安全運転管理者の届出手続き3パターン!オンライン申請も詳しく解説
一定台数以上の自動車を使用する企業や事業所には、安全運転管理者や副安全運転管理者の選任が義務付けられています。また、選任した後は適切な届出手続きも必要です。そこで本記事では、
- 届出の流れや方法
- オンライン申請の手順
- 届出に必要な書類
- 届出が必要となるケース
- 届出を怠った場合の罰則
などについて、わかりやすく紹介します。各都道府県の必要書類やオンライン申請のリンクも掲載していますので、ぜひ活用してください。
これ一冊で安全運転管理者の業務や罰則について
総復習!
一定台数以上の社用車を所有している企業は、道路交通法によって「安全運転管理者」を選任することが義務付けられています。安全運転管理者の選任・届出方法や業務内容、違反した場合の罰則についてわかりやすく解説した資料をご用意しました。
【資料で分かること】
- 道路交通法改正の概要
- 安全運転管理者とは
- 安全運転管理者の選任義務と罰則
- 安全運転管理者の業務内容
安全運転管理者について総復習できる内容となっていますので、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。
アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
警察庁発表まとめ!アルコールチェック義務化を時系列で解説
【義務】安全運転管理者の届出について
道路交通法では、自動車の使用者に対して、以下のいずれかの条件を満たす事業所ごとに安全運転管理者を選任し、届出を行うことが義務付けられています。
- 乗車定員が11人以上の自家用自動車を1台以上使用している
- 5台以上の自家用自動車を使用している
ただし、運送業で義務付けられている「運行管理者」を選任している事業所は対象外となります。
安全運転管理者と運転管理者の違いについては、以下の記事をご覧ください。
参考記事:安全運転管理者と運行管理者の違いを解説!資格や罰則、業務内容も
また、企業によっては副安全運転管理者の選任も必要です。
安全運転管理者制度の詳細については、以下の記事をご覧ください。
参考記事:5分でわかる「安全運転管理者」とは?選任義務の条件や資格、罰則も解説
まずはじめに、届出を行わなければならないケースや、手続きの流れについて紹介します。
どんな時に届出が必要か
安全運転管理者等に関する届出が必要となるのは、以下の3つの場合です。
①安全運転管理者等を選任した時
②安全運転管理者等を解任した時
③届出内容に変更が生じた時
人事異動や退職などにより、安全運転管理者等を交代する場合は、前任者を解任してから後任者を選任するため、上記の①と②に該当します。
③の届出内容に変更が生じた時とは、一般的に以下の事項について現在の届出内容から変更した場合を指します。
- 事業者の名称
- 事業者の住所
- 安全運転管理者等の氏名
- 自動車台数
- 運転者数
届出の流れ
届出手続きの流れは以下の4ステップです。
- ステップ1.届出書の記入
安全運転管理者や副安全運転管理者に関する届出書のうち、手続き内容に合った届出書に必要事項を記入します。
- ステップ2.添付書類の準備
届出にはいくつかの添付書類が必要となります。一般的には以下のようなものがありますが、都道府県によって必要な書類が異なるため、事前に確認してください。聞きなれない書類もあるかと思いますので、届出のための必要書類の項で詳しく説明します。
- 身分証明書の写し(運転免許証、住民票など)
- 運転管理経歴証明書
- 運転記録証明書 など
- ステップ3.届出書と添付書類の提出
届出書と添付書類が準備できたら、管轄の警察署を経由して、公安委員会へ届出を行います。 法律上、選任・解任・変更から15日以内に届出を行う義務があるため、注意してください。 届出方法は3パターンありますので、後ほど詳しく紹介します。
- ステップ4.審査と認定
提出書類について審査され、問題なく受理・認定されたことを確認します。 安全運転管理者等を選任した場合は、認定後から業務を開始することができます。 なお、以前は「安全運転管理者証」が交付されていましたが、2021年頃から各地で廃止の傾向にあります。届出済みの証明が欲しい場合は、警察署にて押印などの対応をしてもらえるようですので、管轄の警察署に相談してみるとよいでしょう。
届出手続き3パターン
安全運転管理者の選任・変更・解任に関する届出は、企業・事業所の所在地を管轄する警察署を通じて行う必要があります。主な3パターンの手続き方法について詳しくご紹介します。
①警察署(交通課窓口)に直接届出する
企業や事業所を管轄する警察署の交通課窓口に出向いて直接届出を行う方法です。
届出可能な人
基本的には、自動車の使用者(事業所の代表者)が届出を行います。代理人が届出を行う場合は、委任状や本人確認書類(運転免許証の写しなど)の提出を求められる場合がありますので、事前に確認して準備しましょう。
受付時間の目安
平日の午前9時から午後4時まで受け付けている警察署が多いですが、昼休み(12:00~13:00)や混雑時は受付を停止する場合もあります。また、土日・祝日・年末年始は受付を行っていないため注意してください。
②郵送で提出する
直接窓口に行くことが難しい場合には、必要書類を警察署の交通課に郵送する方法もあります。忙しい企業担当者や遠方の事業所などにとって便利な方法です。
郵送する際の注意点
一部の都道府県では郵送での届出を受け付けていない場合もあります。必ず事前に、管轄の警察署または各都道府県警察のウェブサイトで対応状況を確認してください。
郵送の場合、書類に不備があると再送が必要になる可能性があるため、事前確認を十分に行いましょう。また、企業情報や個人情報を含む書類を送付するため、簡易書留やレターパックプラスなど追跡可能な手段で郵送するのがおすすめです。
③オンライン申請(警察行政手続サイト)
2021年6月より、警察庁が試行的運用を開始した「警察行政手続サイト」を利用して、一部都道府県ではオンラインによる届出が可能となっています。
↓オンライン申請のリンクはこちら↓
(運営元:警察庁)
対応状況
多くの都道府県がこのサイトに対応していますが、福岡県など7県は非対応のため、別途各県が独自に設けているオンライン申請システムを利用する必要があります。
届出方法(窓口・郵送・オンライン)の対応状況や、必要書類、提出先などは各都道府県警察によって異なるため、必ず事前に確認してください。以下のExcelファイルには、各都道府県警察の安全運転管理者制度ページのリンクや、届出先の情報が一覧でまとめられています。ぜひご活用ください。
オンライン申請の手順
近年、安全運転管理者の届出は、オンラインでの手続きが可能な都道府県が増えています。オンライン申請は、場所や時間に縛られず手続きを行えるため、多忙な管理者の方にとって大きなメリットとなります。ここでは、一般的なオンライン申請の手順について解説します。
①ウェブサイトへのアクセス
まず、警察庁が運営する警察行政手続サイト (npa.go.jp)にアクセスします。左下の枠内から道路交通法関係(安全運転管理者制度)を選択すると、右側に届出に関するメニューが表示されます。その中から、実施したい届出のリンクをクリックします。
②必要書類のダウンロードと記入
続いて、申請届出書様式をクリックすると、各都道府県警察のサイトをまとめたページが表示されます。該当する都道府県警察サイトから届出に必要となる書類をダウンロードします。記載要領や記載例を参考に、必要事項を記入します。
③ワンタイムURLの発行
ページ下部の申請・届出開始ボタンをクリックするとワンタイムURL発行ページが表示されます。メールアドレス等の必要項目を登録すると、ワンタイムURL発行メールが、登録したメールアドレス宛てに送信されます。
④必要書類のアップロード
ワンタイムURLをクリックすると、申請・届出ページが表示されます。必要項目を入力し、ファイルを選択ボタンから必要書類を添付してアップロードします。
⑤申請内容の確認と送信
入力内容や添付書類に間違いがないか再度確認し、申請を送信します。
⑥受付完了メールの確認
申請が正常に送信されると、受付完了メールが届きます。その後、審査が行われ問題がなければ届出が受理されます。
オンライン申請の具体的な手順や必要書類は、各都道府県の警察署によって異なる場合があります。必ず管轄の警察署ウェブサイトで詳細を確認するようにしてください。
届出のための必要書類
「届出の流れ」でも説明したように、届出手続きには届出書と添付書類が必要です。手続き内容ごとに詳しく見ていきましょう。
選任の場合
安全運転管理者や副安全運転管理者を新しく選任する場合や、別の人に交代するにあたり、後任者を選任する場合には、以下の書類が必要です
- 選任届出書
- 住民票
- 運転免許証の表面および裏面の写し
- 運転記録証明書
- 運転管理経歴証明書
各都道府県の選任届出書のフォーマットは、以下のリンクから入手可能です。Excelシートに記載のURLから、該当する都道府県警察HPの安全運転管理者ページにアクセスし、ダウンロードしてください。
運転記録証明書とは、過去1年間、3年間、5年間のいずれかにおける、交通違反や交通事故による行政処分の記録が記載された証明書です。
安全運転管理者等の資格要件である、「過去2年間に飲酒運転等の違反行為を行っていないこと」を確認するために必要であり、自動車安全運転センターにて発行することが可能です。
証明書が届くまで10日程度かかるようなので、早めに発行手続きを行っておくと安心です。
交付手数料:670円(消費税非課税) ※2025年5月時点
参照元:運転経歴に係る証明書|自動車安全運転センター (jsdc.or.jp)
運転管理経歴証明書とは、社内の運転者に対して実施した運転管理の内容と、その期間が記載された証明書です。
通常、各都道府県にて用意されたフォーマットに企業の代表者が記入します。
安全運転管理者と副安全運転管理者では必要となる経歴が異なります。詳しくは以下の記事にてご確認ください。
参考記事:安全運転管理者に必要な資格を解説|届出方法や罰則も紹介
解任の場合
自動車の台数が減り、選任義務の対象から外れた場合や、事業所が他の都道府県に移転した場合、事業所が閉鎖した場合などの理由により、安全運転管理者等を解任する場合には、以下の書類が必要です。
- 解任届出書
各都道府県の解任届出書のフォーマットは、以下のリンクから入手可能です。Excelシートに記載のURLから、該当する都道府県警察HPの安全運転管理者ページにアクセスし、ダウンロードしてください。
変更の場合
事業所の名称や安全運転管理者等の氏名など、届出内容を変更する場合には、以下の書類が必要です。
- 変更届出書
各都道府県の変更届出書のフォーマットは、以下のリンクから入手可能です。Excelシートに記載のURLから、該当する都道府県警察HPの安全運転管理者ページにアクセスし、ダウンロードしてください。
届出を怠った場合の罰則
安全運転管理者等の選任や届出は、道路交通法により義務付けられているため、適切に行わないと罰則を科されることがあります。
ここでは、安全運転管理者制度における4つの違反行為に対する罰則内容について解説します。
4つの罰則内容
具体的な違反行為と罰則内容は以下の通りです。
- 選任義務違反
安全運転管理者の選任義務の対象であるにもかかわらず、企業や事業所が選任しない場合、50万円以下の罰金が科されます。 - 解任命令違反
安全運転管理者の解任命令が出されても適切な手続きを取らず、安全運転管理者の職務を続ける場合、50万円以下の罰金が科されます。
- 是正措置命令違反
安全運転管理者に対して是正措置命令が出されても適切な対応を取らなかった場合、50万円以下の罰金が科されます。
- 選任解任届出義務違反
安全運転管理者の選任や解任を適切に届け出ない場合、5万円以下の罰金が科されます。
選任を怠った場合だけでなく、届出を怠った場合も罰則の対象となります。選任、解任、変更を行った際には、必ず15日以内に届出を行うようにしましょう。
なお、安全運転管理者の罰則については以下の記事で詳しく解説しています。法改正により罰金が引き上げられた背景についても説明していますので、合わせてご覧ください。
参考記事:安全運転管理者の罰則と法令遵守のポイント|業務内容とリスクを徹底解説まとめ
今回は、安全運転管理者制度における届出手続きについて解説しました。
安全運転管理者を選任または解任した場合や、届出内容に変更が生じた場合は、15日以内に管轄の警察署へ届出を行わなければなりません。
届出方法は、窓口で直接手続きを行うほか、郵送やオンライン申請に対応している都道府県もあります。
手続き内容に応じた必要書類を準備して、利用しやすい方法で行うとよいでしょう。届出を怠ると罰則の対象となるため、確実に対応しましょう。
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