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2023.08.30

【2023】安全運転管理者講習とは|受講費用や罰則についても解説

一定台数以上の自動車を保有する事業所においては、安全運転管理者を選任することが義務付けられています。2022年の道路交通法改正によるアルコールチェック義務化にともない、安全運転管理者の役割や重要性について改めて認識された方も多いのではないでしょうか。

 

安全運転管理者や副安全運転管理者は公安委員会による講習を受けなければなりませんが、

  • 開催日程や受講の流れがわからない
  • 費用はいくらかかるのか?
  • 受講しなかった場合の罰則はあるのか?

など、疑問の声も多いようです。

 

本記事では、安全運転管理者講習の「日程」や「費用」、受講しなかった場合の「罰則」等について解説していますので、是非参考にしてください。

※2023年8月8日に、アルコール検知器を用いたアルコールチェックを2023年12月1日から義務化すると正式に発表されました。詳細はこちらの記事をご確認ください。
 【速報】アルコールチェック義務化!警察庁発表をわかりやすく解説!

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「アルコールチェック義務化」完全ガイド

アルコールチェッカーを用いたアルコールチェック義務化を「2023年12月1日から実施する」と警察庁が正式に発表し、早急に対応を進めなくてはいけないと感じている方も多いかと思います。 そんな方へ「アルコールチェック義務化」についてわかりやすく解説した資料を用意しました。

【資料で分かること】 

  • 義務化の経緯やスケジュール
  • 義務化の対象となる企業  
  • 対応を怠った場合の罰則  
  • 会社として対応すべき事項  

アルコールチェック義務化について詳しく理解するために、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

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安全運転管理者講習とは

安全運転管理者講習とは、道路交通法第百八条の二において、公安委員会が安全運転管理者に対して行う法定講習です。安全運転管理者に選任され届出を行うと、受講に関する通知が届きますので、通知内容に従って毎年1回受講してください。なお、代理受講は認められていませんので、必ず安全運転管理者本人が受講するようにしましょう。

開催日程と講習内容

それでは、講習の日程と内容について紹介していきます。

開催日程

開催日程については、各都道府県の警察本部や安全運転管理に関する協会のホームページで確認できます。開催時間や回数、オンライン受講の有無等、地域によって異なりますのでご注意ください。

 

時間は午前10時頃から午後5時頃までの約6時間(休憩時間を除く)で行われることが多く、一日がかりとなります。月に1~10回程度開催されており、ここ数年は新型コロナウイルス感染対策としてオンライン受講が可能な地域も増えています。

 

以下にて開催日程の一例をご紹介します。

講習の内容

道路交通法施行規則第三十八条により、”自動車及び道路の交通に関する法令の知識その他自動車の安全な運転に必要な知識、自動車の運転者に対する交通安全教育に必要な知識及び技能、安全運転管理に必要な知識及び技能等”に関して”教本、視聴覚教材等必要な教材を用いて”学ぶことになっています。

 

引用:道路交通法施行規則 | e-Gov法令検索

受講の流れ

続いて、実際に受講するまでの流れをご紹介します。

①安全運転管理者選任の届出

安全運転管理者を選任したら、15日以内に自動車の使用の本拠を管轄する公安委員会へ届け出なければなりません。また、自動車の台数が減り安全運転管理者を解任する場合や、部署異動・転勤等により別の人に変更する場合も同様です。

特に、安全運転管理者を変更する場合は、先に届出を行わないと新たな安全運転管理者が講習を受けられないので注意してください。

 

安全運転管理者選任の届出方法については、以下の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:安全運転管理者に必要な資格を解説|届出方法や業務内容も合わせて紹介|お役立ち情報|Bqey<ビーキー>|社用車管理の課題を解決するDXサービス

②法定講習通知書が届く

公安委員会より安全運転管理者あてに「講習通知書」、「申込書」、「講習手数料の納付書」等が届きます。

都道府県によって、あらかじめ受講日が指定されている場合と、開催日程の中から希望日を選択できる場合があります。どうしても指定の日時で受講できない場合は、予備日が用意されていたり別日程やオンラインで受講できたりしますので安心してください。詳しくは各都道府県のホームページでご確認ください。

 

講習手数料の納付方法は各都道府県により異なりますが、事前に金融機関等で振り込むか、収入証紙を購入することが多いです。

講習手数料は、安全運転管理者4,500円、副安全運転管理者3,000円(非課税)となっています。

※2023年度時点

③受講する

指定された日程で受講します。

講習受付には、

 

・講習通知書

・安全運転管理者証

・講習手数料(領収書、収入証紙等)

・身分証明書

・筆記用具

 

が必要です。

長時間の講習ですので、水分補給のための飲料も用意しておくことをおすすめします。

受講しなかった場合の罰則

安全運転管理者講習は法律で受講を義務付けられているものの、現状、受講しなかった場合の罰則はありません。しかしながら、講習内容には最新の法改正内容や交通事故事情が反映されているため、情報のアップデートのためにも受講することをおすすめします。安全運転管理者の業務の一つである「運転者に対する指導」においても役立つことでしょう。

合わせて知っておきたい、安全運転管理者制度の概要

ここで、改めて安全運転管理者とはどのような制度なのか、何のためにある制度なのかを確認しておきましょう。

安全運転管理者制度とは

安全運転管理者制度とは、企業や事業所が一定台数以上の自動車を使う際に、安全な運転環境を確保するために導入されました。社用車や運送車両の運転の管理・監督を担当する「安全運転管理者」および「副安全運転管理者」を選任し、安全運転の推進や事故の防止に取り組むことを目的としています。

 

安全運転管理者は、運転者の教育・訓練や運転状況のモニタリング、安全対策の策定・実施などを担当します。

企業が安全運転管理者を選任しなくてはいけない理由は

企業や事業所が安全運転管理者を選任する理由は主に3つあります。

 

  1. 安全運転に関する法律や規則を守るため
    安全運転に関する法律や規則は、年々厳しくなってきています。これらを遵守するために、企業や事業所は安全運転管理者を選任し、適切に運用することが求められています。
     
  2. 安全な運転環境を確保するため
    事故や違法行為は、企業や事業所のイメージや信頼性に大きなダメージを与えます。安全運転管理者は運転状況の監視、安全対策の徹底、運転者への教育などを通じて、事故の防止や違反行為の抑止を図ります。
     
  3. 業務の効率化とコスト削減のため
    事故や違反による損害は、企業にとって大きな経済的負担となります。安全運転管理者が適切な業務を遂行し、事故やトラブルのリスクを低減することで、経営効率の向上やコスト削減を目指します。

安全運転管理者の選任義務とは

安全運転管理者の選任義務があるのは、どのような企業や事業所なのでしょうか?選任義務の対象となる企業や事業所と、選任しなくてはならない人数を確認しておきましょう。

選任義務の対象

選任義務は、自家用自動車を多く使用している企業・事業者が対象です。安全運転管理者を選任する基準は、以下の通りです。

  • 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上使用している
  • 5台以上の自動車を使用している
    (ただし、原動機付自転車を除く自動二輪は、1台を0.5台として計算)

    ※運送業で配置が義務付けられている「運行管理者」を選任している企業・事業所は対象外

安全運転管理者は何人必要か

安全運転管理者の選任義務対象となる企業や事業所は、事業所(自動車使用の本拠地)ごとに必ず1人を選任しなければなりません。安全運転管理者は、使用している台数が10台でも100台でも、人数は増えません。

ただし、一定台数以上になると、副安全運転管理者を別に選任する必要があります。

企業によっては、副安全管理者の選任も必要

20台以上の自動車を使用している場合には、安全運転管理者に加えて、副安全管理者の選任も必要です。

副安全管理者は、主に安全管理者の補佐や代行を担い、安全運転管理の連続性やスムーズな運営を支えます。副安全運転管理者の選任基準は、20台に1人と定められています。大規模な事業所や複数の現場を運営する場合に、副安全運転管理者が必要となります。

安全運転管理者は使用する台数によって選任する人数は異なりませんが、副安全運転管理者は20台増えるごとに1人加算しなければならないため、注意が必要です。

 

安全運転管理者等の選任における資格要件については、以下の記事にて詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

参考記事:安全運転管理者に必要な資格を解説|届出方法や業務内容も合わせて紹介|お役立ち情報|Bqey<ビーキー>|社用車管理の課題を解決するDXサービス

安全運転管理者を選任したら届出が必要

安全運転管理者を選任する際には、所定の手続きと届出が必要です。具体的な手続きと届出の方法を以下にて確認しましょう。選任するための手続きは、次の4つです。

  • 手続きその1.選任の決定と役割の明確化
    選任を決定したら、その役割や責任範囲を明確にする必要があります。これには、安全運転管理者の具体的な業務内容や遵守すべきルール・規則を定めることが含まれます。
     
  • 手続きその2.届出書の提出
    選任したら15日以内に安全運転管理者や副安全運転管理者に関する届出書を、都道府県の公安委員会に提出する必要があります。届出書には、選任した安全運転管理者の氏名や連絡先、所属会社の情報などが含まれます。また、役割や業務内容の詳細も記載されます。
     
  • 手続きその3.必要な書類の添付
    届出書には、必要な書類の添付が必要です。これには、安全運転管理者の選任決定書や関連する資格証明書、選任に関する会社内の承認書などが含まれます。各機関の要件に従い、必要な書類を添付して提出してください。

    必要書類には、下記のようなものがあります。都道府県によって必要とされる書類が異なる場合があるため、事前に確認して提出しましょう。
     
  1. 公的身分証明書のコピー(運転免許証や戸籍抄本又は住民票の写しなど)
  2. ​運転管理経歴証明書
  3. 運転記録証明書    など
     
  • 手続きその4.審査と認定
    提出された届出書や添付書類は所轄の機関で審査され、合格すると安全運転管理者の選任が認定されます。認定後は、安全運転管理者としての業務を開始することができます。

安全運転管理者を選任したら、上のように適切な手続きと届出を行うことが重要です。これにより、安全運転管理者の地位が確立され、コンプライアンス違反を防ぐ基盤が整います。各企業・事業所の規定に基づいて、選任手続きを適切に進めてください。

安全運転管理者の選任を怠った場合の罰則

安全運転管理者の選任は義務であるため、選任を怠ると罰則があります。

法改正によって安全運転管理者に関する罰則が厳罰化された

改正道路交通法施行規則が2022年4月1日より施行され、違反行為に対する罰則が大幅に厳しくなりました。特に、飲酒運転をはじめとする重大な違反行為に対しては、以前よりも重い制裁が科されることになり、安全運転管理者としての責任が今まで以上に求められるようになっています。

法改正によって、以下3つの変更が行われました。

  1. 違反行為に対する罰則の厳格化
    安全運転管理者を選任しなかったり、解任命令に従わなかったりした場合の罰金が、5万円から50万円に引き上げられました
    また、安全運転管理者等の選任等に関する届出を行わなかった場合の罰金の引き上げも行われています。
     
  2. 是正措置命令の規定の追加
    新たに、是正措置命令の規定が追加され、是正のために必要な措置をとる命令を、都道府県の公安委員会が行えるようになりました。是正措置命令に従わない場合は、罰則の対象となります。
     
  3. 酒気帯び有無の確認と記録
    安全運転管理者は、運転者が運転する前はちろん、運転した後も、目視等で酒気帯びでないかどうかを確認しなければなりません。アルコールチェックの記録は、1年間の保存が必要です。

元々、2022年10月1日から施行予定だった「アルコール検知器使用義務に関する規定」では、次の2点が求められていました。

  • アルコール検知器を用いて酒気帯びの確認を行うこと
  • アルコール検知器を常に有効な状態に保つこと

アルコール検知器の供給不足を受けて、この規定の適用は延期となりました。しかし、警察庁は2023年8月8日に、延期の時期について2023年12月1日から義務化すると発表しました。アルコール検知器の導入がまだ済んでいない企業は、早めに対応を進めておく必要があります。

 

最終的なスケジュールは次の図の通りです。

法改正を受け、安全運転管理者には、違反行為を防ぐために、法改正に基づく新しい規則や遵守すべきルールを正確に理解し、それに従う責任が求められています。

 

アルコールチェック義務化の詳細については、以下の記事でも確認いただけますので、参考にご覧ください。

参考記事:アルコールチェック義務化はいつから?2023年12月1日と正式発表!|お役立ち情報|Bqey<ビーキー>|社用車管理の課題を解決するDXサービス

なぜ厳罰化されたのか

安全運転管理者に関する罰則が厳罰化した背景には、2021年に千葉県八街市で起こった事故があります。

事故の概要

2021年6月28日に千葉県八街市の市道において、飲酒運転のトラックが下校中の児童列に突っ込み、5人が死傷する事故が起こりました。事故は、アルコールの影響による居眠り運転が原因でした。運転手の呼気を調べたところ、基準値を超えるアルコールが検出されたのです。
 

大型トラックの運転手は、職業運転手として安全運転に務めるべきですが、運転手は常習的に飲酒を行っており、上司から再三注意を受けていたことも判明しています。運転手だけではなく所属していた企業にも、管理や教育不足に対する批判が殺到しました。

事故を起こしたトラックは白ナンバーだったため、アルコールチェックがされていなかったことも、事故原因の1つと考えられています。

 

この事故を契機に飲酒運転と安全運転管理者に関する罰則の厳罰化が進み、白ナンバー車両にもアルコールチェックが求められるようになりました。内閣府が2021年8月に「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」を発表し、道路交通法施行規則が一部改正されることとなったのです。

具体的な罰則の内容

安全運転管理者制度では、安全運転管理者制度の遵守と適切な業務遂行を促すために罰則が定められています。罰則の内容を正しく理解し、適切な業務運営を行いましょう。

  • 選任義務違反
    安全運転管理者が必要であるにもかかわらず、企業や事業所が選任しない場合、法的な罰則が適用される可能性があります。罰則は、法改正前は5万円以下でしたが、現在は50万円以下まで引き上げられています。
     
  • 解任命令違反
    解任命令違反は、安全運転管理者の解任命令に従わない場合に課される罰則です。命令が出されても適切な手続きを取らず、安全運転管理者の職務を続ける場合には、法的な制裁が課される可能性があります。罰則は法改正前5万円以下でしたが、50万円以下まで罰金に引き上げられています。
     
  • 是正措置命令違反
    是正措置命令違反は、安全運転管理者に対して出された是正措置命令に従わない場合に課される罰則です。是正措置命令が出されても適切な対応を取らなかった場合、法的な制裁が科される可能性があります。具体的には、新たに設けられた規定により、50万円以下の罰金が科せられます。
     
  • 選任解任届出義務違反
    選任や解任に関する届出義務に違反する場合に課される罰則が、選任解任届出義務違反です。選任や解任に関する情報を適切に届出ない場合には、法的な制裁が課される可能性があります。罰則は2万円以下の罰金または科料から5万円以下の罰金に引き上げられています。

選任後にも継続してやらなくてはいけないこと

安全運転管理者を選任した後も、継続して行うべき重要な業務について、ここでは解説します。

選任以外にも届出が必要な時

安全運転管理者については、選任するときだけでなく、ほかにも届出が必要なケースがあります。

具体的には、以下のようなケースです。

安全運転管理者等を変更・解任する時

安全運転管理者を変更する、あるいは解任する場合には、必ず届出を行う必要があります。届出は、各都道府県の警察署の交通課などに提出します。

 

事業者に関する情報等の記載事項が変わった時

企業や事業所に関する情報等の記載事項に変更があった場合にも、届出が必要です。例えば、会社名や所在地などが変更された場合には、これらの変更事項を各都道府県の警察署に届出る必要があります。

安全運転管理者の業務内容とは

実際に安全運転管理者に選任されると、どのような業務を行わなければならないのでしょうか?安全運転管理者の業務は大きく分けて9つあります。具体的な業務内容について確認しておきましょう。

9つの業務内容

安全運転管理者は、以下の9つの業務を担当します。
  1. 運転者の状況把握
    運転者の適性や技能、知識及び法令や処分の遵守状況を把握するための措置を講じます。
     
  2. 運行計画の作成
    最高速度違反や過積載運転、放置駐車違反行為や過労運転の防止など、安全運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成します。
     
  3. 交替要員の配置
    運転者が長距離運転や夜間運転を行う場合、疲労などで安全な運転ができなくなる可能性があるときは、事前に交代ドライバーを準備します。
     
  4. 異常気象時等の安全確保の措置
    異常な天候や自然災害などで、安全な運転が困難になる可能性があるときは、適切な指示を出し、安全な運転を確保するための措置を取ります。
     
  5. 安全運転の指示
    運転者に対して点呼を行い、自動車の点検の実施状況や、病気や過労などで運転ができない可能性があるかどうかを確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えます。例えば、適切な休息や運転方法のアドバイスなどを行い、安全性を高めます。
     
  6. 運転前後の酒気帯び確認
    運転をする前や終了後の運転者に対して、酒気帯びがあるかどうかを、目視やアルコール検知器などの手段で確認します。運転者の状態を確認することで、酒気帯び運転を防止し、安全な運転環境を確保します。
     
  7. 酒気帯び確認の記録・保存
    酒気帯びの確認結果を記録し、その記録を1年間保存することで、適切な管理と監査が可能となります。
     
  8. 運転日誌の記録
    運転者には運転日誌を備え付けてもらいます。運転者名や運転の開始と終了の日時、運転距離などの必要な情報を記録することによって、運転状況の把握や適切な記録管理が行えます。
     
  9. 運転者に対する指導
    自動車の運転に関する技術や知識など、安全な運転を確保するために必要な事項について、運転者への教育を行います。適切な運転方法、交通規則の遵守、事故防止などについて教育し、安全な運転を推進します。
安全運転管理者は、これらの業務を通じて安全運転の促進や事故の防止に取り組み、組織内の安全文化の向上を図る役割があります。

2022年の道路交通法改正で何が変わったのか

2022年の道路交通法改正により、安全運転管理者の役割や責任がより重要になりました。具体的に何が変わったのか、変更点を確認しておきましょう。
 

  1. アルコールチェック義務化
    道路交通法改正により、企業や事業所で使用している自動車の運転者に対して、安全運転管理者の立ち合いのもとアルコールチェックを実施しなくてはならなくなりました。これにより、飲酒運転の防止や安全運転の確保が強化されました。
     
  2. 管理体制の強化
    改正法では、安全運転管理者の選任義務が明確化され、選任された安全運転管理者の数や業務内容が具体化されました。組織内での安全運転の責任が明確化されることで、安全運転管理者の役割がより重要となりました。
     
  3. 罰則の厳格化
    道路交通法違反に対する罰則が厳格化され、安全運転管理者が違反行為を行った場合には、より重い罰則が科されるようになりました。安全運転管理者は、より慎重に業務を遂行することが求められます。

 

このように、法の遵守と管理体制の強化が求められる一方で、安全運転の推進とコンプライアンス違反の防止に向けた取り組みも重要です。

具体的にどれくらい業務量が増えたのか

2022年の道路交通法改正により、安全運転管理者の業務量は一層増加しました。以下にて、具体的にどのような業務が増加したのかを解説します。
 

  1. アルコールチェック義務の導入
    道路交通法改正により、安全運転管理者は企業や事業所で使用している自動車の運転者に対して、アルコールチェックを行う義務を負うこととなりました。運転前のアルコール検査や定期的なアルコールチェックを行う必要があり、業務の一環として取り組むことが求められます。
     
  2. 安全運転の啓発・指導の強化
    改正法では、安全運転管理者による運転者への啓発・指導が一層重要視されるようになりました。安全運転のルールやマナーに関する教育プログラムの実施や、安全運転に関する助言や指導を行うことが業務の一部となります。これにより、運転者が日々安全な運転を心掛け、交通事故の防止に繋がることを期待されています。
     
  3. 管理体制の強化
    安全運転管理者は、改正法により選任される必要があります。選任された安全運転管理者は、社用車の運転者の選考や運転実績の管理、安全運転方針の策定など、より広範な管理業務を担当することとなりました。
     

これらの変更により、安全運転管理者の業務量は増加し、役割はより重要性を帯びるようになりました。組織内での安全運転文化の醸成やコンプライアンス確保に向けて、効率的な業務遂行と情報共有が求められています。

業務負担軽減に「車両管理システム」が注目されている背景

安全運転管理者の業務負担を軽減させるには、「車両管理システム」の導入をおすすめします。ここからは「車両管理システム」がどのようなものなのか、概要やメリットを解説します。

そもそも、車両管理システムとは

車両管理システムとは、社用車やリース車などの車両を効率よく管理することができるシステムのことです。

 

具体的には、1台の車を複数人で使う場合の予約管理ができるシステム、運転日報や日常点検などの書類をデータで管理できるシステム、アルコールチェック義務化の対応をまるごと行うことができるシステム、走行距離を計測して最適なルートを教えてくれるシステムなどがあります。

 

車両管理システムは、2017年の中型トラックに対するデジタコの搭載義務化をきっかけに需要が一気に高まり、2016年から2022年の間で、車両管理システムを導入した車両台数は約3.7倍になりました。

 

2022年に道路交通法が改正され、一定台数以上の白ナンバーの社用車や営業車を所有している企業に対しても、目視等によりアルコールチェックを実施することが義務化されました。さらに、2023年8月8日に警察庁が「アルコール検知器を用いたアルコールチェックを2023年12月1日から義務化する」と正式発表したこともあり、車両管理システムに注目が集まっています。

 

アルコールチェック義務化への対応を怠ると罰則もあるので、確実に対応する必要があります。アルコールチェック義務化については以下のコラムで解説していますので、合わせてご覧ください。

参考記事:【8月最新】アルコールチェック義務化とは|運用方法まで徹底解説! |お役立ち情報|Bqey<ビーキー>|社用車管理の課題を解決するDXサービス

 

また、車両管理システムについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

参考記事:【2023】車両管理システム比較14選|選び方や機能を徹底解説|お役立ち情報|Bqey<ビーキー>|社用車管理の課題を解決するDXサービス

車両管理システムを導入するメリット

車両管理システムの導入により、日常業務の効率化や情報管理の向上につながります。

しかしながら、安全運転管理者とドライバー、どちらにもメリットが感じられないとなかなか導入に踏み切れないという方もいるかと思います。それぞれにどんなメリットがあるのかご紹介していきます。

安全運転管理者へのメリット

安全運転管理者へのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 管理工数が削減できる
    社用車管理業務は多岐に渡るので、車両台数が多い場合や管理者の人数が少ない場合などは特に多くの時間が必要になります。車両管理システムを用いると、予約やカギの受け渡し業務にかかる時間を短縮したり、日報類のチェックの手間が省けたり、情報を一元管理することで抜け漏れを防止したりすることができます。
     
  2. 生産性が向上する
    動態管理機能でリアルタイムに位置情報を把握すると、トラブルや急な業務が発生した場合でも適切な人員配置を行うことができます。また、日報類のデジタル化や自動作成等のドライバーの負担を軽減する機能を備えたシステムを導入すると、ドライバーは自分の業務に集中できる時間が増えるので、生産性の向上が見込まれます。
     
  3. 経費削減に繋がる
    デジタルキー機能や動態管理機能、車両稼働状況集計機能などを活用することで、車両の正確な稼働状況を把握し、車両台数の最適化を行うことができます。その他にも、ルート最適化による燃料費の削減や、車両に関する情報を一元管理することによる管理工数削減なども見込めるので、適切なシステムの導入は経費削減に繋がります。
     
  4. コンプライアンス遵守に繋がる
    飲酒運転や交通事故のない安全な社会にするためにも、アルコールチェックや車検の徹底や安全運転教育の実施が求められています。会社のイメージダウンや社会的信用を失うことを避けるためにも、社用車に関する適切な運用体制を構築する必要があります。車両管理システムはそういった観点でも活用することができます。

ドライバーへのメリット

次に、ドライバーへのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 日報類作成の負担軽減
    社用車に関する業務の中で、ドライバーにとって最も負担の大きい業務が日報類の作成です。車両管理システムを導入することで、日報類の作成を自動化したり、ペーパーレス化することができるので、ドライバーの業務負担を大幅に軽減することができます。
     
  2. 外出先からでも予約状況が確認できる
    車両の予約管理を管理部署で紙やホワイトボードで行っていると、予約をしたい場合や予約を変更したい場合に、毎回管理部署に足を運ぶか、電話をしなくてはなりません。会議室予約システムを使っている場合などは、PCを開かないと予約状況が確認できないことも多いです。車両管理システムで予約管理をすると、スマホアプリで確認することができ、外出先からでもすぐに予約状況を確認したり、予約を取ったりすることができます。
     
  3. 管理部署とのやりとりの手間が省ける
    社用車を利用する際には、カギの受け渡しや日報類の提出など、管理部署とのやりとりが頻繁に発生します。車両管理システムを活用すると、システム上で完結する業務が増え、やりとりの負担や手間を軽減することができます。
     
  4. 直行直帰しやすくなる
    カギの返却や日報類の提出のために管理部署まで寄っているケースも多いかと思います。デジタルキー機能や日報類のデジタル化機能が搭載されたシステムを導入すれば、物理的なカギの受け渡しや日報類の対面での提出が不要になるので、直行直帰しやすくなります。
このように、車両管理システムは安全運転管理者とドライバー双方にとってメリットの多いシステムです。

システムを用いたアルコールチェックの運用例

車両管理システムを用いたアルコールチェックの運用方法を弊社システム「Bqey(ビーキー)」を用いて解説します。

1.安全運転管理者立ち合いのもと、運転前のアルコールチェックを行います。一部の情報は自動入力されるので、必要な情報だけアプリに入力します。

2.運転後も同様にアルコールチェックを行い、そのままアプリから提出します。
3.提出された記録はすぐにシステムに反映され、安全運転管理者はデータで記録を確認することができます。自動で3年間システムに保管されます。
未提出や未記入があった場合には、ドライバーに自動で通知が届くので、管理者のチェックの手間を大幅に省きます。概算にはなりますが、社用車を5~6台と仮定した場合は、アルコールチェック記録のとりまとめにかかる時間が30分から5分程度に、改修した書類の確認・保管にかかる時間が20分から5分程度に削減が見込まれます。

このように、車両管理システムを活用するとアルコールチェックに関して、安全運転管理者・ドライバーの双方にとっての業務負担を軽減することができます。

 

また、アルコールチェックだけでなく、システム上で車両の予約管理をしたり、運転日報や日常点検等の書類をデータで一元管理したりすることができるなど、車両管理システムには様々な機能があります。

 

様々な機能があるからこそ価格も様々で、機能が充実していればしているほど費用が高くなってしまいます。まずは自社の抱えている課題を見える化し、課題を解決することができる機能を絞り込み、適切なシステムを選ぶことで、車両管理システムはより大きなメリットをもたらします。

 

まずは各社が提供する車両管理システムについて幅広く情報収集することをお勧めします。その上で、費用対効果が得られるかをしっかりと吟味し、車両管理システムを選択するようにしましょう。

 

車両管理システムの選び方がわからない方は、以下の資料をご活用ください。自社に合った機能を把握するためのチェックシートもご用意しています。
資料ダウンロード:車両管理システムの選び方

まとめ

今回は、安全運転管理者講習について解説しました。

 

安全運転は事業者の基本であり、悲惨な事故を起こさないためにも、安全運転管理者の業務は非常に重要です。安全運転管理者講習は、受講が義務付けられているだけでなく安全運転のための知識や技術について再認識できる良い機会ですので、年に1回必ず受講するようにしましょう。

「アルコールチェックの運用大変そう...」と思った方へ

義務化対応としてのアルコールチェックの運用は、安全運転管理者にとってもドライバーにとっても負担がかかります。双方の負担を軽減しながら効率的にアルコールチェックを実施する手段として、「車両管理システム」の需要が高まってきています。 車両管理システムを導入すると、以下のようなメリットがあります。

  • アルコールチェック記録や日報類をペーパーレス化することで、提出やチェックの手間を軽減できる
  • 現在地の取得や写真の添付機能を活用して、アルコールチェックを厳格に行うことができる    

車両管理システム「Bqey」はアルコールチェック義務化対応はもちろん、それ以外の車両に関する業務をまとめて効率できるシステムです。「Bqey」について知りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてください。