アルコールチェッカーの精度とは?誤検知の原因・対策も詳しく解説
2022年の道路交通法改正により、一定台数以上の白ナンバー車両を使用する事業者に対し、アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの実施および記録保存が義務化されました。
アルコールチェッカーの導入を検討しているものの、「どの製品を選べばいいのか」「精度はどれくらい重要なのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アルコールチェッカーの「精度」に焦点を当て、その選び方や仕組み、運用のポイントについて分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- アルコールチェッカーの精度とは
- 電気化学式(燃料電池式)センサーと半導体式センサーの違い
- 誤検知が発生する原因とその対策
- アルコールチェック義務化の概要と対応方法
高精度でおすすめアルコールチェッカーや、運用を効率化するツールやアプリも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!
アルコールチェッカーの精度とは
アルコールチェッカーの精度は、「測定範囲」「誤差範囲」「誤検知の起きにくさ」の3つの要素で決まります。ただし、これらのうち1つが優れていても、他の要素が劣っている場合、全体の精度が高いとは言えません。
たとえば、微量のアルコールを検出できる広い測定範囲を持つ製品であっても、誤検知が頻発する場合は実用性が大きく損なわれます。
そのため、アルコールチェッカーを選ぶ際には、これら3つの要素をバランスよく比較し、自社のニーズや使用環境に最適な製品を選ぶことが重要です。適切な製品選びは、アルコールチェックの信頼性向上につながります。
測定範囲
アルコールチェッカーの測定範囲とは、機器が検出できるアルコール濃度の幅を指します。多くの商品仕様には「〇.〇〇 mg/L~〇.〇〇 mg/L」と表記されており、この数値は呼気1リットルあたりのアルコール含有量を示しています。
特に重要なのが「下限値」です。下限値が低いほど微量なアルコールを検出できるため、より精密な測定が可能となります。
たとえば、酒気帯び運転の罰則対象となる基準値は「0.15 mg/L以上」と定められています。そのため、アルコールチェッカーを選ぶ際には、この基準値を確実に検出できる測定範囲を備えていることが必須条件です。
一般的なアルコールチェッカーの測定範囲は「0.05 mg/L~0.50 mg/L」とされていますが、中には特に高性能なモデルもあります。
たとえば、下限値が「0.01 mg/L」と非常に低いものや、上限値が「2.50 mg/L」と高いものも存在します。
誤差範囲
アルコールチェッカーの「誤差範囲」は、正式には「最大許容誤差(MPE)」と呼ばれます。これは、測定されたアルコール濃度と実際の濃度(真値)の間に生じる誤差のうち、許容される最大値を指します。
測定精度を評価する上で非常に重要な指標ですが、製品の仕様書に明記されていないことも少なくありません。
そこで参考になるのが「JBマーク」です。これは、アルコール検知器協議会(J-BAC)が認定した製品に付与されるもので、厳格な検定基準をクリアした証しです。検定項目には最大許容誤差に関する条件も含まれており、例えば「JB10001規格」では最大許容誤差が「±0.03mg/L」と規定されています。
つまり、JBマークが付与され、J-BAC認定番号「10001-xx」を持つアルコールチェッカーであれば、この基準を満たしていると考えられます。高精度な測定を求める場合は、このような基準をクリアした製品を選ぶことが重要です。
誤検知の起きにくさ
アルコールを摂取していないにもかかわらず検出される「誤検知」には、さまざまな原因があります。たとえば、飲食物や服用した薬、喫煙の影響に加え、測定時の風や湿度などの周囲環境が要因となることもあります。
こうした誤検知のリスクを軽減することは、アルコールチェッカーの精度を比較する上で重要なポイントの一つです。
誤検知の起きにくさは、検知方式や測定方式によって異なります。特に、呼気中のアルコールのみを選択的に検知できる高精度センサーを搭載した製品では、アルコール以外の成分に反応しにくく、誤検知のリスクが大幅に低減されます。
そのため、製品を選ぶ際には、仕様書やセンサーの性能に関する情報を確認し、誤検知のリスクを考慮した上で適切なものを選ぶことが大切です。
誤検知が発生する原因と対策
アルコールチェッカーの誤検知の原因は、大きく2つに分類されます。「測定者や周囲の環境が原因」の場合と「アルコールチェッカーが原因」の場合です。原因を正確に特定し、それに応じた適切な対策を講じることが重要です。以下では、それぞれの原因と対策について具体的に解説します。
測定者や周囲の環境が原因の場合
飲食物、服用薬、喫煙、または測定時の周囲環境(風など)が誤検知の原因となることがあります。これらの原因に対する具体的な対策を以下にまとめました。飲食物が原因の場合
ガムや発酵食品がアルコールチェッカーに反応することがあります。測定直前の飲食は避けるよう指導し、測定前には水でうがいをする習慣を推奨しましょう。
薬が原因の場合
糖尿病治療薬などが誤検知の要因となった事例があります。薬を服用中の運転者には、事前に医師へ相談するよう促してください。
また、入れ歯安定剤など、アルコールを含む製品も原因となる可能性があります。これらに対しては、アルコールを含まない代替製品の使用を指導しましょう。
喫煙が原因の場合
タバコに含まれる成分が誤検知を引き起こす場合があります。測定前には喫煙を控えるよう促すか、喫煙後に水でうがいを行うことを推奨します。
周囲の環境が原因の場合
測定時に風や周囲の環境が影響を与えると、誤検知が発生する可能性があります。そのため、測定は風を避けられる静かな場所で行うよう指導してください。
また、アルコールチェッカーの測定方式によって環境から受ける影響が異なるため、適切な方式を選ぶことも重要です。
- 吹きかけ式:手軽に測定できるメリットがある一方で、風や周囲の環境の影響を受けやすい。
- マウスピース式・ストロー式:外的要因の影響を受けにくく、高精度な測定が可能。特に正確な結果が求められる場面に適している。
アルコールチェッカーが原因の場合
アルコールチェッカーの精度に影響を与える主な要因として、「使用回数の上限超過」や「使用期限の超過」が挙げられます。商品ごとに設定された使用上限回数や使用期限を超えると、センサーの劣化により正確な測定ができなくなる可能性が高まります。
精度を維持するためには、定められた上限回数や期限を守ることが重要です。これらを超えた場合は、速やかに機器を買い替えるか、センサーを交換しましょう。
詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
電気化学式(燃料電池式)と半導体式の違い
アルコールチェッカーに使用されるセンサーには、主に電気化学式(燃料電池式)と半導体式の2種類があり、この違いが測定精度に影響します。それぞれの仕組みと特徴を理解することで、目的や使用環境に応じた選択が可能です。
電気化学式(燃料電池式)センサーの特徴
電気化学式(燃料電池式)センサーは、呼気中のアルコールを燃料として電気を発生させる仕組みを利用しています。アルコール濃度が高いほど発生する電気量が増加するため、その電気量を基にアルコール濃度を測定します。
このセンサーのメリットは、高精度であることと、アルコール以外の物質にはほとんど反応しないため誤検知が少ない点です。また、耐久性が高く、環境の変化にも影響されにくい特性を持っています。さらに、アプリ連携による結果の自動登録や、顔写真登録によるなりすまし防止といった機能性に優れた製品も多くあります。
一方、半導体式センサーと比較して製造コストが高いため、製品価格が高くなる傾向があります。また、測定結果が出るまでに時間がかかる場合があります。
電気化学式(燃料電池式)センサーは、安全管理が特に重要な職場でのアルコール検査に最適です。
半導体式ガスセンサーの特徴
半導体式ガスセンサーは、呼気中のアルコールがセンサー表面の酸素と反応することによって生じる電気抵抗の変化を利用して、アルコール濃度を測定します。このセンサーは、低コストで製造でき、小型で持ち運びが容易なため、個人や業務用途で広く使用されています。また、操作が簡単で即座に測定結果を得られる点も魅力です。
一方で、外部環境の影響を受けやすく、アルコール以外の物質にも反応して誤検知を引き起こす可能性があります。また、機能面でも「測定」のみとシンプルなものが多く見られます。
このように、半導体式ガスセンサーは手軽に利用できる反面、使用する環境や精度には注意が求められます。
検知方式 | 電気化学式(燃料電池式)センサー | 半導体式ガスセンサー |
---|---|---|
仕組み | 呼気中のアルコールを電気エネルギーに変換し、発生する電流量を計測してアルコール濃度を測定 | 呼気中のアルコールがセンサー表面の酸素と反応し、その際に生じる電気抵抗の変化を利用してアルコール濃度を測定 |
メリット |
・高精度で誤検知が少ない ・環境変化に強く、長期間使用可能 ・多機能な製品が多い |
・手頃な価格で購入可能 ・小型で携帯性に優れる ・測定結果を短時間で得られる |
デメリット |
・購入費用が高い ・測定に時間がかかる |
・他の物質にも反応しやすく、誤検知が発生しやすい ・環境変化の影響を受けやすい |
高精度アルコールチェッカーおすすめ5選
ここでは、高精度が特長の電気化学式アルコールチェッカーの中から、おすすめの5製品を紹介します。
すべてアルコール検知器協議会の認定品です。使用目的や環境に応じて、最適な製品を選びましょう。
①【中央自動車工業】NEO BLUE
据え置きタイプおよびハンディタイプのどちらとしても使用できるアルコールチェッカーです。使用回数は最大10,000回、寿命は約1年半と長持ちします。本体には測定履歴を100件まで保存でき、USB充電に対応しています。
さらに、各種車両管理システム、アルコールチェックアプリ、通信型AIドライブレコーダーなどと連携が可能です。操作はシンプルで、電源を入れて息を吹きかけるだけで測定が完了します。Bluetooth通信により、測定データは連携システムに自動的に出力され、業務効率化に貢献します。
②【エレコム】ALSmart(アルスマート)
改正道路交通法施行規則に対応した小型アルコールチェッカーです。専用のアプリで記録管理ができるほか、他社の車両管理や運転日報対応アプリとも連携可能です。
Bluetooth通信により測定結果を簡単に記録・共有でき、データはクラウドで一元管理されます。
ポケットに収まるサイズで持ち運びしやすく、1人1台の管理にも適しています。
③【サンコーテクノ】呼気アルコール検知器ST-3000
据え置きタイプで、使用回数上限は70,000回と非常に多い製品です。独自技術により、検出スピードが早く検知精度も高いのが特長です。測定結果はLCD画面に表示され、最大1,000件のデータを記録可能です。
また、専用システムと連動することで、測定結果をPCで管理し運用効率を向上させます。付属品も充実しており、業務での活用に最適な1台です。
④【タニタ】アルコール検知器 FC-900
ハンディタイプのアルコールチェッカーです。使用回数の上限は、年間500回(FC-900-05)または2000回(FC-900-20)から選択でき、用途に応じて柔軟に対応できます。
本製品はレンタル式のため、契約期限が来ると自動更新されて交換品が届きます。使用回数の上限に達した場合も、更新手続きを行えば継続利用が可能です。低コストで導入しやすく、使用頻度が少ない場合やアルコールチェッカー専用機能を重視する方に適しています。
また、故障や不具合が発生した際には迅速なサポートを提供。電話やメールでの対応体制も整っており、安心してご利用いただけます。
⑤【東海電子】ALC-miniⅣ
社員証や免許証をかざすだけで本人確認とアルコール検査が同時に行える据え置き型アルコールチェッカーです。検査はわずか7秒で完了し、社員ごとに測定データを記録できるため、効率的な管理が可能です。
測定データはUSBメモリに保存でき、PCと連携することで簡単に一括管理が行えます。また、センサーは自分で交換可能なため、メンテナンスの手間を軽減します。さらに、設置が簡単で、製品が届いたその日からすぐに使用を開始できる手軽さも大きな特徴です。
アルコールチェッカーを選ぶ5つのポイント
アルコールチェッカーにはさまざまな種類や機能があるため、自社にとって最適な製品を選ぶためには重要なポイントをしっかりと押さえることが大切です。
①測定精度
アルコールチェッカーの精度は、使用するセンサーの種類に大きく依存します。電気化学式(燃料電池式)センサーは、タバコや薬の影響を受けにくく、アルコール以外の物質に反応しづらいため、高精度な測定が可能です。
また、測定エラーの発生率が低いかどうかも重要な観点です。吹きかけ式に比べて、ストロー式やマウスピース式の方が、風・湿度・温度変化といった外部環境の影響を受けにくく、一貫して正確な測定が期待できます。
さらに、アルコール検知器協議会認定品であれば、精度や信頼性が保証されているため、より安心して使用できます。
②利用頻度
利用頻度や使用できる上限回数を考慮した選定も重要です。たとえば、多くのドライバーを抱える企業では、アルコールチェックの頻度が非常に高くなるため、上限回数が多い製品を選ぶことをおすすめします。
アルコールチェッカーは、使用期限または上限回数のいずれかに達した時点で更新が必要です。使用できる回数が少ない製品を選ぶと、頻繁に買い替える必要があり、手間がかかります。また、一度の充電で何時間(または何回)測定できるのかについても確認しておくとよいでしょう。
アルコールチェッカーの寿命については、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:アルコールチェッカーの寿命と買い替え時期|点検・メンテナンスも解説
③測定場所
アルコールチェッカーには、大きく分けて据え置きタイプとハンディタイプがあり、使用する場所や仕事内容に応じて選択することができます。
据え置きタイプは、事業所に設置して管理者が監視することで不正を防止でき、データ管理も容易です。ただし、常に電源が必要で、持ち運びには適していません。
一方、ハンディタイプは持ち運びに便利で、直行直帰や出張など職場外でのアルコールチェックが多い場合に適しています。ただし、据え置きタイプに比べて、一部の製品では使用できる回数が少ない場合があります。自社の勤務状況や車両の使用パターンに応じて、最適なタイプを選択しましょう。
④使いやすさ
従業員がストレスなく使用できるよう、操作が簡単で直感的に使える製品を選びましょう。測定時間が長かったり、開始や終了が分かりにくい製品は使いにくさの原因となります。
また、測定結果を記録・保存する機能があると利便性が向上します。内蔵メモリやSDカードにデータを保存できる製品は、過去の記録を簡単に確認できて便利です。さらに、最近ではスマホアプリと連携し、測定データを自動でクラウドに保存できるアルコールチェッカーも登場しています。
これにより、紙の記録簿の作成や保管が不要になり、安全運転管理者がリアルタイムでデータを確認できるといったメリットがあります。
⑤コスト
初期費用だけでなく、センサー交換や定期的なメンテナンス、消耗品の交換など、長期的なランニングコストを考慮して、最適な製品を選びましょう。
アルコールチェッカーのセンサーは高精度な測定を行う精密機器であり、交換には通常、メーカーへの依頼が必要です。多くの場合、センサー交換時には機器全体のメンテナンスも実施されるため、費用にはセンサーの価格に加えて作業工賃が含まれることがあります。
特に複数の機器を導入している場合、センサー交換の時期が重なることがあるため、長期的なコスト計画を立てることが重要です。
アルコールチェック義務化への対応方法
2022年4月の道路交通法改正により、これまで義務の対象外だった「白ナンバー」車両を使用する事業者にも、アルコールチェックの実施が義務化されました。これに伴い、より多くの事業者が適切にアルコールチェックを行う必要があります。
以下では、義務化の具体的な内容と、事業者がこの規則にどのように対応すべきかについて詳しく解説します。
アルコールチェック義務化のおさらい
アルコールチェック義務化の背景には、2021年6月に千葉県八街市で発生した飲酒運転による重大事故があります。この事故を契機に再発防止策が検討され、2022年4月に道路交通法が改正されました。この改正により、一定台数以上の自家用車を使用する事業所では、運転前後の酒気帯びの目視確認と記録保存が義務付けられました。
さらに2023年12月からは、アルコールチェッカーを用いた酒気帯びの有無の確認が義務化されました。適切に行わない場合、罰則が科される可能性があります。
アルコールチェック義務化の対象となるのは、以下のいずれかに該当する事業所です。
- 乗車定員が11人以上の自家用自動車を1台以上使用している
- その他の自家用自動車を5台以上使用している
※ 大型自動二輪車または普通自動二輪車は、それぞれ1台を0.5台として計算
- 運転前後に、運転者の状態を目視等で確認するとともに、アルコールチェッカーを使用して酒気帯びの有無を確認すること
- 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
-
アルコールチェッカーを常時有効な状態で保持すること
点検・メンテナンスの実施
「アルコールチェッカーを常時有効な状態で保持する」とは、わかりやすく言えば、いつでも正確に測定できる状態を維持することを意味します。そのためには、適切な点検・メンテナンスを実施することが重要です。
これは、法律上の義務を果たすだけでなく、誤検知のリスクを軽減し、測定精度を維持するためにも必要です。適切な管理を行うことで、安全運転管理者としての責任を十分に果たすことができます。
具体的には、毎日の持ち出し時に本体に損傷がないことや、電源が正しく入ることを確認してください。また、週に一度、アルコールを正確に検知できるかをチェックすることが推奨されます。センサーが寿命を迎えた場合は、速やかに交換してください。
さらに、取扱説明書をよく読み、直射日光や高温多湿を避けて適切に保管することも重要です。これにより、機器の性能を長期間にわたり安定して保つことができます。
アルコールチェッカーの点検・メンテナンスについては、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:アルコールチェッカーの使い方と3つの注意点|点検方法も解説!
対面確認が原則
アルコールチェッカーを使用しても、運転者の状態を確認するための「対面での確認」は省略できません。安全運転管理者が直接対面で確認することにより、運転者の顔色、呼気の匂い、声の調子など、目視や聴覚による情報を総合的に判断し、飲酒状態や体調を確認することが求められます。
ただし、出張や直行直帰などで対面確認が難しい場合には、状況に応じて別の方法で対応することも認められています。
たとえば、運転者に携帯型アルコールチェッカーを持たせることで、遠隔地でもアルコールチェックを実施することが可能です。ただし、この方法では安全運転管理者が直接測定を行うことができないため、精度が保証された信頼性の高い携帯型アルコールチェッカーを用意することがより重要となります。
なお、対面確認が困難な場合の具体的な確認方法や効率的な実施方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:直行直帰のアルコールチェックはどうする?実施方法や効率化の方法も解説
記録は1年間保存
アルコールチェックの義務化に伴い、運転前後のアルコールチェック結果を1年間保存することが法律で義務付けられました。これは、事故やトラブル発生時にアルコールチェックの記録が重要な証拠となるためです。
また、企業が法令を遵守し、運転者の飲酒運転を防止するための取り組みを継続的に実施していることを示すことができます。
記録の保存方法としては、紙の記録簿やExcelデータの利用が考えられますが、クラウドサービスを活用することで、データ管理がより効率的になります。適切な記録と保存を徹底し、確実に法令を遵守しましょう。
アルコールチェックの記録簿は以下の記事から無料ダウンロードできます。記録すべき項目についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アルコールチェックの効率化にアプリが役立つ
ここまで、アルコールチェック義務化の対象企業が実施すべき業務内容について解説してきました。想像以上にやることが多く、業務負担の増加を懸念される方も多いのではないでしょうか。
最近では、法令遵守と業務効率化の両立を支援するツールとして、アルコールチェックアプリを導入する企業が増えています。
アルコールチェックアプリとは
アルコールチェックアプリとは、アルコールチェッカーと連携することで、測定結果を自動入力したり、記録をクラウド上に保存したりできるスマートフォン向けアプリです。従来の紙やExcelを用いた管理と比べて、作業効率が大幅に向上します。主なアプリの種類は以下の3つです。
- 車両管理一体型
車両管理に関する業務とアルコールチェック業務を一元化できるタイプです。
- IT点呼一体型
点呼業務とアルコールチェック機能が一体化しているタイプです。
- アルコールチェック特化型
アルコールチェックのみに特化したタイプで、低価格かつ操作がシンプルな点が特徴です。
アルコールチェックアプリの機能
アルコールチェックアプリには、測定の自動化やリスク管理に役立つ、さまざまな機能が搭載されています。
測定結果の自動入力機能
アルコールチェッカーで測定した結果がアプリに自動入力されるため、手動入力の手間が省ける上、記録ミスや不正のリスクも軽減されます。
測定データはクラウド上に保存され、管理者はいつでもどこでもリアルタイムで確認できるので、より簡便でスムーズなデータ管理が可能です。
なりすまし防止機能
アプリによってはなりすましを防ぐために、測定者の顔を撮影する機能が搭載されています。測定時に自動で顔写真が記録されるため、本人がチェックを行ったかどうかを確認できます。
また、位置情報の取得により測定場所の把握も可能です。つまり、外出先や直行直帰の場合でもアルコールチェックを行える上、不正防止にも効果的です。
アラート機能
アルコールが検出された場合に、自動で管理者に通知が送られるアラート機能も活用できます。
特に、検出されたアルコールが規定値を超えている場合には、迅速に対応できる体制を整え、重大なリスクの発生を最小限に抑えることが求められます。リアルタイムでの対応が可能になることで、安全管理の精度がさらに向上します。リマインダー機能
リマインダー機能は、アルコールチェックが未実施の場合に通知を送ることで、チェック漏れを防ぎます。定期的なアルコールチェックが求められる職場では、このリマインダーによって、チェック忘れを防ぐことができます。
企業にとっても、アルコールチェックが確実に行われるため、法令遵守を徹底できるというメリットがあります。
3つのメリット
アルコールチェックアプリを導入することで、測定機能のみが搭載されたアルコールチェッカーを単独で使用する場合と異なり、以下の3つの大きなメリットを得ることができます。
①入力・管理業務の効率化
アルコールチェックアプリは、測定結果の自動入力やクラウド上でのデータ管理ができるため、紙やExcelに記録していた従来の方法と比べて、作業負担が大幅に軽減されます。自動でデータが保存されるので、管理者も手作業で集計する必要がなく、迅速な状況把握が可能です。
特に、携帯型のアルコールチェッカーと顔写真撮影機能を活用すれば、外出先からでもスムーズな測定・報告が可能となり、どこにいてもアルコールチェックを厳格に実施できるようになります。
②コンプライアンスの遵守
アルコールチェックアプリでは、測定結果が改ざんできない仕組みで記録されるため、不正防止や入力ミスの回避に効果的です。規定値を超えたアルコール量が検出された場合は、管理者に自動通知が送られることで、飲酒運転のリスクを徹底的に排除できます。
アプリによっては、アルコールチェック未実施の場合や規定値を超えるアルコール量が検出された場合に、車に乗ることができなくなるように設定可能なものもあります。
この設定は、「デジタルキー」と呼ばれる、スマホが鍵代わりになるツールを用いて実現することができます。 詳しくは『デジタルキーが変える社用車管理』をご覧ください。
③ペーパーレス化
アルコールチェックアプリを使用すると、データはすべてクラウド上に保存され、紙の記録簿やファイルが不要になります。これにより、印刷や保管にかかるコストを削減し、オフィスにあるスペースの有効活用が可能です。
また、紙の量を減らすことは環境保護にも貢献し、持続可能な社会を目指すSDGsへの取り組みとしても意義があります。ペーパーレス化により、書類の紛失や盗難のリスクも軽減され、情報管理のセキュリティも強化されます。
利用イメージ
具体的なイメージを持っていただくために、アプリを利用してアルコールチェックを実施する手順の一例を紹介します。
1.スマホアプリを立ち上げ、安全運転管理者の立ち合いのもと、運転前後のアルコールチェックを行います。
検知器とBluetooth接続することで、測定結果などの情報は自動入力されるため、その他必要な情報を入力します。入力したら登録ボタンを押してアルコールチェック記録の提出完了です。
2.運転後も同様にアルコールチェックを行い、そのままスマホアプリから提出します。
3.提出された記録はすぐに反映され、安全運転管理者はクラウド上で内容を確認することができます。データの保存期間はアプリごとに異なりますが、1〜3年程度、自動で保存されることが多いです。
未提出や未記入があった場合には、ドライバーに自動で通知が届くので、管理者の確認作業も効率化することができます。
なお、アルコールチェックアプリについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ
アルコールチェッカーの精度は、「測定範囲」「誤差範囲」「誤検知の起きにくさ」の3つの要素で決まります。高精度な測定を実現するには、用途に合った製品選びが重要です。特に、電気化学式(燃料電池式)は精度が高く、業務用として適しています。
また、誤検知は飲食物や薬、環境要因などが原因となるため、測定前の注意や適切な運用が必要です。さらに、アルコールチェックの義務化により、企業は適切な記録管理とメンテナンスを行う必要があります。
チェック業務の負担を軽減するためには、アプリやシステムの活用も効果的です。精度の高いアルコールチェッカーを選び、正しく運用することで、安全な業務環境を実現しましょう。
アルコールチェッカー、結局どれを選べばいいの?
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「アルコールチェッカーの導入/更新を検討しているけど、たくさんある中から結局どれを選べばいいのかわからない…」
Bqeyなら精度の高い電気化学式を採用しているから安心!
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