいかもしれません。 ここからは、車両管理システムについて紹介します。

 

なお、車両管理とは具体的にどのようなことをしなくてはいけないのか知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。
参考記事:車両管理とは|業務内容やメリット、運用方法まで徹底解説!

そもそも、車両管理システムとは

車両管理システムとは、社用車やリース車などの車両を効率よく管理することができるシステムのことです。

 

具体的には、1台の車を複数人で使う場合の予約管理ができるシステム、運転日報や日常点検などの書類をデータで管理できるシステム、アルコールチェック義務化の対応をまるごと行うことができるシステム、走行距離を計測して最適なルートを教えてくれるシステムなどがあります。

 

2017年の中型トラックに対するデジタコの搭載義務化やをきっかけに車両管理システムの需要が一気に高まり、2016年から2022年の間で、車両管理システムを導入した車両台数は約3.7倍になりました。

なお、車両管理システムについては以下のコラムで詳しく解説しています。合わせてご参照ください。
参考記事:【2023】車両管理システム比較14選|選び方や機能を徹底解説

車両管理システムを導入するメリット

車両管理システムを導入する大きなメリットは、管理工数の削減アルコールチェックの厳格化です。

 

安全運転管理者の業務はアルコールチェックだけでなく、運行計画の策定や日報類の管理など多岐に渡ります。車両台数が多い場合や管理者の人数が少ない場合などは特に多くの時間が必要になります。車両管理システムを用いると、アルコールチェックの記録をデータ化してチェックの手間を省くことができます。また、アルコールチェック記録だけでなく、その他の運転日報や日常点検の記録も合わせてペーパーレス化できるようなシステムもあります。これらの情報を一元管理することで抜け漏れを防止したりすることもできます。

 

また、アルコールチェッカーとシステムを連携させて、アルコールチェックの計測数値を自動で記録に反映させたり、チェック時にカメラが起動してなりすましを防止したりする機能を搭載したシステムもあります。車両管理システムを導入することで、コンプライアンスの観点でも重要なアルコールチェックの厳格化を実現することができます。

車両管理システムを用いたアルコールチェックの運用例

車両管理システムを用いてアルコールチェックを実施する場合の流れを、弊社の提供する車両管理システム「Bqey(ビーキー)」を具体例として用いて説明します。

1.安全運転管理者立ち合いのもと、運転前のアルコールチェックを行います。一部の情報は自動入力されるので、必要な情報だけアプリに入力します。

2.運転後も同様にアルコールチェックを行い、そのままアプリから提出します。

 

3.提出された記録はすぐにシステムに反映され、安全運転管理者はデータで記録を確認することができます。自動で3年間システムに保管されます。

未提出や未記入があった場合には、ドライバーに自動で通知が届くので、管理者のチェックの手間を大幅に省きます。概算にはなりますが、社用車を5~6台と仮定した場合は、アルコールチェック記録のとりまとめにかかる時間が30分から5分程度に、改修した書類の確認・保管にかかる時間が20分から5分程度に削減が見込まれます。

このように、車両管理システムを活用するとアルコールチェックに関して、安全運転管理者・ドライバーの双方にとっての業務負担を軽減することができます。

 

また、アルコールチェックだけでなく、システム上で車両の予約管理をしたり、運転日報や日常点検等の書類をデータで一元管理したりすることができるなど、車両管理システムには様々な機能があります。

 

様々な機能があるからこそ価格も様々で、機能が充実していればしているほど費用が高くなってしまいます。まずは自社の抱えている課題を見える化し、課題を解決することができる機能を絞り込み、適切なシステムを選ぶことで、車両管理システムはより大きなメリットをもたらします。

 

まずは各社が提供する車両管理システムについて幅広く情報収集することをお勧めします。その上で、費用対効果が得られるかをしっかりと吟味し、車両管理システムを選択するようにしましょう。

 

また、車両管理システムの選び方については、以下の資料でわかりやすく解説しています。自社の抱えている課題を確認するチェックシートもあるので、ぜひご活用ください。
資料ダウンロード:車両管理システムの選び方

まとめ

今回は、社用車のアルコールチェック義務化について解説しました。

 

2023年12月1日からアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの義務化も開始されました。

 

企業には、「飲酒運転防止の強化」というアルコール義務化の目的を正しく理解した上で着実に対応を進めていく責任がありますが、アルコールチェックに関する業務は業務量が多く負担がかかるので、効率化するためには「車両管理システム」の活用がおすすめです。

 

車両管理システムにはたくさんの種類があり、システムによって搭載されている機能が異なります。まずは、各社が提供する車両管理システムについて幅広く情報収集することをお勧めします。その上で、もし導入する場合には、自社でシステムを利用した時にどれくらいの費用対効果が得られるかをしっかりと吟味するようにしましょう。

「アルコールチェックの運用大変そう...」と思った方へ

義務化対応としてのアルコールチェックの運用は、安全運転管理者にとってもドライバーにとっても負担がかかります。双方の負担を軽減しながら効率的にアルコールチェックを実施する手段として、「車両管理システム」の需要が高まってきています。 車両管理システムを導入すると、以下のようなメリットがあります。

  • アルコールチェック記録や日報類をペーパーレス化することで、提出やチェックの手間を軽減できる
  • 現在地の取得や写真の添付機能を活用して、アルコールチェックを厳格に行うことができる    

車両管理システム「Bqey」はアルコールチェック義務化対応はもちろん、それ以外の車両に関する業務をまとめて効率できるシステムです。「Bqey」について知りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてください。