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2024.11.22

飲酒運転における会社のリスクと責任|従業員の処分や対策も解説

飲酒運転は法律で禁止されており、重大な交通事故を引き起こす可能性があるため、決して行ってはなりません。しかし、万が一従業員が飲酒運転をしてしまった場合、会社にはどのようなリスクが生じるのかを把握しておきたいと考える方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、飲酒運転の法的リスクや会社の責任、仕事への影響、違反した従業員への処分・対応などについて解説します。懲戒解雇に至った事例や会社が取り組むべき飲酒運転の防止策なども紹介していますので、自社の取り組みの参考にしてください。

 

この記事でわかること

  • 飲酒運転における法的リスク
  • 飲酒運転における会社の責任
  • 従業員が飲酒運転をした場合の会社への影響
  • 飲酒運転をした従業員への会社の対応
  • 会社が取り組むべき飲酒運転対策

「アルコールチェック」について理解して
飲酒運転を防ごう!

道路交通法により、一定台数以上の社用車を使用する事業所には、検知器を用いたアルコールチェックが義務付けられています。
自社は対象なの?何をすればいいの?という疑問を解決する資料をご用意しました。

【資料でわかること】

  • アルコールチェック義務化の概要 
  • 義務化の対象となる事業所の条件
  • 具体的にやるべきことは何か
  • アルコールチェックを怠った場合の罰則

この一冊に、アルコールチェック義務化の対応に必要な情報がまとまっています。法令を遵守した運用をするために、ぜひ本資料をご活用ください。

 

飲酒運転における法的リスク

飲酒運転は、道路交通法において以下のように禁止されています。

(酒気帯び運転等の禁止)

第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
 何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第百十七条の二の二第一項第六号及び第百十七条の三の二第三号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。”

引用元:道路交通法 | e-Gov 法令検索

これに違反した場合は、罰則の対象となることがあります。また、飲酒運転により人身事故を起こした場合も、厳しい罰則が科されます。

 

酒気帯び運転の場合

酒気帯び運転の処分対象となる基準は、体内のアルコール濃度で決まります。具体的には、「血液中のアルコール濃度0.3 mg/mL以上」または「呼気中のアルコール濃度0.15 mg/L以上」が検出された場合、罰則および行政処分が科されます。

酒気帯び運転の運転者に対する罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。処分内容は、検出された呼気中アルコール濃度に応じて、以下のように定められています。

  • 0.15 mg/L以上0.25 mg/L未満:違反点数13点、90日間の免許停止

  • 0.25 mg以上:違反点数25点、欠格期間2年の免許取消し

酒酔い運転の場合

酒酔い運転とは、体内のアルコール濃度に関わらず、飲酒の影響で正常な運転ができない状態を指します。例えば「まっすぐ歩けない」「呂律が回っていない」「受け答えがまともにできない」状態にある場合、酒酔いと判断されます。

酒酔い運転の運転者に対する罰則は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。違反点数は35点で、欠格期間3年の免許取消し処分が科されます。

 

飲酒運転で人身事故を起こした場合

アルコールの影響で正常に運転できない状態で自動車を運転し、人に怪我を負わせた場合は「危険運転致傷罪」に該当します。また、被害者が死亡した場合には「危険運転致死罪」となります。正常な運転ができない状態であったかどうかは、飲酒量や飲酒後の状況、運転の方法、事故の様子、さらに事故後の飲酒検知結果などを総合的に判断して決定されます。

危険運転致傷罪の罰則は 15年以下の懲役危険運転致死罪の場合は 1年以上の有期懲役 です。

 

危険運転致傷罪の処分内容は被害者の状態に応じて、以下のように定められています。

  • 治療期間15日未満:違反点数45点、欠格期間5年の免許取消し

  • 治療期間15〜29日:違反点数48点、欠格期間5年の免許取消し

  • 治療期間30日以上:違反点数51点、欠格期間6年の免許取消し

  • 治療期間が3ヶ月以上または後遺障害となった場合:違反点数55点、欠格期間7年の免許取消し

一方、危険運転致死罪の違反点数は62点で、最大8年の免許取消し処分が科されます。

参照元:行政処分基準点数 警視庁

飲酒運転における会社の責任4つ

従業員が業務中に飲酒運転をした場合、会社にも責任が生じます。具体的には、刑事責任と民事責任、行政責任、そして社会的責任の4つです。

 

①刑事責任

飲酒運転は、運転者だけでなく、車両の提供者、酒類の提供者、さらには車両の同乗者などにも刑事責任が問われる場合があります。

会社の代表者や責任者は車両提供者に該当し、車両の名義や所有権に関係なく、従業員が飲酒していることを把握した上で運転を許可した場合、罰則の対象となります。 

具体的には、以下のような罰則が科されます。

≪車両提供者(会社の代表者や責任者)≫

  • 酒酔い運転の場合:5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金

≪酒類の提供者・車両の同乗者≫

  • 酒酔い運転の場合:3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転の場合:2年以下の懲役 または 30万円以下の罰金

酒気帯び運転と酒酔い運転の違いや、飲酒運転に対する処分内容については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

参考記事:飲酒運転の基準と罰則|お酒の分解時間や違反を防ぐポイントも解説

 

②民事責任

従業員が飲酒運転により被害者を死傷させた場合、会社にも民事責任が生じる可能性があります。この責任は以下の法律によって定められています。

(使用者等の責任)

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。”

引用元:民法 | e-Gov 法令検索

この条文における「ある事業のために他人を使用する者」は会社側を指し、「被用者」は従業員を意味します。そのため、会社には従業員の行為による損害について損害賠償責任が発生する場合があります。

また、従業員が社用車を使用中に事故を起こし、被害者を死傷させた場合、自動車損害賠償保障法第3条に基づき、会社(運行供用者)に民事責任が課されます。

(自動車損害賠償責任)

第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。”

引用元:自動車損害賠償保障法 | e-Gov 法令検索

③行政責任

貨物運送事業者など一部の業種では、従業員の飲酒運転により行政責任が生じる場合もあります。従業員が酒気帯び運転または酒酔い運転をした場合、初違反なら100日間の車両使用停止再違反なら200日間の車両使用停止の行政処分です。 

 

さらに、会社側が飲酒運転防止に関する指導監督義務に違反していた場合、3日間の事業停止となります。飲酒運転による重大事故があり、かつ会社側が指導監督義務に違反していた場合、7日間の事業停止です。会社側が飲酒運転を下命し、容認していた場合、14日間の事業停止となります。

参照元:飲酒運転防止対策マニュアル(公益社団法人全日本トラック協会)

 

④社会的責任

飲酒運転は企業のイメージを著しく損なう行為であり、従業員が飲酒運転を起こせば、会社は社会的責任を問われることになります。

特に近年では、インターネットの口コミやSNSを通じて情報が瞬時に拡散され、炎上に発展するケースも珍しくありません。飲酒運転に関する炎上は、当該企業だけでなく、同業他社や類似した名称の企業など、無関係な企業にも影響が及ぶほど深刻な問題となっています。

一度拡散した情報を完全に削除することは困難です。また、たとえ罪を償ったとしても、失われた社会的信用を回復するのは容易ではありません。

企業イメージの失墜は経営にとって大きなリスクとなり得るため、従業員による飲酒運転を未然に防ぐための管理体制を整えることが不可欠です。

従業員が飲酒運転をした場合の仕事への影響

飲酒運転を起こした従業員は逮捕され、刑事訴訟法に基づき身柄を拘束される可能性があります。その間、会社にはさまざまな影響が生じます。

 

従業員の身柄拘束による業務停滞

飲酒運転で逮捕された従業員は、警察署で取り調べを受けなければなりません。取り調べには48時間以内という制限があり、この期間内に検察官へ事件が送致されるかどうかが決まります。

送致された場合、24時間以内に起訴処分となるか、不起訴処分となるかが原則として決定されます。ただし、さらなる取り調べが必要と判断された場合、検察官により勾留請求がなされ、最大20日間にわたり身柄が拘束されることがあります。

 

逮捕から送致、勾留、起訴までの間、最長で23日間にわたり従業員が出勤できない可能性があります。

従業員の業務内容によっては、会社全体の業務が停滞する恐れもあります。また、逮捕から起訴までの期間は一般的に休職扱いとなり、就業規則にもよりますが、通常は賃金は発生しません。

ただし、会社が弁護士を通じて従業員に意向を確認し、有給休暇を申請した場合には、これに応じる必要があります。

参照元:刑事訴訟法 | e-Gov 法令検索

 

会社へのクレーム対応による負担増加

飲酒運転が発覚すると、場合によっては従業員の実名が報道されることがあります。特に人身事故を伴う場合や社会的地位の高い職種の従業員の場合、実名報道される可能性が高いです。

また、一部の報道機関では従業員の勤務先名を公表することもあり、これがSNSを通じて拡散される場合もあります。

こうした報道を受けて、会社にクレームが寄せられる可能性が高く、対応に追われることで通常業務が滞ることが考えられます。

特に運送業の場合、事業の停止リスクやクレーム対応に伴う業務の停滞が経営状況に悪影響を及ぼす可能性があるため、十分な対策を講じる必要があります。

飲酒運転をした従業員への会社の対応

従業員の飲酒運転は、会社にも多大な影響を及ぼす可能性があります。しかし、飲酒運転を起こした従業員に対する会社の対応を直接的に定めた法律はありません。そのため、各社の就業規則に基づいて適切に対応する必要があります。

 

①懲戒解雇

従業員が就業規則に違反した場合、最も重い処分は懲戒解雇です。懲戒解雇となるケースとしては、会社が運送業を営んでいる場合や、当該従業員が運転を主たる業務としている場合などが考えられます。

ただし、懲戒解雇は以下の要件を満たす場合にのみ認められます。

  • 就業規則に懲戒解雇に関する条件や規定が明記されていること

  • 就業規則に明記された懲戒解雇に関する内容が従業員に周知されていること

  • 当該従業員の行為が懲戒解雇に値し、処分が適切であること

  • 懲戒解雇に至るまで適切な手順が踏まれていること

懲戒解雇の場合、即時解雇が可能であり、就業規則によっては退職金が減額または不支給となることもあります。

 

②その他の懲戒処分

懲戒処分については、就業規則に具体的な規定を設けている会社もあります。例えば、以下のような処分が挙げられます。

  • 戒告:口頭または書面による厳重注意

  • 減給:給与の一部を減額する措置

  • 出勤停止:一定期間の出勤を禁止する措置(この期間の賃金は基本的に発生せず、退職金算定の勤続年数にも含まれません)

  • 降格・降職:役職や職位を引き下げる措置(この変更により基本給や役職手当が減額される場合があります)

どの懲戒処分を適用するかは、就業規則に従い、会社への影響や飲酒運転の具体的な内容などを総合的に考慮して判断します。

適切な処分を行うためのポイント

従業員に対する懲戒処分を適切に行うためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

 

懲戒処分について就業規則で規定する

懲戒処分を行うためには、その根拠となる規定が明確である必要があります。従業員の飲酒運転が発覚した際、会社の就業規則に懲戒処分に関する規定がないと、適切に処分を行うことが難しくなります。

また、飲酒運転が発覚した後に就業規則を変更しても、既に発生した違反行為に対して改定後の規定を適用することはできません。

そのため、適切な処分を行うには、あらかじめ就業規則に飲酒運転に関する懲戒処分の内容を明記しておく必要があります。

 

事実関係を調査する

懲戒処分を行う前に、対象となる事案の事実関係を十分に調査することが重要です。主観的な判断や憶測に基づく処分は、不当な結果を招くおそれがあります。公

平性を確保するためにも、まずは本人やその代理人(弁護士など)から事情を聴取し、事実関係を正確に把握する必要があります。

本人や弁護士から事情聴取する際のポイントは、飲酒量や被疑事実の内容、本人の認否(事実を認めるか否か)、被害者がいる場合の示談の有無、身柄拘束期間、処分の見込み、本人の退職意志などを確認することです。

 

懲戒委員会で検討する

懲戒処分は、組織としての判断が求められるため、懲戒委員会を設置し、複数人で慎重に検討することが重要です。

懲戒委員会は、就業規則に弁明の機会に関する規定が明記されている場合、必ず実施する必要があります。また、就業規則にそのような規定がない場合でも、適切な審議が行われたことを保証するために、実施することが賢明です。

懲戒委員会では、特に以下の点に注意してください。

  • 当事者に弁明の機会を与える
    処分を決定する前に、当事者に事実に関する説明や弁明の機会を与えることが重要です。これにより、誤解や不当な判断を防ぎ、透明性を確保します。
     

  • 過去の事例や社会通念を考慮する
    処分内容を決定する際には、類似の過去事例や社会通念を参考にし、公平で一貫性のある判断を心がけましょう。

これらの手順を適切に踏むことで、組織としての信頼性を維持し、公平で納得感のある処分を実現することができます。

懲戒解雇に至った事例

運送業など運転が主となる会社の従業員が飲酒運転で重大な事故を起こした場合などは、懲戒解雇でも適切な処分といえます。実際に懲戒解雇に至った例は存在します。

 
  • 千葉中央バス事件(千葉地裁・昭和51.7.15)

バス運転手が企業外で酒酔い運転および暴行を行い、罰金刑に処せられたことを理由とする懲戒解雇が有効と判断されました。

 
  • 京王帝都電鉄事件(東京地裁・昭和61.3.7)

路線バスの運転士が勤務後にウイスキーの水割りとビールを飲酒し、自家用車の運転中に過失致死事故を起こしたことを理由とする懲戒解雇が有効と判断されました。

 
  • ヤマト運輸事件(東京地裁・平成19.8.27)

ヤマト運輸のドライバーが業務終了後、帰宅途中に酒気帯び運転で検挙されたことを理由とする懲戒解雇が有効と判断されました。

この懲戒解雇の適法性の根拠としては、大手運送会社としての企業イメージの失墜を防ぐ必要性、運送業界が飲酒運転に対して特に厳格な対応を求められる立場にあること、そして従業員の飲酒運転に対して懲戒解雇という最も重い処分を下すことが企業の姿勢を示す上で妥当である点が挙げられています。

会社が取り組むべき3つの飲酒運転対策

飲酒運転は、重大な事故や法的問題を引き起こす危険な行為です。会社として、従業員や社会の安全を守るため、以下の3つの対策に取り組むことが重要です。

 

①従業員教育

従業員に対し、飲酒運転防止に関する教育を実施しましょう。飲酒運転の危険性や法的責任、違反した場合のリスクについて、従業員に十分周知することが重要です。

特に、自身が飲酒運転で逮捕された場合に周囲へ及ぼす影響や、科される罰則の重さを具体的に伝えることで、意識向上を図ることが求められます。

 

具体的な取り組みとしては、安全運転に関する定期的な講習会の実施や、専門家を招いたセミナーの開催が効果的です。また、飲酒状態をシミュレーションできるゴーグルやメガネを活用し、飲酒しない従業員にも飲酒運転の危険性を体感してもらうことで、理解を深めることができます。 

 

②アルコールチェックの実施

日常業務でアルコールチェックを実施することは、飲酒運転を未然に防ぐ有効な手段です。始業前や業務中など適切なタイミングでチェックを行い、アルコールが検知された場合は、速やかに対応策を講じるルールを徹底しましょう。

 

なお、アルコールチェックは、運送業などの緑ナンバー事業者や、一定台数以上の白ナンバー車両を使用する事業者に法律で義務付けられています。対象の事業者は、運転の前後に運転者が飲酒していないか目視で確認し、アルコールチェッカーを用いた検査を実施する必要があります。また、その結果を記録し、1年間保存する義務もあります。

義務の対象でない会社においても、アルコールチェックを導入することで飲酒運転防止に大きな効果が期待できます。

 

アルコールチェック義務化は2022年の法改正によって施行され、大きな注目を集めています。詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:【最新】アルコールチェック義務化とは?実施方法や罰則などを解説

 

③懲戒処分の内容周知

従業員が飲酒運転を起こした場合の懲戒処分の内容を具体化し、事前に周知することは、抑止力として非常に有効です。

懲戒処分に関する規定を明文化し、全従業員に対して明確に説明する機会を設けることが重要です。また、社内規定の周知に加え、違反が発生した際の具体的な処分事例を共有することで、飲酒運転防止への意識を高めることができます。

さらに、プライベートで飲酒運転を起こした場合の処分内容についても、事前に規定を定めて周知することをおすすめします。

アルコールチェックの徹底に「車両管理システム」が役立つ

飲酒運転による悲惨な事故を防ぎ、企業としてのコンプライアンスを確保するためには、アルコールチェックの実施が非常に有効です。

体内のアルコール濃度を測定し、数値や音、色で結果を示す「アルコールチェッカー」は市販されており、簡単に入手可能です。そのため、法律で義務付けられていなくても、導入している企業も少なくありません。

 

しかし、「急いでいてアルコールチェックを忘れて運転してしまった」「アルコールチェックを行ったが記録を残すのを忘れてしまった」といった声も聞かれます。

こうした課題に対応し、アルコールチェックを徹底かつ効率的に行う方法としておすすめなのが、「車両管理システム」の活用です。

 

車両管理システムとは

車両管理システムとは、社用車やリース車などの車両を効率よく管理することができるシステムのことです。

具体的には、アルコールチェック義務化の対応をまるごと行うことができるシステム、1台の車を複数人で使う場合の予約管理ができるシステム、運転日報や日常点検などの書類をデータで管理できるシステム、走行距離を計測して最適なルートを教えてくれるシステムなどがあります。

 

2017年の中型トラックに対するタコグラフ搭載義務化をきっかけに車両管理システムの需要が一気に高まり、2016年から2022年の間で、導入した車両台数は約3.7倍になりました。

なお、車両管理システムの機能やメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。各社が提供する車両管理システムの機能や特徴もまとめて比較することができますので、ぜひ参考にしてください。

参考記事:【2024年最新】車両管理システムおすすめ12選|機能を徹底比較!

 

車両管理システムを導入するメリット

車両管理システムは、アルコールチェッカーと連携させることで、測定数値を自動で取り込むことができ、虚偽の報告やデータの改ざんを防止することができます。また、測定時に顔写真を撮影することで、なりすましを防ぐ仕組みもあります。

アルコールチェックの実施忘れを防止するリマインダー機能や、アルコールが検出された際に管理者へアラート通知を送る機能も搭載されており、アルコールチェックの徹底をサポートします。

さらに、アルコールチェックが未実施の場合や、基準値を超えるアルコール量が検出された場合には、車の解錠やエンジンの始動を物理的に制限することで、飲酒運転を防止できるシステムもあります。

参照元:Bqey<ビーキー>|社用車管理、まるっと解決

 

アルコールチェックの実施忘れや記録の不備にお悩みの方は、こうしたシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

車両管理システムを導入することで、コンプライアンスの観点からも重要なアルコールチェックの徹底が実現できます。

 

システムを用いたアルコールチェックの運用例

車両管理システムを用いてアルコールチェックを実施する場合の流れを、弊社の提供する車両管理システム「Bqey(ビーキー)」を具体例として用いて説明します。

 

1.スマホアプリを立ち上げ、安全運転管理者の立ち合いのもと、運転前後のアルコールチェックを行います。

検知器とBluetooth接続することで、測定結果などの情報は自動入力されるため、その他必要な情報を入力します。入力したら登録ボタンを押してアルコールチェック記録の提出完了です。

2.運転後も同様にアルコールチェックを行い、そのままスマホアプリから提出します。

 

3.提出された記録はすぐに反映され、安全運転管理者はクラウド上で内容を確認することができます。データの保存期間はサービスごとに異なりますが、1〜3年程度、自動で保存されることが多いです。

未提出や未記入があった場合には、ドライバーに自動で通知が届くので、管理者の確認作業も効率化することができます。

車両管理システムの導入事例

ここからは、車両管理システム「Bqey」の導入事例を紹介します。システム導入によりどのようなメリットがあったのか見ていきましょう。

千代田エクスワンエンジニアリング株式会社様の事例

千代田エクスワンエンジニアリング株式会社は、千代田化工建設グループの一員であり、2023年4月1日、千代田工商、千代田システムテクノロジーズ、千代田テクノエースの3社が合併した企業です。

同社は経営理念である「エンジニアリングの力で笑顔あふれる未来へ」のもと、これまで培ってきた技術・経験・実績を最大限に活用し、「お客様第一主義」をモットーに、プラント・工場建設からメンテナンス業務までライフサイクルで対応できる総合エンジニアリング会社として、柔軟なワンストップサービスを提供されています。

約200台の社用車を保有しており、主に建設現場や取引先への移動に使用されています。2023年12月にスタートした検知器を用いてのアルコールチェック義務化に伴い、Bqeyの導入に踏み切りました。

抱えていた課題

  • アルコールチェックにおける不正やなりすましをしやすかった
  • 半導体式のアルコール検知器を使用していたため、測定精度が低かった
  • 社用車の管理を紙の記録表で実施していたため、集計や振り返りが手間だった
  • 社用車の管理方法が社内で統一されていなかった
  • Outlookで使用予約を管理していたが、使用時間を超過しても連絡がなく、次の利用者が予定通りに使用できないことがあった

Bqeyを選んだ理由

  • アルコールチェックの信頼性が担保できるから

  • 操作画面がシンプルで使いやすそうだったから

  • Bqeyの料金体系が自社の運用に合っていたから

導入による効果

  • アルコールチェックを正確かつ確実に実施することができるようになった
  • クラウド管理により、社用車の使用状況やアルコールチェックの実施状況の可視化ができた
  • 社用車の利用状況を把握できるようになったことで社用車の減車につながり、カーボンニュートラルの取り組みに貢献できた

アルコールチェックの徹底・効率化に関する導入事例については『アルコールチェック義務化の対応成功事例6選』も参考にしてください。

まとめ

飲酒運転は道路交通法で禁止されており、酒気帯び運転や酒酔い運転には罰則が定められています。さらに、飲酒運転によって人身事故を引き起こした場合、危険運転致死傷罪などに問われ、厳しい罰則や行政処分の対象となります。従業員が飲酒運転を起こした場合、会社には刑事責任、民事責任、行政責任、そして社会的責任の4つの責任が生じる可能性があります。

会社への影響としては、従業員の身柄拘束により業務が滞ることや、クレーム対応に追われることが考えられます。飲酒運転を起こした従業員については、事実関係を十分に調査した上で、懲戒解雇や懲戒処分など適切な措置を講じる必要があります。

 

企業には、従業員や社会の安全を守るために、従業員教育やアルコールチェックの実施、懲戒処分の内容周知といった飲酒運転防止対策を行うことが求められます。車両管理システムなどのツールを上手に活用し、飲酒運転の防止に努めましょう。

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【Bqeyでできること】

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  • 結果は自動でクラウド上に3年間保存
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