役員車におすすめの車種6選|必要性や選ぶポイント、入手方法も解説
役員用の車を「役員車」と呼び、企業によっては一般の社員の車と使い分けているケースがあります。役員車は取引先や従業員など関係者から注目されることも多いので、外観や内装にも気を配りながら、役員にふさわしい自動車を選定したいものです。
しかしながら、役員車について、
・何のために導入するのかわからない
・役員車に適したおすすめの車種を知りたい
・役員車をどのように選んだらよいかわからない
・役員車の入手方法がわからない
など、疑問や悩みを抱えている方も多いようです。
そこで本記事では、役員車の「導入メリット」や「選ぶ時のポイント」、「おすすめの車種」や「入手方法」等について解説します。
台数が増えると管理すべきことも変わる!?
社用車管理の見直し、適切に対応できていますか?
社用車を一台でも所有している場合、事故やトラブルを防いで安全に利用するために、社用車管理を行っている企業は多いと思います。しかし、台数が増えると管理内容ややるべきことが変わるということはご存知でしょうか?
法律上の義務となる項目もあるため、確実な対応が求められます。そこで、所有台数別に実施しなければならないことを、わかりやすく解説した資料をご用意しました。
【資料で分かること】
- 所有台数別に実施すべきこと
- 法律で義務付けられていること
- 社用車管理の成功事例
社用車管理について見直す際の参考にしていただける内容となっていますので、
ぜひ資料をダウンロードしてみてください。
役員車とは
役員車とは、企業の社長や役員が移動したり、社外のVIPを迎えたりする際に利用される車両を指します。まずは、役員車がほかの車両とどのような違いがあるのか、チェックしてみましょう。
役員車と営業車・商用車の違い
企業で使用する車については、一般的に以下のような呼び方をすることが多いです。
- 役員車
- 営業車
- 商用車
それぞれの違いは、特に法律などで定められているわけではありません。先程お伝えした役員車との一般的な言葉の使い分けは以下のとおりです。
営業車
主に営業で使われる車両を指し、営業担当者が顧客を訪問する際に使用されることが多いです。用途に応じて、車種が選ばれることがあります。例えば、商品のサンプルやカタログを積載する必要がある場合は、トラックやバンが選ばれることが多いです。一方、不動産業界などの物件案内の際は、セダンやコンパクトカーが選ばれることもあります。
商用車
主に荷物を運ぶことを目的とします。営業車もカタログなどで荷物を運ぶことがありますが、それが主要な目的ではない点で区別されます。商用車には、事業目的で荷物を運ぶ「緑ナンバー」と、社内業務向けの「白ナンバー」などの区分がありますが、一般的には「商用車」という広い枠組みで語られることが多いようです。
合わせて知っておきたい、社用車とは
社用車とは、法人や個人事業主などが使用する車全般を意味します。営業目的、荷物の搬送、役員・従業員の送迎など、使用目的は様々です。
社用車とより似た言葉としては、「社有車」という言葉があります。「社用車」は「誰が使っているか」に着目した言葉であるのに対して、「社有車」は「誰が所有しているか」に着目しています。車を購入して使用している場合は、企業がその車を所有しているため「社有車」と呼びますが、リースやレンタカーなど企業が所有していない車のことは「社有車」とは呼びません。
なお、社用車については以下のコラムで解説しています。管理方法まで合わせてご紹介しているので、是非ご確認ください。
参考記事:社用車とは|社有車との違いや社用車の入手方法、適切な管理方法も解説
役員車の導入メリット
役員車の導入にはどのようなメリットがあるのか、疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、役員車を導入することで得られる主なメリットをご紹介します。
安全性を確保する
特に大規模な企業では、役員車の導入とともに専任の運転手を配置することが一般的です。その目的は、安全性の確保です。役員には、運転が不得意な方や、地域の道路事情に詳しくない方もいます。また、役員の疲労が蓄積していれば、居眠りや事故のリスクが高まるため、専門のドライバーに任せた方が、安心です。
また、役員が社用車を運転していて事故を起こすと、小さい事故でもニュースで取り上げられ、企業イメージを下げてしまう可能性があります。運転に慣れた専任の運転手に任せることで、役員の安全が確保しやすくなり、事故のリスクを低減することに繋がります。
企業イメージを維持する
企業規模にもよりますが、企業の役員が電車やバスで移動することは一般的には少ないです。安価な車種等での移動は、「企業の経営状況は大丈夫だろうか?」との疑問を呼ぶ可能性があります。
このように、信頼とブランドイメージ構築のため、役員車の導入を検討する企業も多いようです。しかし、企業の経営状況に見合わないような高級すぎる車を選択すると、相手方に良くない印象を与えることもあるため、バランスが重要となります。企業間の関係を考慮し、取引先企業の役員車の種類やグレードも注視し、適切な車種を選定することが大切です。
時間を有効活用できる
役員は、多忙な業務をこなし日常的に仕事に追われています。会合など移動する機会も多いため、公共交通機関で移動するよりも車の方が効率が良いケースも多いです。また、専任の運転手がいる場合には、移動の間に資料をチェックする、電話をかける、リモート会議を行うなど時間を有効活用できます。そして、リラックスしたり仮眠を取ったりすることも可能になり、移動時間を休息時間に充てることで、仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。
節税対策になる
役員車の経費としては、主に以下の費用を計上することになります。
- 購入費用
- 保険料
- ガソリン代
- 点検代
購入費用に関しては、普通車の場合は通常6年間(軽自動車は4年間)の減価償却期間が適用され、期間中毎年経費として計上されます。
企業は事業によって得た利益を法人税として納めなければいけないため、経費として計上することで利益を減らし、納税額を抑えることができます。もし、役員所有の自家用車を役員車として利用する場合、名義を会社名義に変更するだけでも、節税のメリットがあるといえるでしょう。なお、購入費用以外については、必要に応じて、都度、経費として計上していくことになります。
社用車の経費処理については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
役員車を選ぶ時の4つのポイント
役員車を選ぶ際、役員から具体的な要望がないと、選定に悩むことがあります。取引先企業も役員車を注意深くチェックしており、前述したように、あまりに安価な大衆車では会社のイメージダウンや信頼性に欠ける場合があるので、注意が必要です。逆に、経営状況に見合わないような過度に高級な車も不適です。ここからは、役員車を選ぶ際のポイントを4つご紹介します。
①車種で選ぶ
役員車の選定では、各自動車メーカーの最上位クラスのセダンモデルが適しています。国産車では、トヨタの「センチュリー」や「レクサス」「クラウン」、日産の「シーマ」や「フーガ」が代表的です。外国製車では、ベンツの「Sクラス」やBMWの「7シリーズ」が多く利用されています。もし国産メーカーを重視する役員であれば、ホンダの「レジェンド」、スバルの「レガシィ」、マツダの「マツダ6」、スズキの「キザシ」なども選択肢として挙げられるでしょう。
※シーマ、フーガ、レジェンド、レガシィ(セダンタイプ)、キザシは生産終了しています。
②車の大きさで選ぶ
役員車を選択する際、荷物やサンプル品を積むことが多い場合はスペースを確保できるため、大型の車種が好ましいでしょう。トヨタの「アルファード」などは、上質な乗り心地と洗練された外観が特徴で、役員車として高い人気を誇っています。
ただし、事務所が狭い路地にあるか、駐車場が限られている場合は、大きな車の利用に支障が生じる可能性もあります。同様に、立体駐車場をよく利用する場合は、車の高さが制約となることもあります。使い勝手を考慮して、これらのポイントに留意することが大切です。
③メーカーで選ぶ
自動車メーカーの選択時には、取引先や関連する企業の背景を考慮することが重要です。特に、競合となるようなメーカーの車を選択することは避けるべきでしょう。さらに、国産車と外国車、どちらを選ぶかも重要な判断基準となります。
以下は、国産車と外国車のメリット・デメリットです。国内メーカーと海外メーカーでは、車のサイズに違いがあり、外国車は一般的に大きなサイズとなっています。駐車場や周辺の道路の広さなど、環境も考慮しながら選択することが大切です。
④グレードで選ぶ
通常、役職が上がるにつれて車のグレードも上がることが一般的で、最高経営責任者が最も高級な車に乗っています。現在、社長が使用している車のほかに役員車を購入する場合は、グレードが下位のものを選ぶと良いでしょう。また、社長が新しい高級車に乗り換える際には、現在の車を役員に割り当てる方法も検討できます。
親会社が存在する場合、その会社の役員車のグレードとの整合性も考慮すべきです。車の外見だけでなく、内部の装備や機能面でのグレードの差も重要です。どの程度の装備差があるかを確認し、必要なレベルを考慮しましょう。ただし、将来中古車として売る意向がある場合は、高グレードの車の方が再販価値が高い可能性があるため、可能であればそこまで加味できるとなおよいでしょう。
おすすめの役員車6選
ここからは役員車として人気の6つの車種をご紹介します。それぞれのおすすめポイントを参考にしてください。
トヨタ クラウン
出典:トヨタ自動車株式会社(トヨタ クラウン | トヨタ自動車WEBサイト)
トヨタの「クラウン」は、1955年に誕生し、60年以上の歴史を有する役員車の代名詞ともいえる存在です。中でも「2.5L HYBRID RS Advance」は、ハイブリッド車ならではの優れた燃費性能と走行性能の良さで高い人気を誇ります。スポーティーな走りを存分に楽しむことができると好評です。
トヨタ センチュリー
出典:トヨタ自動車株式会社(トヨタ センチュリー | トヨタ自動車WEBサイト)
日本の皇室でも採用されている「センチュリー」は、多くの人々が一度は乗車してみたいと思う最高級車です。塗装から車内のデザインまで、妥協のない仕上がりが特徴で、真の高級感を堪能できます。特に、快適性を追求した後部座席は、まさにファーストクラスのような乗り心地だと評判です。静粛性にもこだわって製造されており、上質な移動体験を実感できるでしょう。
レクサス
出典:LEXUS
「レクサス」はトヨタの高級車ブランドで、中でもレクサスLSはその最高級グレードとなるモデルです。車名のLSは「ラグジュアリーセダン」の頭文字から名付けられたもので、その名の通り、極上の乗り心地を実現しています。マッサージ機能を備えた座席で、疲れた体もリラックスしてくつろげます。重厚感あふれる本革の内装も魅力的です。快適さと優雅さを追求した究極の車といえるでしょう。
メルセデスベンツ マイバッハ
出典:メルセデス・ベンツ日本株式会社(Mercedes-Maybach S-Class)
役員車として人気のメルセデス・ベンツの中でも「マイバッハ」は特に際立った存在です。一目で豪華さと品格が感じられるデザインで、外観と内装の洗練された美しさが際立っています。安定した乗り心地も兼ね備えており、最高級クラスの車としての高い評価を得ています。安全性に徹底的に配慮されている点も、役員車に選ばれる理由です。
BMW 7シリーズ
出典:ビー・エム・ダブリュー株式会社(BMW 7 シリーズ セダン)
「BMW」は、メルセデス・ベンツと肩を並べる高級輸入車の代表格で、スポーティーな走りと優れた走行性能で知られています。特にセダンタイプの最上級クラス「7シリーズ」は、クリスタル・ガラスのヘッドライトが特徴で、31.3インチのシアタースクリーンも選択可能です。パノラマ・ガラス・サンルーフや人間工学に基づいた後部座席のレイアウトが、光の演出で贅沢な雰囲気を醸し出しています。
トヨタ アルファード
出典:トヨタ自動車株式会社(トヨタ アルファード | トヨタ自動車WEBサイト)
「アルファード」は、高級ミニバンとしての地位を確立しており、役員車として頻繁に活用されています。最大の魅力は、室内空間の広さです。ほかのラグジュアリーブランドの車種と比較しても、その広々とした空間は圧倒的といえるでしょう。重要な打ち合わせや同乗者との会話でも窮屈さを感じることがなく、乗り降りもスムーズです。
なお、役員車に限らず、おすすめの社用車については以下のコラムでご紹介していますので、合わせてご確認ください。
参考記事:社用車や営業車におすすめの車種10選|選ぶポイントや適切な管理方法も
役員車を入手する方法
役員車を入手するには、大きく分けて「購入する」方法と「リースを利用する」方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自社に合った方法を選択するようにしましょう。
購入する
役員車を購入する場合、以下の費用がかかります。
- 購入費用
- ガソリン代
- 車検代などの維持費
費用は全て会社の経費として計上できますが、購入年に一括で経費とするのではなく「減価償却費」として計上します。同じ価格の新車と中古車があった場合、利益に余裕があって早めに減価償却を終えたい場合は中古車が向いています。
役員車を購入する場合には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
①多少傷等がついても問題ない
購入した役員車であれば、多少の傷がついても問題なくカスタマイズも可能です。
②好きなタイミングで買い替えが可能
契約期間を気にする必要がないので、好きなタイミングで買い替えもできます。
デメリット
①イニシャルコストがかかる
役員車を購入する場合は、車の代金だけでなく、税金や諸費用、手数料など多くの初期費用がかかります。さらに、自動車税や車検費用、車検時の自動車重量税、オイル交換、タイヤの交換などのランニングコストも必要です。
②固定資産に該当するため減価償却が必要で、会計上の手間がかかる
役員車は固定資産に該当するため、減価償却が必要になり、会計上の手間がかかってしまう点もデメリットといえるでしょう。
③車検や点検の管理が煩雑
購入の場合は車検や点検の時期を自社内で管理する必要があります。複数の社用車を保有している場合は、車検や点検の管理が煩雑になりがちです。
なお、車検や点検の時期を管理するために使用する「車両管理台帳」について以下のコラムで詳しく解説しています。車両管理台帳をまだ作成されていないようでしたら、合わせて参考にしてください。
参考記事:車両管理台帳のテンプレート|規程の必要性や入れるべき内容も解説!
リース
役員車をリースで入手する場合には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
①イニシャルコストがかからないリースの場合、頭金やその他諸費用が不要のため、初期費用を気にする必要がありません。
②車検や点検の費用も含めたリース契約があるため、車両管理が楽
リースの場合は車検や点検のタイミングになるとハガキなどで通知が来るケースが多いので、管理が楽になります。加えて、リースではほとんどの場合月額料金にメンテナンス費が含まれているので、定期的にメンテナンスを依頼することができます。
③リース費用として毎月同じ金額を計上できるため、会計上の手続きが楽
リースの場合は毎月の定額支払いのため、資金計画を立てやすくなります。減価償却の必要もないため、毎月の会計上の手続きも楽です。自賠責保険料やその他の諸費用もカバーされているため、予期しない追加費用の心配がないこともメリットです。
デメリット
①途中でリース契約を解約したい場合に、違約金が発生する
リースの場合、契約期間内にやむを得ない事情で中途解約する場合には、違約金が発生することが多いので、注意が必要です。
②購入より費用が高くなる可能性が高い
カーリースは月額料金で手軽に利用できますが、メンテナンスや車検等の管理も含まれているケースなどには、月々の金額はローンの返済額よりも高くなることがあります。契約内容や車種によっては、車を購入した場合よりも総額が高くなることもあるので注意が必要です。
なお、社用車の購入とリースの比較やリースの方法、おすすめのリース会社などについては、以下のコラムで詳しく解説しています。リースを検討されている方は合わせてご覧ください。
参考記事:社用車はリースと購入どちらがよいのか比較|費用感や人気車種も紹介
役員車を選ぶ時の5つの注意点
役員車を選ぶ際は、様々な点に注意を払わなければなりません。運用の際には、ルール作りも必要になります。特に、以下の5点に注意しましょう。
①取引先や系列会社を加味する
取引先との関係が深い場合や親会社とのつながりがある場合は、その企業が使用している車種を参考にすると良いでしょう。ただし、相手よりも高価な車を選ぶと、嫌味に感じられてしまうなど誤解を招くことがあるため、選択には慎重さが求められます。
②会社規模にあった車種やグレードを選ぶ
役員車を選ぶ際には、会社の規模、企業イメージにあった車種やグレードを選ぶことが大切です。一般の大衆車を役員車として使用する場合は、堅実な印象とは反対に安っぽさを感じさせてしまうこともあるでしょう。
一般的に、セダンタイプの人気が高く、各メーカーの最上級モデルが選ばれることが多いようです。送迎を目的とし、役員自身が運転しない場合は、居住性の高いミニバンなどが選ばれることもあります。役員車は企業の代表としての役割も担っており、企業の品位を示す重要な存在です。一部の企業では、役職に応じて車種やグレードの選定が行われています。
③注文から納車までにかかる日数を確認する
役員車は通常の社用車と異なり、大衆車ではないケースも多いので、すぐに入手できない可能性があります。車の納期は、製造メーカーや生産状況によって大きく異なるため、特に購入の場合は納車までの期間を考慮することが必要です。必要な時期や予定を考えている場合は、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
④購入前に役員の好みを確認する
役員車を購入する際は、役員の好みを事前に確認することが重要です。特に役員自身が運転する場合は、運転のしやすさ、操作性、乗り心地などに好みがあります。予算や納車の時期など優先すべき項目を考慮しつつ、いくつかの候補の中から選んでもらうのも良いでしょう。
⑤私用で使わないようにする
経費に計上している役員車は、原則として個⼈的利⽤は許可されていません。業務を⾏う名⽬で購⼊しているため、業務以外の利⽤は避けましょう。プライベートの利⽤が発覚すると税務署から追徴課税を命じられる可能性もあるため、細心の注意が必要です。
まとめ
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