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2024.09.02

ドライブレコーダーによる遠隔監視とは?メリットや活用シーンを紹介!

ドライブレコーダー(ドラレコ)による遠隔監視は、ドライバーの事故防止に加え、運行計画の効率化など、車両管理に革新をもたらします。しかし、仕組みやメリットを十分に理解できておらず、導入をためらっている企業の管理者も少なくないでしょう。

本記事では、ドラレコの遠隔監視システムの仕組みを解説し、メリットや活用シーン、選ぶ際のポイントについて詳しく解説していきます。また、ドラレコと同時に導入する運行管理システムについても取り上げます。おすすめの運行管理システムについても紹介しますので、ぜひ導入の参考にしてください。

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ドラレコによる遠隔監視の仕組み

ドライブレコーダーとは、車載カメラで主に運転中の車外映像や音声を記録する装置です。これにより、交通事故やトラブルが発生した際の状況を正確に確認することが可能です。

ドラレコの機種によっては、車外だけでなく車内の映像も記録できるものがあります。こうした機種を用いれば、ドライバーの様子や車内の状況も録画されるため、より詳細な情報を得ることが可能です。

 

このような高機能なドラレコをスマホやPCと連携させることで、管理者が遠隔地からでも簡単に運転中のリアルタイムの映像や過去の記録を閲覧できます。これがドラレコの遠隔監視の仕組みです。さらに、ドラレコに内蔵されているGPS機能を利用して、車両の位置情報もリアルタイムで取得できます。

これらの情報はクラウドサーバーにアップロードされ、インターネットを介して安全に保存されます。これにより、物理的なデバイスの故障や盗難によるデータ喪失のリスクも軽減できます。

遠隔監視のメリット3つ

ドラレコを活用した遠隔監視には、以下の3つのメリットがあります。

 

①危険運転の把握

急ブレーキ・急ハンドル・急発進・スピード超過などの危険な運転行為を自動的に検知し、ドライバーだけでなく、管理者にもリアルタイムで通知することが可能です。

さらに、AIによる画像認識により、居眠り運転やわき見運転も検知し、通知してくれます。これにより、管理者は危険運転が発生した瞬間に即座に対応することができます。 

また、危険運転やヒヤリハットの動画データがクラウドサーバーに保存されるため、後から詳細な状況を確認することも可能です。これらのデータは、事故の原因究明や危険運転の再発防止策の検討にも活用できます。

 

②安全運転意識の向上

ドラレコによる遠隔監視の大きなメリットとして、ドライバーの安全運転意識の向上があげられます。

ドラレコによる常時監視の事実を知っているドライバーは、自分の運転行動が記録されていることを意識します。この「見られている」意識によって、自然と安全運転を心掛けるようになります。 

特に、会社の方針として安全運転を推奨している場合、遠隔監視システムが導入されていることは危険運転に対する大きな抑止力です。結果として、事故の発生率が低下し、会社全体の安全性が向上することが期待されます。

 

企業の安全運転意識を向上させるためのポイントについては以下の記事も参考にしてください。

参考記事:安全運転意識を向上させる3つのポイント|企業の取り組み事例も紹介

 

③位置情報の把握

ドラレコに内蔵されているGPS機能を活用することで、管理者は車両の位置やドライバーの作業状況をリアルタイムで把握できます。これにより、管理者は状況に応じてドライバーに指示を出すことが可能となります。

例えばタクシー会社で、配車を待つ顧客からの「いつ着くのか?」という問い合わせに対して、迅速かつ正確に対応できます。あるいは運送会社で、急な配送依頼が入った場合でも、近くにいる車両を迅速に手配できます。これらは業務の効率化、顧客へのサービス品質の向上につながります。 

また、位置情報を記録することで、過去の運行ルートや作業状況を分析し、最適な運行計画を立てることも可能です。分析に基づいた計画立案を通じて、燃料の節約や効率的な運行管理を実現します。

遠隔監視の活用シーン

ドラレコでの遠隔監視は、車両管理の効率性と安全性を高めるべく様々なシーンで活用されています。

特に、交通事故の削減や社内での安全運転教育、直行直帰などで目の届かないドライバーの管理において活用されることが多いです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

交通事故を削減して保険料を下げたい

企業にとって、自動車保険料を安く抑えることは重要です。ドライバーが危険運転や交通事故を頻繁に起こすと、自動車保険料が高くなり、企業のコストが増加します。

上述した通り、ドラレコによる遠隔監視は、危険運転の把握と安全運転意識の向上に関して大きなメリットがあります。AIにより、危険運転の状況を直接ドライバーに通知したり、管理者がドライバーに指導したりすることで、危険運転や交通事故の防止につながります。

交通事故の件数が減少すれば、結果として自動車保険料が引き下がり、企業のコスト削減に大きく寄与します。

 

的確な安全運転教育を実施したい

安全運転教育と言っても、やみくもに指導するだけではなかなかドライバーに響かないと感じている管理者も多いでしょう。

そこで、ドラレコにより取得したドライバーごとの運転データを分析・評価することで、その人に合った具体的な改善点の指導が可能となり、より説得力のある安全運転教育を実施できるようになります。

例えば、急ブレーキや急ハンドルの頻度、速度超過の状況などを可視化しながら指導することで、ドライバーは自分の運転習慣を客観的に認識し、改善意識を高められます。さらに、ドラレコに記録された映像を用いた教育セッションを行えば、実際の運転シーンに基づく具体的な指導も可能です。

 

安全運転教育の重要性や具体例について、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

参考記事:企業が取り組むべき「安全運転教育」とは?事故防止に役立つツールも紹介

 

直行直帰のドライバーも業務管理したい

直行直帰などで管理者の目の届かないドライバーの業務管理は難しいですが、ドラレコによる遠隔監視を活用すれば解決できます。GPS機能を搭載したドラレコを利用することで、管理者はドライバーの位置情報や移動履歴をリアルタイムで把握し、ドライバーが適切なルートを通っているか、予定通りの業務を遂行しているかをチェックできます。

さらに、映像記録からドライバーの行動を詳細に確認して、業務の正確性や効率を評価することが可能です。加えて、ドラレコの運行データを活用することで、日報作成も簡単に行えます。

これらの機能により、ドライバーが直行直帰の働き方を維持しながらも、効果的な業務管理と安全確保が実現します。

 

運転業務に伴うアルコールチェックが義務付けられている企業の中には、直行直帰のドライバーへの実施方法に悩んでいる方も多いかと思います。以下の記事では実施方法や効率化の方法などをわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

参考記事:直行直帰のアルコールチェックはどうする?実施方法や効率化の方法も解説

社用車を遠隔監視する際の注意点

社用車を遠隔監視する際には、いくつかの注意点があります。特に料金体系の確認やドライバーの心理面への配慮は欠かせません。具体的な注意点を解説していきます。

 

料金体系を確認しておく

法人向けのドラレコには、買い取りとリースという2つの選択肢があります。買い取りの場合、一度にまとまった費用が発生しますが、長期的にはコストが抑えられる点がメリットです。一方、リースの場合は月額課金制が一般的で、初期費用を抑えられる反面、契約期間が定められており、途中解約には違約金が発生する可能性があります。

 

どちらの体系を選ぶかは、自社の予算の都合を考慮してください。法人向けのドラレコを選定する際には、料金体系を十分に確認することが重要です。加えて、初期費用や追加オプションの料金についても詳細を確認し、トータルコストを把握することが必要です。

 

監視されることへの抵抗感に配慮する

社用車にドラレコを導入する際、ドライバーが自分の行動を監視されていると捉えて、抵抗を感じることがあります。

この抵抗感を軽減するためには、ドラレコ導入の目的を明確に伝えることが重要です。ドライバーに対して、「監視するためではなく、ドライバーの安全を守るために導入する」というメッセージを強調しましょう。

安全運転を促進し、事故を未然に防ぐためのツールであることを丁寧に説明すると、ドライバーからの理解を得やすくなります。また、ドラレコの導入がもたらす具体的なメリット、例えば交通事故の減少や自動車保険料の引き下げなどを伝えることも有効です。

 

さらに、ドライバーのプライバシーに配慮することも欠かせません。クラウドサーバーに保存された車内の映像や音声を、目的外に使用しないことを約束します。

また、休憩時間中や営業時間外の監視を避けるなど、プライバシー保護のための具体的な対策を講じることが求められます。

これらの配慮によって、ドライバーの協力を得られ、ドラレコの効果を最大限に引き出すことが可能です。

ドラレコを選ぶための5つの観点

数多くの商品が市場に出回っているため、どのドラレコを選べばよいか迷うこともあるでしょう。ドラレコを選ぶ際には、以下の5つの観点から比較するとよいでしょう。

 

①画質で選ぶ

相手のナンバープレートなど、事故時に必要となる情報を識別するには、一定以上の画質が必要です。

画質の良さは解像度と画素数で判断できます。現在の主流が200万画素、解析度フルハイビジョン(FHD)ですので、これら以上であることがひとつの目安です。WDR(ワイドダイナミックレンジ)やHDR(ハイダイナミックレンジ)対応が謳われている機種であれば、夜間や逆光時でもクリアな映像を記録できます。

そのほかにも、どのような状況でもLED信号機の色を正確に把握できるかも要チェックポイントです。

 

②撮影範囲の広さで選ぶ

ドライブレコーダーに搭載されているカメラは大きく分けて、

  • 前方のみ1カメラ
  • 前方1カメラ+後方1カメラの計2カメラ
  • 360°カメラ

の3種類があります。

レンズの画角にもよりますが、カメラが1台よりは2台の方が、撮影範囲が広くなり、映像の死角は狭くなります。

レンズの画角(視野角)は広いほど良く、水平画角は130°以上、垂直画角は60°程度のものが現在の主流ですが、それぞれ180°以上、70°以上のものであれば、より広範囲の映像を記録できます。

360°カメラでは、前方と後方だけでなく、自動車の周辺を文字通り360°撮影できます。全天球カメラなどと呼ばれることもあります。

 

③駐車監視機能の有無で選ぶ

ドライブレコーダーの駐車監視機能は、駐車中の車両の安全を守るための重要な機能です。駐車中の車両に対する当て逃げや車上荒らしなどのトラブルを記録することで、証拠を残すことができます。

駐車監視機能には、「衝撃検知録画」「動体検知録画」「常時録画」の3つのタイプがあります。

  • 衝撃検知録画
車両に衝撃が加わった際に録画を開始します。このタイプは、重要な出来事を確実に記録できる点がメリットですが、衝撃が小さく検知されない場合には録画が開始されないというデメリットもあります。

 

  • 動体検知録画
車両の周囲で動く物体を検知した際に録画を開始します。この方式は、バッテリー消費を抑えつつ、必要な時だけ録画を行うため効率的ですが、動体の見逃しや誤検知の可能性があります。

 

  • 常時録画
車両のエンジンを切ってからも、防犯カメラのように常に録画を続ける方式です。このタイプのメリットは、常に全ての出来事を記録できる点ですが、バッテリー消費が激しいというデメリットもあります。

これらの駐車監視機能の特徴を理解し、駐車環境やニーズに合わせて選択することが大切です。

 

ドライブレコーダーの駐車監視機能については以下の記事も参考にしてください。

参考記事: ドライブレコーダーの駐車監視機能とは?録画方式やメリットも解説

 

④バッテリータイプで選ぶ

ドライブレコーダーの電源供給に使用するバッテリーは、以下の3タイプがあります。

  • 内蔵バッテリータイプ
ドライブレコーダー本体にバッテリーが内蔵されています。設置が簡単で、走行中に充電することができますが、長時間の録画には不向きです。

 

  • 車両バッテリータイプ
車両のバッテリーを使用するタイプで、バッテリーを充電する必要がありません。長時間の録画が可能な一方で、車両バッテリーに負担がかかるためバッテリー上がりに注意が必要です。

 

  • 外部バッテリータイプ
外付けの専用バッテリーを使用するため、車両バッテリーに負担をかけることなく長時間録画が可能となります。ただし、外部バッテリーの費用がかかる点と、他のタイプと比べて配線が複雑になる点に注意してください。

駐車時間や利用シーンによって適切なバッテリータイプを選ぶようにしましょう。

 

⑤録画容量で選ぶ

録画データの空き容量がなくなると古い録画データが上書きされて消えてしまうため、容量が小さい機種では短い期間しかデータの保存ができません。

駐車監視機能を長時間使用する場合や、高画質の録画を行う際には、大容量の記憶媒体を利用できる機種を選び、ある程度長期間のデータを保存できる状態で使用すると必要なデータを保存しやすくなります。

ドラレコによる遠隔監視の導入方法

法人がドラレコによる遠隔監視を導入する際には、ドラレコ単体ではなく「運行管理システム」としての導入が一般的です。

以下、運行管理システムの導入方法と具体的な内容について詳しく解説します。

 

運行管理システムとは

運行管理システムとは、車両の運行状況をリアルタイムで監視し、効率的な運行と安全管理を支援するためのシステムです。ドラレコによって収集された映像や運行データ、位置情報がクラウドサーバーにアップロードされ、専用のソフトウェアを使用することで、管理者はこれらのデータをリアルタイムで閲覧し、分析できます。

 

運行管理システムには、ドラレコ以外にもいくつかのデバイスがあります。

すでにドラレコを設置している場合、これらのデバイスを利用することで、ドラレコを買い替えることなく遠隔監視(運行管理)を行うことができるでしょう。

 

運行管理システムの主な機能

運行管理システムの機能は大きく分けて以下の7つです。

 

運行計画作成機能

各車両の最適な運行ルートを選定し、効率的なスケジュールを作成してくれる機能です。これにより、管理者は運行計画にかかる業務時間を削減することができます。

 

配車管理機能

車両やドライバーの割り当てを管理する機能です。各車両の位置情報や運行状況を把握しながら適切な配車を行うことで、無駄な稼働を減らし、迅速かつ効率的な業務遂行が可能です。

 

動態管理機能

リアルタイムで車両の位置情報や運行状況を監視する機能です。これにより、車両が予定通りに運行しているか、異常が発生していないかを常に確認し、指示が必要な場合にも迅速に対応できます。

 

動態管理の活用方法やメリットについては以下の記事も参考にしてください。 

参考記事:動態管理とは?必要性やメリット、おすすめのシステムも紹介!

 

安全運転管理機能

ドライバーの運転行動をモニタリングし、安全運転を促進するための機能です。急ブレーキや急ハンドル、速度超過などを検知し、ドライバーに通知することで事故を未然に防ぎます。運転診断を行い、点数化やランキング化してくれるシステムもあります。

 

日報作成機能

各車両の運行状況を日報としてまとめる機能です。ドラレコなどのデバイスから走行データや位置情報などを自動的に取得できるため、ドライバーの業務効率化に役立ちます。

 

運転日報の作成は法律上の義務であり、必ず対応しなければなりません。義務の対象となる企業や具体的な記載内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

参考記事: 運転日報とは?記載すべき項目や書き方、保存期間もわかりやすく解説

 

分析・レポート機能

運行データを分析し、業務改善のためのレポートを作成する機能です。レポートによって、運行の効率化やコスト削減のための具体的な改善点を見つけ出すことが可能です。


運転手台帳作成機能

貨物運送業においてドライバーを雇用する際に作成・保管・管理が義務付けられている、運転手台帳を作成する機能です。各ドライバーの氏名・生年月日などの基本情報、交通関連情報、健康診断や適性診断の結果などのデータを管理します。これにより、各ドライバーの免許更新時期や健康状態を確認することが可能です。

おすすめの運行管理システム3選

ここでは、おすすめの運行管理システムを3つ紹介します。

サービス名 無事故プログラムDR AORINO Biz

KITARO

※OBDⅡアダプタを用いた場合

運行計画作成機能 × × ×
配車管理機能 ×

×

動態管理機能

※オプション

安全運転管理機能
日報作成機能

分析・レポート機能

運転手台帳作成機能 × × ×

①無事故プログラムDR

BIPROGY株式会社が運営する「無事故プログラムDR®」は、ドラレコを活用した運行管理システムです。

リアルタイムで危険運転を検知し、即時通知することで事故を未然に防ぎます。導入実績も豊富で、事故件数や保険料、燃料費の削減に成功した事例が多くあります。また、運転傾向レポートを通じて、ドライバーの安全運転指導を強化できます。

参照元:https://dr.biprogy.com/

②AORINO Biz

スマートモバイルコミュニケーションズ株式会社が提供する「AORINO Biz」は、1回の運転ごとに、ドライバーの安全性を4段階で評価・分析したレポートを作成してくれます。このレポートは、安全運転教育の指標として利用することが可能です。

また、オプションも充実しており、ドラレコの「かんたん取り付けサポート」や、クラウドサーバーに自動でアップロードされた動画の預かり期間を延長する「動画預かり延長サービス」などがあります。

参照元:https://aorino.smamoba.jp/biz/

③KITARO

株式会社アクシスが提供する「KITARO」は、目的に合わせて4つのデバイスを選択することができます。

例えば、OBDⅡアダプタでは安全評価やエコドライブ評価で運転成績がランキングでき、ドラレコではヒヤリハットを検知すると自動で20秒間の動画がアップロードされ、管理者は映像をピンポイントで確認することができます。

参照元:https://kitaro-sdp.com/

まとめ

ドラレコによる遠隔監視を導入することで、運転中の映像や音声を記録でき、危険運転の把握、安全運転意識の向上、位置情報のリアルタイム取得など、多くのメリットが得られます。

また、保険料の引き下げや的確な安全運転教育の実施、直行直帰のドライバー管理などに活用することも可能です。


運行管理システムと連携することで、クラウドサーバーへデータが保存でき、データ損失のリスクも軽減されるほか、運行効率を最大化し、事故防止に貢献することも可能です。車両管理の効率化と安全性向上を実現したい方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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