【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!
道路交通法改正によるアルコールチェック義務化は、2022年4月と2023年12月の二段階にわけて施行されました。
このうち、二段階目の内容については、当初予定されていた開始時期から延期されたこともあり、認識が曖昧な方も多いかと思います。
そこで本記事では、2023年8月の警察庁発表の内容をわかりやすく紹介し、アルコールチェック義務化の内容とスケジュールや、対象企業が対応すべきことについて解説します。
5分でわかる
「アルコールチェック義務化」完全ガイド
2023年12月1日から検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。「アルコールチェック義務化」について総復習したい方のために、わかりやすく解説した資料を用意しました。
今はまだ義務化の対象ではないという方も、自社での飲酒運転防止の仕組み作りのためにお役立ていただけます。
【資料で分かること】
- 義務化の経緯やスケジュール
- 義務化の対象となる企業
- 対応を怠った場合の罰則
- 会社として対応すべき事項
アルコールチェック義務化について正しく理解するために、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。
2023年12月1日、検知器を用いたアルコールチェック義務化開始!
当初、アルコールチェック義務化の二段階目にあたる、「アルコール検知器の使用」を義務付ける法改正は、2022年10月に施行される予定でした。しかし、アルコール検知器が品薄で入手しづらく、すべての対象企業が開始日までに準備することが難しいと判断され、一旦延期と判断されました。
その後、検知器の流通状況が改善されたことから、警察庁は「アルコール検知器を用いたアルコールチェックを2023年12月1日から義務化する」との方針について、2023年6月9日よりパブリックコメントを募集していました。
そして、パブリックコメントの内容から2023年8月8日に「アルコール検知器を用いたアルコールチェックを2023年12月1日から義務化する」ことが正式に発表され、無事に施行されました。
パブリックコメント募集概要と結果
そもそも、パブリックコメントとは?
パブリックコメントとは、「国の行政機関が政令や省令を定めようとする時に、あらかじめその内容を公表し、国民から意見や情報を募集すること」を指します。国民の意見を広く反映することで、行政運営の公正さを確保するとともに、透明性の向上を図ることを目的としています。
パブリックコメントは、行政手続法で定められています。
参照:パブリック・コメント制度について | e-Govパブリック・コメント
今回のパブリックコメント募集の内容
今回のパブリックコメント募集の内容は以下のとおりです。
- 対象となる法令:道路交通法第74条の3第2項
- 募集期間:2023年6月9日(金)~2023年7月8日(土)※必着
- 提出方法:インターネット(e-Govパブリックコメント意見提出フォーム、電子メール)、郵送
※現在は公開終了しています
このパブリックコメント募集の内容は、延期となっていた検知器を用いたアルコールチェックの義務化について、2023年12月1日より義務化を実施するという内容でした。
募集期間が終了し、2023年8月8日に警察庁は12月1日からの義務化を正式に発表しました。集まったパブリックコメントも8月15日に公開されました。パブリックコメントの内容は以下のURLからご確認いただけます。
パブリックコメントの内容はこちら:「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集 結果について
※現在は公開終了しています
改めて知っておきたい、義務化の経緯
なぜ義務化されたのか
令和3年6月28日、千葉県八街市で、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童5人が死傷しました。事故後、運転者の呼気から基準値を上回るアルコールが検出されましたが、運転者が乗っていたのは飲酒検査が義務付けされていない白ナンバーのトラックでした。
この事故を受け、道路交通法施行規則が改正され、白ナンバー車両に対しても飲酒運転防止対策を強化することを目的として、安全運転管理者の確実な選任・運転前後のアルコールチェックの実施・アルコールチェック記録の保管が義務化されました。
今までも飲酒運転による事故が起きる度に道路交通法が改正されてきましたが、なかなか飲酒運転がなくならないため、この事故をきっかけにさらに法制化や厳罰化が進められました。
2022年4月1日から義務化された内容 (第一段階)
飲酒運転による交通事故を今まで以上に厳格に防止するために、まずは運転前と運転後の計2回、ドライバーに対してアルコールチェックを実施し、その記録を管理することが義務化されました。
ただし、第一段階では、アルコールチェックの際に「アルコール検知器」を用いることまでは義務化されず、「目視等」で実施すればよいとされていました。
2022年4月1日から義務化された内容は、具体的には以下のとおりです。
- 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無の確認をすること
- 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
(道路交通法施行規則第9条の10)
2023年12月から義務化された内容 (第二段階)
第二段階では、さらに厳格なアルコールチェックの実施が必要となりました。第一段階では「目視等」での実施に留められていましたが、第二段階では「アルコールチェッカー」を用いたアルコールチェックが義務付けられました。
また、アルコールチェッカーは定期的に点検を行い、いつでも正確に測定できる状態にしておくことも義務化の内容に含まれています。
この内容は、当初2022年10月から義務化開始予定でした。しかし、2022年9月に「当分の間延期する」と警察庁が発表しました。
参照:警察庁の発表文書
※現在は公開終了しています
警察庁が義務化の延期を発表した理由としては、世界的な半導体不足により十分な数のアルコール検知器が市場に流通する見通しが立っていないことが挙げられました。なお、この時もパブリックコメントが募集されました。
その後、今まで不足していたアルコール検知器が問題なく市場に出回る見通しが立ったことにより、改めて2023年12月1日から義務化開始となりました。具体的な内容は以下のとおりです。
- 運転者の酒気帯びの有無の確認を、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いておこなうこと
- アルコール検知器を常時有効に保持すること
(道路交通法施行規則第9条の10)
なお、アルコールチェック義務化については、以下の記事で詳細を解説しています。合わせてご覧ください。
参考記事:【最新】アルコールチェック義務化とは?実施方法や罰則などを解説
最終的なアルコールチェック義務化のスケジュールを図でまとめると、以下のとおりです。
対象企業が対応すべき3つのこと
アルコールチェック義務化の対象となる企業は、以下の対応を進めなくてはなりません。
①安全運転管理者の選任
アルコールチェックは、原則として安全運転管理者が実施しなくてはなりません。アルコールチェック義務化の対象となる企業は、安全運転管理者の選任が必須になるので、まだ安全運転管理者を選任していない場合は、選任や届出等を早急に進めなくてはなりません。
安全運転管理者に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
安全運転管理者に必要な資格を解説|届出方法や罰則も紹介
安全運転管理者の届出ハウツー!電子申請や必要書類のリンクも掲載
安全運転管理者の罰則と法令遵守のポイント|業務内容とリスクを徹底解説
安全運転管理者をすでに選任している場合は、新たな業務としてアルコールチェックが追加されたので、業務フローを再確認するとともに、アルコールチェック実施を徹底する仕組みを作る必要があります。
②アルコールチェッカーの手配とメンテナンス
アルコールチェックを実施するためには、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーを手配する必要があります。
国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、”呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器”とされています。
参考:『道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案』等について.pdf (npsc.go.jp)
言い換えると、アルコールチェッカーを選ぶ時のポイントは以下のとおりです。
- 音、色、数値等で呼気から酒気帯びの有無が確認できる
- 正しく測定ができれば、メーカーや形は問わない
現在は各メーカーからいろんな種類のアルコールチェッカーが販売されており、価格や精度、形状なども様々です。社内でのアルコールチェックの運用方法を想定した上で、自社にとって使いやすいアルコールチェッカーを選ぶことが大切です。
また、アルコールチェッカーには耐用年数や使用上限が設けられています。常時有効に保持し、いつでも正確に測定できる環境を整備しておくためには、点検やメンテナンスを行うことも重要です。
アルコールチェッカーは、オンラインストアやネット通販で簡単に購入できるほか、レンタルやリースも可能です。使用期限の到来に伴う機器更新やメンテナンスの手間を省きたい場合は、これらのサービスを利用するのもおすすめです。
③記録・保存体制の構築
法律では、アルコールチェックを実施するだけでなく、結果を記録して1年間保存することも義務付けられています。
そのためには、記録簿を用意し、1年間保存できる体制を整える必要があります。記録簿の形式は紙でもデータでも構いません。紙の場合はファイルや保管庫を準備し、データの場合は適切な格納場所に専用フォルダを作成しておきましょう。
記録簿に記載すべき項目や、エクセルのテンプレートは以下の記事からご確認ください。
まとめ
今回は、2023年12月1日から開始された「検知器を用いたアルコールチェック義務化」の経緯と、警察庁の発表内容について解説しました。
「飲酒運転防止の強化」というアルコールチェック義務化の目的や、義務化に至った背景について正しく理解し、確実に対応していきましょう。
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義務化対応としてのアルコールチェックの運用は、安全運転管理者にとってもドライバーにとっても負担がかかります。双方の負担を軽減しながら効率的にアルコールチェックを実施する手段として、「車両管理システム」の需要が高まってきています。 車両管理システムを導入すると、以下のようなメリットがあります。
- アルコールチェック記録や日報類をペーパーレス化することで、提出やチェックの手間を軽減できる
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