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2024.11.08

安全運転管理者の変更手続きとは?オンライン申請のリンクも掲載!

安全運転管理者は、一定台数以上の自家用自動車を使用する事業所に対して設置が義務付けられています。人事異動や前任者の退職などで、安全運転管理者を交代しなければならなくなった際、以下のような疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。

 

  • どのように手続きを行えばよいのか?
  • オンラインでの届出はできるのか?
  • 届出の際に必要な書類は?
  • 届出をしないと罰則はあるのか?

 

本記事では、安全運転管理者等を交代する場合の「手続き内容」や、「変更手続きが必要となるケース」、届出を行う際の「必要書類」、届出を怠った場合の「罰則」などについて分かりやすく解説します。オンライン申請のリンクもありますので、ぜひ活用してください。

後任への引継ぎ資料としても使える!
安全運転管理者まるわかりガイド

一定台数以上の社用車を所有している企業は、道路交通法によって「安全運転管理者」を選任することが義務付けられています。安全運転管理者の選任・届出方法や業務内容、違反した場合の罰則についてわかりやすく解説した資料をご用意しました。

【資料で分かること】      

  • 安全運転管理者とは 
  • 4つの資格要件 
  • 選任を怠った場合の罰則
  • 9つの業務内容 

安全運転管理者を交代する際の引継ぎにも役立つ内容となっていますので、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

 

アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
 【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!

安全運転管理者等の変更手続きが必要なケース

安全運転管理者制度において、最初の選任以降で届出の手続きが必要となるケースは大きく分けて2つあります。

 

 

安全運転管理者等を交代・解任する場合

一つ目は、安全運転管理者や副安全運転管理者を交代したり、解任したりするケースです。

一般的に、安全運転管理者等の交代が必要となるのは、人事異動や前任者が退職する場合などが考えられます。このほか、安全運転管理者等が法令で定める業務内容を行わず、安全運転が確保されていないと判断された場合は、公安委員会から解任命令がくだり、安全運転管理者等を交代しなければならなくなる可能性もあります。

 

注意したいのは副安全運転管理者を新たに選任する場合です。副安全運転管理者を選任する場合、安全運転管理者は30歳以上でなければなりません。

現在の安全運転管理者が30歳未満の場合は、30歳以上の人に安全運転管理者を交代してもらう必要があります。

 

なお、自動車の台数が減ったなどの理由により、安全運転管理者等の選任義務の対象から外れる場合は、安全運転管理者等の解任手続きを行うことになります。

 

届出内容に変更が生じた場合

二つ目は、事業者に関する情報等、現在の届出内容に変更が生じた場合です。具体的には、以下の事項などが該当します。

  • 事業者の名称
  • 事業者の住所
  • 安全運転管理者等の氏名
  • 自動車台数
  • 運転者数
これらの内容について変更点がある場合は、速やかに変更の届出を行いましょう。

ケース別!変更手続きの流れ

先ほど紹介した2つのケースについて、実際に変更手続きを行う際の流れを紹介します。

 

安全運転管理者等を交代・解任する場合

安全運転管理者等を交代する場合は、以下の流れで手続きを行います。

①前任者の解任

②後任者の選任

③15日以内に届け出る

まず、前任の安全運転管理者の解任を行い、次に後任者の選任を行います。その後、解任・選任から15日以内に警察署への届出を行います。

なお、自動車の台数が減ったなどの理由により、安全運転管理者の選任対象から外れる場合は、解任手続きのみとなります。

届出内容に変更が生じた場合

届出内容に変更が生じた場合は、変更から15日以内に警察署へ変更の届出を行います。

事業所が移転した場合は、移転後の所在地を管轄する警察署で手続きを行ってください。

届出方法は3パターンから選べる

安全運転管理者等に関する届出方法は以下の3パターンが用意されています。

 

①管轄する警察署の交通課窓口へ行く

企業や事業所を管轄する警察署の交通課窓口で直接届出を行う方法です。

自動車の使用者(事業所の代表者)以外が届出を行う場合は、実際に届出を行う人に対する委任状を求められる場合がありますので、注意してください。

 

②管轄する警察署の交通課へ郵送する

窓口へ行かなくてもよいため便利です。企業情報や個人情報が記載された書類を郵送することになるため、簡易書留など配達状況が追跡できるようにしておくと安心です。

ただし、都道府県によっては郵送での届出に対応していないこともあるため、事前に確認するようにしてください。

 

③オンライン申請

利便性向上を目的として、警察庁による「警察行政手続きサイト」の試行的運用が2021年6月から開始され、オンラインで届出を行うことができるようになりました。

福岡県など7つの県については当該サイトに対応していませんが、いずれもオンライン申請は可能です。

サイト内に7つの県のリンクがあり、そちらから申請できるようになっているので、ぜひ活用してください。

↓オンライン申請のリンクはこちら↓

警察行政手続サイト (npa.go.jp)

(運営元:警察庁)

届出に必要な書類

ここでは、それぞれの届出を行う際の必要書類を紹介します。

 

前任者の解任

  • 解任届出書

後任者の選任

  • 選任届出書
  • 住民票
  • 運転免許証の表面および裏面の写し
  • 運転記録証明書
  • 運転管理経歴証明書

 

各種届出について、手続きそのものには特に手数料は必要ありませんが、必要書類のうち「住民票」や「運転記録証明書」については、発行時に手数料がかかるため注意してください。

 

「運転記録証明書」は、自動車安全運転センターにて発行することが可能です。

交付手数料:670円(消費税非課税) ※2024年11月時点

参照元:運転経歴に係る証明書|自動車安全運転センター (jsdc.or.jp)

 

届出内容の変更

  • 変更届出書 ※変更事項が確認できる書類や郵便物の提示が求められる場合もあるので注意

 

以下は、大阪府における届出内容の変更に関する届出書の記載例です。参考にしてください。

出典:事業所の名称や所在地、使用者(事業主など)の変更/大阪府警本部

 

必要書類や届出書の様式は各都道府県により異なるため、事前に確認するようにしてください。都道府県によっては、住民票が原本でなく写しでよかったり、後任者の選任届出書が前任者の解任届出書を兼ねていたりするようです。

届出方法や必要書類については以下の記事で詳しく解説しています。各都道府県警察HPの安全運転管理者制度ページに飛べるリンクも掲載しているので、必要な届出書のフォーマットも入手できます。ぜひ活用してください。

参考記事:安全運転管理者の届出ハウツー!オンライン申請や必要書類のリンクも掲載

改めて知っておきたい、安全運転管理者制度とは

安全運転管理者等の変更手続きの内容について解説してきましたが、ここで安全運転管理者制度の概要について簡単におさらいしておきましょう。

また、イラスト付きでわかりやすくまとめた資料『安全運転管理者まるわかりガイド』もご用意しました。社内展開用等にご活用ください。

 

安全運転管理者制度とは

安全運転管理者制度は、一定台数以上の自動車を使う企業や事業所が、安全な運転環境を確保することを目的として導入されました。

社用車や運送車両の運転の管理・監督を担当する「安全運転管理者」および「副安全運転管理者」を選任し、安全運転の推進や事故の防止に取り組むことを目的としています。安全運転管理者等は、運転者の教育・訓練や運転状況のモニタリング、安全対策の策定・実施などを担当します。

 

選任義務の対象

選任義務の対象となるのは、以下のいずれかに該当する企業や事業所です。

  • 乗車定員が11人以上の自家用自動車を1台以上使用している
  • 5台以上の自家用自動車を使用している
    (原動機付自転車を除く自動二輪は1台につき自動車0.5台として計算)

これらの企業や事業所では選任が必要とされており、少なくとも1人以上の安全運転管理者を選任しなければなりません。

ただし、運送業で配置が義務付けられている「運行管理者」を選任している場合は対象外となります。

 

安全運転管理者と運行管理者の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。それぞれの選任義務の対象となる基準や、管理者の業務内容、違反行為に対する罰則について分かりやすく説明していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:安全運転管理者と運行管理者の違いとは|資格や罰則、業務内容も

企業によっては副安全運転管理者の選任も必要

20台以上の自動車を使用している場合には、安全運転管理者に加えて、副安全運転管理者の選任も必要です。

 

副安全運転管理者は、主に安全運転管理者の補佐や代行を担います。使用する自動車台数が多い場合、安全運転管理者だけでは確実に業務を遂行するのが難しくなります。それをサポートし、安全運転を確保する環境を整えるために、副安全運転管理者は必要になるのです。

安全運転管理者は使用する台数によって選任する人数は異なりませんが、副安全運転管理者は20台増えるごとに1人加算しなければならないため、注意が必要です。

副安全運転管理者については以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

参考記事:副安全運転管理者って必要なの?|安全運転管理者との違いも解説

 

資格要件

安全運転管理者、副安全運転管理者になるための資格要件を紹介します。

 

安全運転管理者の資格要件

安全運転管理者は、以下の資格要件を満たす必要があります。

  • 年齢:20歳以上
    (副安全運転管理者が置かれている場合は30歳以上)
     
  • 運転管理実務経験:運転管理の実務経験が2年以上必要

副安全運転管理者の資格要件

副安全運転管理者は、以下の資格要件を満たす必要があります。

  • 年齢:20歳以上

  • 運転管理経験または運転経験:1年以上の運転管理の実務経験または3年以上の運転経験

他にも、公安委員会に上記と同等の能力があると認められた場合には、安全運転管理者や副安全運転管理者になることができます。

ただし、過去2年以内に公安委員会から解任命令を受けた者、酒酔い運転や無免許運転などの違反をした者は安全運転管理者等になれないため注意が必要です。

安全運転管理者等になることができない違反行為の具体的な内容については、以下の記事でご確認ください。

参考記事:安全運転管理者に必要な資格を解説|届出方法や罰則も紹介

 

9つの業務内容

安全運転管理者や副安全運転管理者は、以下の9つの業務を担当します。

  1. 運転者の状況把握
    運転者の適性や技能、知識及び法令や処分の遵守状況を把握するための措置を講じます。
     
  2. 運行計画の作成
    最高速度違反や過積載運転、放置駐車違反行為や過労運転の防止など、安全運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成します。
     
  3. 交替要員の配置
    運転者が長距離運転や夜間運転を行う場合、疲労などで安全な運転ができなくなる可能性があるときは、事前に交代ドライバーを準備します。
     
  4. 異常気象時等の安全確保の措置
    異常な天候や自然災害などで、安全な運転が困難になる可能性があるときは、適切な指示を出し、安全な運転を確保するための措置を取ります。
     
  5. 安全運転の指示
    運転者に対して点呼を行い、自動車の点検の実施状況や、病気や過労などで運転ができない可能性があるかどうかを確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えます。例えば、適切な休息や運転方法のアドバイスなどを行い、安全性を高めます。
     
  6. 運転前後の酒気帯び確認
    運転をする前や終了後の運転者に対して、酒気帯びがあるかどうかを、目視やアルコール検知器などの手段で確認します。運転者の状態を確認することで、酒気帯び運転を防止し、安全な運転環境を確保します。
     
  7. 酒気帯び確認の記録・保存
    酒気帯びの確認結果を記録し、その記録を1年間保存することで、適切な管理と監査が可能となります。
     
  8. 運転日誌の記録
    運転者には運転日誌を備え付けてもらいます。運転者名や運転の開始と終了の日時、運転距離などの必要な情報を記録することによって、運転状況の把握や適切な記録管理が行えます。
     
  9. 運転者に対する指導
    自動車の運転に関する技術や知識など、安全な運転を確保するために必要な事項について、運転者への教育を行います。適切な運転方法、交通規則の遵守、事故防止などについて教育し、安全な運転を推進します。

安全運転管理者等は、これらの業務を通じて安全運転の促進や事故防止に取り組み、組織内の安全文化の向上を図る役割があります。

交代する際には、後任者への業務引継ぎを確実に行いましょう。

 

安全運転管理者制度については、以下の記事で詳しく解説しています。選任方法や安全運転管理者に関する法改正についても分かりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:5分でわかる「安全運転管理者」とは?選任義務の条件や資格、罰則も解説

届出を怠った場合の罰則

安全運転管理者等の届出に関して罰則があるのかどうか、気になる方も多いかと思います。

安全運転管理者制度では、以下の4つの違反行為に対する罰則が定められています。安全運転管理者は企業における安全運転の確保に重要な役割を担っており、その重要性が再認識されたことから、2022年の法改正により罰金の増額や新たな罰則が追加されました。

 

4つの罰則内容

  • 選任義務違反
    安全運転管理者の選任義務の対象であるにもかかわらず、企業や事業所が選任しない場合、罰則が適用される可能性があります。罰則は、法改正前は5万円以下の罰金でしたが、現在は50万円以下まで引き上げられています。
     
  • 解任命令違反
    安全運転管理者の解任命令が出されても適切な手続きを取らず、安全運転管理者の職務を続ける場合には、法的な制裁が科される可能性があります。罰則は、法改正前は5万円以下の罰金でしたが、現在は50万円以下まで引き上げられています。
     
  • 是正措置命令違反
    自動車の使用者に対して是正措置命令が出されても適切な対応を取らなかった場合、法的な制裁が科される可能性があります。新たに設けられた規定により、50万円以下の罰金が科されます。
     
  • 選任解任届出義務違反
    安全運転管理者の選任や解任を適切に届け出ない場合には、法的な制裁が科される可能性があります。罰則は、法改正前は2万円以下の罰金でしたが、現在は5万円以下に引き上げられています。

安全運転管理者等を交代する必要がある場合、新たな安全運転管理者等を選任しなかったり、適切に届け出なかった場合は罰則の対象となる可能性があります。該当する場合は速やかに届出を行ってください。

 

安全運転管理者の罰則や厳罰化の背景については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

参考記事:安全運転管理者の罰則と法令遵守のポイント|業務内容とリスクを徹底解説


また、罰則を回避するために、これさえできていれば安全運転管理者に関して法令遵守ばっちり!といえる『弁護士監修|法令遵守チェックリスト(安全運転管理者編)』で自社の運用を確認しましょう。

 

届出を怠ると講習が受けられないことも

安全運転管理者と副安全運転管理者には、年に一度、法定講習の受講が義務付けられています。安全運転管理者等を交代した場合、先に交代の届出を行わないと講習を受けられないこともあるため注意してください。

届出のタイミングによっては前任者の名前で講習通知が届くこともありますので、困った際は、各都道府県の警察サイトで対応方法を確認してください。

 

安全運転管理者等の講習については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

参考記事:【令和6年】安全運転管理者講習とは|全国の開催日程や費用も紹介

まとめ

今回は、安全運転管理者等の変更手続きについて解説しました。

安全運転管理者等を交代または解任する場合、15日以内の届出が義務付けられています。また、届出内容に変更が生じた場合も届出の手続きを行わなければなりません。

届出は、直接窓口で行うこともできますし、郵送やオンラインで行う体制も整っています。届出を怠ると罰則の対象となる可能性もあるため、適切に届出を行いましょう。

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