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2024.01.12

アルコールチェッカーの数値の正しい見方とは|酒気帯びの基準値や注意点も解説!

2023年12月からアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されました。とりあえずアルコールチェッカーを用意して対応を始めたものの、

 

・酒気帯び運転の罰則対象となる基準値が分からない

・アルコールチェッカーの正しい使い方を把握したい

・アルコールが検出された際の対応について知りたい

 

など、疑問や悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。本記事では、アルコールチェッカーの数値の正しい見方や使用方法、点検・メンテナンス方法などを詳しく解説します。酒気帯び運転の罰則対象となる基準値や罰則の内容についても見やすく表にまとめていますので、ぜひ確認してみてください。

分でわかる
「アルコールチェック義務化」完全ガイド

2023年12月1日から検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。「アルコールチェック義務化」について総復習したい方のために、わかりやすく解説した資料を用意しました。

今はまだ義務化の対象ではないという方も、自社での飲酒運転防止の仕組み作りのためにお役立ていただけます。

【資料で分かること】 

  • 義務化の経緯やスケジュール
  • 義務化の対象となる企業  
  • 対応を怠った場合の罰則  
  • 会社として対応すべき事項  

アルコールチェック義務化について正しく理解するために、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

資料を無料でダウンロード

アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
 【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!

アルコールチェッカーの数値の見方

市販のアルコールチェッカーの多くは、測定すると小数点第二位または第三位までの値が表示されます。表示された値が法令で定められた値を超えているかどうかで、酒気帯び運転の罰則対象となるか判定します。製品により検出限界や精度が異なるため、購入する際に確認しておくと良いでしょう。

 

酒気帯び運転および酒酔い運転の罰則対象となる基準値や罰則の内容などについては以下の表をご覧ください。

       
 違反種別 アルコール基準値 違反点数 処分 罰則

酒気帯び運転

0.15 mg/L以上0.25 mg/L未満

13点

90日の免許停止(※1)

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒気帯び運転

0.25 mg/L以上

25点

免許取消し

欠格期間2年(※1, 2)

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒酔い運転

数値基準なし

35点

免許取消し

欠格期間3年(※1, 2)

5年以下の懲役または100万円以下の罰金

(※1)前歴およびその他の累積点数がない場合

(※2)「欠格期間」とは、運転免許の取消し処分を受けたものが再取得することができない期間のこと

酒気帯び運転の基準値

酒気帯び運転の罰則対象となる基準値について、道路交通法施行令では以下のように定められています。

(アルコールの程度)

”第四十四条の三 法第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラムとする。”


(引用:道路交通法施行令

分かりやすく言い換えると、道路交通法の第百十七条の二の二第一項第三号において、酒気帯び運転等が禁止されており、罰則対象となる具体的な数値については政令で定められています。その政令で定められた数値が、血液の場合0.3 mg/mLまたは呼気の場合0.15 mg/Lということです。

 

つまり、アルコールチェックでこれらの数値を上回ったにも関わらず運転をしてしまった場合は、酒気帯び運転の罰則を科されることになります。

 

さらに、呼気において0.25 mg/Lを超えた場合は、違反点数がより大きくなります。運転免許についても、一時的に運転できなくなる「免許停止」ではなく、運転が一切できなくなる「免許取消し」となり、2年間は再取得も不可となります。

 

酒酔い運転との違い

酒酔い運転とは、アルコールチェッカーの数値に関わらず、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にも関わらず、運転を行ってしまうことを指します。運転手が以下のような状態にある場合、酒酔いと判断されます。

 

・まっすぐ歩くことができない

・明らかに呂律が回っていない

・質問に対する受け答えがまともにできない など

 

酒酔い運転の場合は、酒気帯び運転よりも厳しい罰則が科されます。

飲酒運転には厳しい罰則が科される

ここまで解説してきたように、飲酒運転(酒気帯び運転および酒酔い運転)には厳しい処分や罰則が科されますが、対象となるのは運転者だけではありません。車両の提供者や酒類の提供者、同乗者も罰則対象となります。それぞれどのような罰則が科されるのか、いま一度確認しておきましょう。

運転者・車両の提供者への罰則

車両の運転者および車両の提供者に対する罰則は以下の通りです。

≪運転者・車両の提供者≫

  • 酒酔い運転の場合:5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金

酒類の提供者・車両の同乗者への罰則

酒類の提供者および車両の同乗者への罰則は以下の通りです。

≪運転者・車両の提供者≫

  • 酒酔い運転の場合:3以下の懲役 または 50万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:2年以下の懲役 または 30万円以下の罰金

企業の代表者や責任者も罰則の対象に

従業員が飲酒運転をしてしまった場合、その罰則は企業の代表者や責任者にも及ぶ可能性があります。従業員が酒気帯び状態にあることを認識していた場合、企業に対して車両の提供者への罰則が科されます。また、安全運転管理者の解任命令や運行管理者の資格証返納命令が下されることもあります。さらに、自動車運送事業者に該当する場合は、一定期間の自動車等の使用停止処分や事業停止処分となる可能性もあります。

罰則だけでなく、企業としての社会的信用を失うことにも繋がるということを認識しておきましょう。

2023年12月に義務化された内容とは

白ナンバーに対するアルコールチェックは2022年4月から義務化されました。詳細は以下の記事を参考にしてください。

 

参考記事:【12月最新】アルコールチェック義務化とは|運用方法まで徹底解説!

 

アルコールチェック義務化直後は目視等による確認のみとされていましたが、2023年12月からは以下のとおりアルコールチェッカーを用いた確認が義務化の内容に追加されました。

  • 運転者の酒気帯びの有無の確認を、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いておこなうこと
  • アルコール検知器を常時有効に保持すること(道路交通法施行規則第9条の10)

なお、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、「呼気中のアルコールを検知し、その有無 又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器」を指しており、これを満たしたアルコールチェッカーであれば問題なく使用できます。

 

当初は2022年10月から義務化される予定でしたが、アルコールチェッカーの供給不足などの観点から一旦延期となりました。その後、供給が落ち着いてきたことなどから警察庁が改めて義務化を発表し、2023年12月から義務化開始となりました。

アルコールチェック義務化の経緯については以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

 

参考記事:【最新】アルコールチェック義務化はいつから?2023年12月1日から開始!

アルコールチェッカーの正しい使い方

ここでは、アルコールチェッカーの正しい使い方を説明します。

 

アルコールチェックは原則対面で行う

アルコールチェックは原則として対面で行わなければなりません。確認者は、目視等で運転者の顔色、呼気のにおい、声の調子などに問題がないかどうか確認します。アルコールチェッカーを用いた場合でも、目視等の確認は省略できないため注意しましょう。

なお、直行直帰などにより対面確認が難しい場合は、運転者に携帯用のアルコールチェッカーを携行させた上で、

 

・カメラやモニター等で運転者の顔色や声の調子、アルコールチェッカーの測定結果を確認する

・携帯電話や業務無線等で運転者と直接対話して運転者の声の調子を確認し、アルコールチェッカーの測定結果を報告させる

 

など、対面確認と同等とみなすことのできる方法で行いましょう。

 

運転前後に測定する

アルコールチェッカーを使う主なタイミングは、運転前と運転後の計2回です。道路交通法では、運転前だけでなく運転後にもアルコールチェックを行うことが義務付けられています。これは、運転中の飲酒がなかったかを確認するためです。

 

なお、運転の直前・直後である必要はなく、運転を含む業務の開始前や終了後、出勤時や退勤時でも問題ありません。

 

しっかりと息を吹きかける

アルコールチェッカーは、センサー部分で呼気中のアルコール濃度を検知します。誤検知やエラーを防ぎ正しい測定結果を得るためにも、センサー部分にはしっかりと息を吹きかけるようにしましょう。吹き込みが足りない場合は測定エラーとなることもあるため、注意が必要です。

また、風が当たる場所での測定は誤検知を招く場合があるため、避けた方がよいでしょう。吹きかけ式のアルコールチェッカーと比較すると、ストロー式やマウスピース式の方が風などの環境による影響を受けにくいとされています。いずれのタイプにおいても、事前に説明書を読み、正しい使用方法を確認しておくことが大切です。

 

アルコールチェッカーの選び方やアルコールチェックの運用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。


参考記事:アルコールチェッカーの正しい使い方|義務化に対応した運用方法も紹介

注意すべき3つのポイント

アルコールチェッカーで正確に測定するため、また想定外のアルコール検出によるトラブルを防ぐため、以下の3点に注意しましょう。

 

①うがいをしてから測定する

口内に飲食物が残っていると、アルコールチェッカーが誤検知する場合があります。誤検知を防ぐためにも、アルコールチェック前にはうがいをするようにしましょう。うがいをする際、アルコールタイプの洗口液を使用するのは避けましょう。

 

②測定前の飲食・喫煙は避ける

飲食や喫煙の直後は正確に測定できない場合があるので、15分~20分程度経ってから測定するようにしましょう。洋酒入りのパンや洋菓子、ミントガム、エナジードリンク、キムチなどの発酵食品もアルコールチェッカーに反応してしまうことがあるため、注意が必要です。

 

③前日の飲酒にも注意する

飲酒直後に運転しようとする方はいないと思いますが、意外と見落としがちなのが前日の飲酒です。夜遅くまで飲んでいた場合や飲酒量が多かった場合、翌日の朝のアルコールチェックでも検出されることがあります。アルコール代謝の能力は個人差があるため、自身にとって適正な飲酒量を把握し、翌日に運転する予定がある場合は飲み過ぎに注意しましょう。

点検・メンテナンス方法

道路交通法では、”アルコールチェッカーを常時有効に保持すること”が義務付けられており、そのためにはこまめに点検やメンテナンスを行うことが大切です。

 

日常点検の方法

日常点検には、毎日の持ち出し前に行うべき点検と、週に1回以上行うべき点検があります。

       
 確認のタイミング 点検項目

持ち出し前

・電源が入ること

・損傷していないこと

週1回以上

・アルコールチェッカーが酒気帯びの有無を正しく検知できていること

アルコールチェッカーが酒気帯びの有無を正しく検知できているかどうか確認するためには、以下のような方法があります。

STEP1. 酒気を帯びていない人が水で口をゆすいだ後、2~3分待ってからアルコールチェッカーで測定し、結果が0となることを確認する。

STEP2. 同じ人が再度水で口をゆすぎ、アルコールを含んだ洗口液などを口内に数プッシュ噴霧する。口を開けた状態ですぐにアルコールチェッカーで測定した際に、アルコールを検知することを確認する。

ぜひ、日常点検を行う際の参考にしてみてください。

 

メンテナンスの方法

アルコールチェッカーのセンサーは使用しているうちに劣化するため、使用回数や耐用年数が定められています。使用回数や耐用年数を超えたアルコールチェッカーは、日常点検とは別に、センサー交換のためのメンテナンスを行う必要があります。

アルコールチェッカーのメンテナンスは基本的に製造元に依頼します。センサー交換式のタイプでは、センサー部分のみを購入して自分で交換できるものもありますので、取扱説明書等で確認しておきましょう。

 

多くの機種は、使用した回数や残りの回数が本体に表示されたり、製造元から交換時期のお知らせメールが届いたりして、メンテナンスを行うべきタイミングを把握することができます。あまりギリギリまで使用せず、余裕を持ってメンテナンスを行うと安心です。購入時には、センサーの交換ができるかどうかや交換時期を把握する方法について確認するようにしましょう。

なお、センサー交換ができないタイプの場合は、本体ごと買い替えなければなりません。

 

アルコールチェッカーが正常に検知できないと飲酒運転に繋がりかねないため、点検・メンテナンスは必ず実施するようにしましょう。

アルコールが検出された際の対応

実際にアルコールチェッカーで測定をした際に、アルコールが検出された場合はどうすればよいのでしょうか。

運転前の確認でアルコールが検出された場合は、当然ながら運転させることはできません。車を使わずに通勤していた場合は問題ありませんが、車を運転して通勤していた場合は、飲酒運転となるため最寄りの警察署等に通報しなければなりません。

また、運転後の確認で判明した場合は、運転中に飲酒したということになるため、同じく警察署等に通報してください。その際、対応した内容について正確に記録しておきましょう。

 

安全運転管理者の不在時など、代理人がアルコールチェックの確認を行った際にアルコールが検出された場合は、ただちに安全運転管理者へ報告してください。そして、必要な対応について指示を仰ぐ、安全運転管理者から直接運転中止の指示をするなど、安全運転を確保するための対応を確実に行ってください。

 

参考:アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等に係るQ&A(警察庁)

 

なお、安全運転管理者について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。


参考記事:【2023】5分でわかる安全運転管理者とは|選任義務や業務内容を徹底解説

 

酒気帯び運転の罰則対象にはならないが、0より大きい値が検出された場合

0.15 mg/Lよりも小さいが0ではなかった場合、どうすればよいのでしょうか。

 

うがいをして再測定

直前に飲食・喫煙したり、アルコールを含む洗口液を使用した場合は、アルコールチェッカーが誤検知を起こす場合があります。心当たりがある場合は、まずうがいを行い、少し時間をおいてから再測定してみましょう。

 

それでも0にならない場合

うがいをして再測定しても0より大きい数値が出る場合は、たとえ酒気帯び運転の罰則対象となる数値未満であったとしても運転することは控えましょう。0にならないということは、体内にアルコールが残っているということであり、交通事故を引き起こすリスクとなります。交通事故は人の命に関わるため、アルコールが完全に抜けるまで待ちましょう。

 

千葉県安全運転管理協会が作成した「アルコールチェック義務化Q&A」には、罰則対象未満の数値であっても運転をさせてはならないと記載されています。また、千葉県警察が作成した酒気帯びの有無の確認記録記載例では、0.10 mg/Lの場合を酒気帯びと認めています。詳細は以下のリンクからご覧いただけますので、参考にしてください。

 

参考:アルコールチェックの義務化と記録Q&A(千葉県安全運転管理協会)

参考:安全運転管理者の業務拡充に関するQ&A(第五版)(PDF形式:401KB)(千葉県警察)

まとめ

今回は、アルコールチェッカーの数値の見方について解説しました。呼気の場合は0.15 mg/L以上で酒気帯び運転の罰則対象となります。アルコールチェッカーを有効な状態に保つためには、定期的な点検とメンテナンスも重要です。正しい使い方や測定時の注意点を押さえて、正確にアルコールチェックを行いましょう。

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