アルコールチェッカーの種類や使い方は?アルコールチェック義務化対応を進める法人向けに、記録の管理方法も解説!
2022年4月から、緑ナンバーに加えて白ナンバーの運転前後の酒気帯びの確認が義務化され、今後はアルコールチェッカーを用いた確認が義務化されます。(※2022年10月から義務化予定でしたが、当面延期となりました。)今回は、アルコールチェッカーの種類や使い方、アルコールチェック記録の管理方法についてご説明します。
アルコールチェッカーとは?
アルコールチェッカーを使う目的
アルコールチェッカー(アルコール検知器)とは、息を吹きかけることで、体内の残留アルコール濃度を数値化する機械です。主に、仕事で車の運転をする人の酒気帯びの有無を確認するために使用します。
今までは、有償で人や荷物を目的地に運ぶトラック・バス・タクシーなどの緑ナンバーの車に対してのみ、アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されていました。
しかし、2021年6月に千葉県八街市で飲酒運転のトラックによる交通事故が発生したことを受け、業務使用の自動車における飲酒運転防止対策を強化することを目的として道路交通法が改正されました。
2022年4月からは営業車などの白ナンバーの車を運転する人に対しても、目視等でアルコールチェックを行うことが義務化されました。今後は、緑ナンバーだけでなく、白ナンバーもアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されます。(実施時期は延期中のため現時点では未定です)
酒気帯び運転などにより交通事故を起こしてしまうと会社のイメージダウンにも繋がるので、コンプライアンス強化の面でも、きちんとアルコールチェック義務化に対応していく必要があります。
※アルコールチェック義務化については、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にご覧ください。
参考:【2023年最新情報】アルコールチェック義務化とは?対象となる企業や罰則など、アルコールチェック義務化を徹底解説!
アルコールチェッカーの種類
アルコールチェッカーには、呼気中のアルコール濃度を計測するためのセンサーが内臓されています。センサーには、「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式(燃料電池式)センサー」の2種類があります。
半導体式ガスセンサーは、センサーの表面に付着する酸素量によって電気抵抗値が変化する特性を利用して計測します。体内にアルコールが残留している場合は酸素量が減少し、電気抵抗値が低くなります。
電気化学式(燃料電池式)センサーは、呼気中のアルコールを燃料として電気を発生させることで計測します。呼気中のアルコール濃度が高いほど、発生する電気の量が多くなります。
半導体式ガスセンサーの方が価格は安価ですが、アルコール以外の成分にも反応しやすいというデメリットもあります。コストや測定の精度などを踏まえて検討し、自社に合ったものを選びましょう。
アルコールチェッカーの選び方
タイプ(形状)で選ぶ
アルコールチェッカーには、据え置きタイプとハンディタイプがあります。
据え置きタイプは会社の事務所などに設置して使用します。パソコンと連携させるとデータ管理がしやすいこと、管理者の前で計測するため検査の不正を防ぐことができるなどのメリットがあります。一方で、常に電源に繋いでおく必要があること、持ち運びができないというデメリットもあります。
ハンディタイプは持ち運びがしやすく、自宅や車内など場所を問わず計測することができます。一方で、使用回数が決まっていること、製品によっては精度が低い可能性があることなどがデメリットとして挙げられます。
また、据え置きタイプでもハンディタイプでも、息の吹きかけ方にはいくつか種類があります。具体的には、機械に直接息を吹きかけるもの、ストローを機械に差し込んで息を吹きかけるものなどがあります。ストロー式の方が計測の度にストローを使い捨てできるので衛生的ですが、その分ストロー代がランニングコストとしてかかります。
測定の精度で選ぶ
アルコールチェックを行う上で、測定の精度は非常に重要です。精度が高い製品は価格も上がる傾向にはありますが、コンプライアンス強化という観点でもできる限り精度の高いアルコールチェッカーを導入することをおすすめします。
先ほどご説明したとおり、アルコールチェッカーには「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式(燃料電池式)センサー」の2種類がありますが、精度が高いのは「電気化学式(燃料電池式)センサー」です。電気化学式センサーはアルコール以外の成分には反応しないという特徴があります。精度の高さを重視して選ぶ場合は、電気化学式センサーを選ぶようにしましょう。
機能性で選ぶ
アルコールチェッカーには、アルコール濃度を計測するだけでなく、様々な便利な機能が搭載されたものがあります。
例えば、スマホのアプリと連携することで、アルコールチェッカーの計測値が自動でアプリ内に反映され、管理者はその情報を遠隔でリアルタイムで確認することができるものもあります。また、位置情報を記録できるものや、計測時に顔写真撮影を行って不正を防ぐものなど、多機能にわたります。
社内でのアルコールチェックの運用方法を想定した上で、管理者と検査者の双方にとって使いやすいアルコールチェッカーを選ぶことが大切です。
アルコールチェッカーの使い方
アルコールチェッカーを使うタイミング
アルコールチェッカーを使う主なタイミングは、運転の前後です。運転前だけでなく、運転後にもアルコールチェックを行うことが義務付けられています。これは、運転中の飲酒がなかったかを確認するためです。
また、安全運転管理者が主導してアルコールチェックの実施状況を確認し、チェックの結果を記録し、保管しておかなくてはなりません。
※安全運転管理者の選任については、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にご覧ください。
参考:安全運転管理者の選任
アルコールチェッカーを使う時の注意点
アルコールチェックを正確に行うために、以下のことに注意しましょう。
①測定前にうがいをする
口内に飲食物が残っていると、アルコールチェッカーが誤検知する場合があります。誤検知を防ぐためにも、アルコールチェック前にはうがいをするようにしましょう。
②測定前の飲食は避ける
飲食直後は正確に測定できない場合があるので、最低でも飲食後15分程度経ってから測定するようにしましょう。
③飲食物に含まれるアルコールに注意する
アルコールというとまずお酒を思い浮かべると思いますが、実はその他の飲食物にも微量のアルコールが含まれている場合があります。例えば、エナジードリンクやレーズンパン、洋菓子、ミントガムなどです。また、キムチなどの発酵食品、食後の歯磨きの際の歯磨き粉やうがい薬なども、アルコールチェッカーに反応してしまうことがあるので注意が必要です。
アルコールチェッカーの点検・メンテナンス
アルコールチェッカーが破損していると、アルコールチェックを行っても正しく測定ができないため、こまめに点検を行っておくことが大切です。具体的には、電源が入るか、損傷していないか、正常な呼気とアルコール成分を含んだ呼気で正しい数値が測定されるかなどを定期的に確認しましょう。
また、アルコールチェッカーのセンサーは使用によって劣化します。取扱説明書を確認し、チェッカーごとに定められた使用回数や使用期限を守るようにしましょう。精度を維持するためにも、点検で異常が見つかった場合はすぐに修理・交換を行い、壊れてしまった時に備えて予備品を用意しておくと安心です。
アルコールチェック記録の管理
アルコールチェック記録の保管義務
2022年4月の法改正により、運転前後にアルコールチェックを実施するだけでなく、アルコールチェックの記録を1年間保管することも義務化されました。記録しなくてはならない項目は、運転者やアルコールチェック実施者の名前、実施日時、アルコールチェッカーの使用有無(※アルコールチェッカー使用義務化の施行後から)などが挙げられます。
アルコールチェック記録の管理方法
現状ではアルコールチェック記録の管理方法にルールはないので、紙とデータのどちらでも問題ありません。アルコールチェックの結果を紙の記録表に手書きしているのか、エクセル等に入力しているのか、自動でデータ反映されるシステムを導入しているのかなどによって、紙とデータのどちらが運用しやすいのかが異なります。
書類の紛失や回収漏れを防ぐという点では、パソコンやクラウド上で保管する方法がおすすめです。アルコールチェッカーとシステムが連携しており、アルコールチェッカーに息を吹きかけると結果が自動でクラウド上に保存されるシステムなどもあります。
車両台数が多い場合や1日あたりの運転者が多い場合などは、紙で管理すると確認作業や管理が煩雑になってしまうため、システムの導入を検討してみてもよいかもしれません。
※ペーパーレス化については、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にご覧ください。
まとめ
この記事では、アルコールチェッカーの種類や使い方、アルコールチェック記録の管理方法について解説しました。記事のポイントは以下のとおりです。
- アルコールチェッカーのセンサーには、「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式センサー」の2種類があり、価格や精度に違いがある
- アルコールチェッカーを購入する際には、タイプ(形状)や測定の精度、機能性が自社の運用に合うものを選ぶとよい
- アルコールチェック記録は1年間保管する必要があるため、管理方法を決めて適切に運用する必要がある
交通事故を防止するためにも、アルコールチェッカーの点検・メンテナンスを定期的に行うようにしましょう。また、アルコールチェックの実施だけでなく、記録管理も行わなくてはなりません。効率的かつ正確に記録管理を行うために、デジタル化を進めていくことがおすすめです。
アルコールチェック義務化の対応として、弊社の社用車管理システム「Bqey(ビーキー)」の導入がおすすめです。
「Bqey」は、2022年4月からのアルコールチェック義務化にも対応しており、データはクラウド上で3年間保管可能なので、これからアルコールチェック義務化対応を進められる方にもおすすめです。
専用のアルコールチェッカーを使うと、アルコールチェックの結果が自動でアプリ上の運転日報に反映されるので入力の手間を省き、データ改ざん等の不正を防ぐこともできるので、飲酒運転防止による安全対策にも繋がります。
また、「Bqey」にはアルコールチェック時の写真撮影機能も搭載されているので、直行直帰時や出張時など対面でアルコールチェックができない場合に、対面対応の代替としてご活用いただけます。
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