アルコールが抜ける時間はどれくらい?計算ツールやチェック方法も紹介!
飲み会や接待が長引いた翌日、特に社用車を運転する方や車通勤している方は、アルコールがきちんと抜けているのか気になる方も多いのではないでしょうか。
アルコールが抜ける時間には個人差があり、酔いが覚めたと思っていてもまだ体内に残っている場合もあります。
- アルコールが何時間くらいで分解されるのか知りたい
- 翌日に影響が出ない適量を知りたい
- アルコールが抜ける時間の個人差の原因を知りたい
- 翌日の業務に支障がないようにお酒を楽しみたい
といった悩みを抱える方に向け、本記事では摂取したアルコールの分解にかかる時間の計算方法や、アルコールの分解が早い人とそうでない人の違いなどについて解説します。
「アルコールチェック」について理解して
飲酒運転を防ごう!
道路交通法により、一定台数以上の社用車を使用する事業所には、検知器を用いたアルコールチェックが義務付けられています。
自社は対象なの?何をすればいいの?という疑問を解決する資料をご用意しました。
【資料でわかること】
- アルコールチェック義務化の概要
- 義務化の対象となる事業所の条件
- 具体的にやるべきことは何か
- アルコールチェックを怠った時の罰則
この一冊に、アルコールチェック義務化の対応に必要な情報がまとまっています。
法令を遵守した運用をするために、ぜひ本資料をご活用ください。
アルコール検知器を用いたアルコールチェックが2023年12月1日から義務化されました。義務化に至った詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
【速報】アルコールチェック義務化開始!警察庁発表をわかりやすく解説!
アルコールが「抜ける」とは?
お酒を飲んだ際に、その影響が体から消えることを「お酒(アルコール)が抜ける」と表現しますが、具体的にはどういう状態を指すのでしょうか。一般的には、体内に摂取されたアルコールが無害な物質に分解され、血中アルコール濃度が安全な範囲またはゼロにまで下がることを意味します。
アルコールが体内で分解される際、化学的には次のような変化が起こります。
まず、摂取したアルコール(エタノール)は胃で約20%、小腸で約80%が吸収され、血液によって全身に運ばれます。その後、肝臓に運ばれ、アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに変化します。
アセトアルデヒドは、発がん性が確認されているほど毒性の強い物質ですが、体内のアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解されます。酢酸は、わかりやすく言えばお酢の成分で、人体にはほぼ無害です。
肝臓で酢酸まで分解されると、その後は体内を巡り筋肉などで二酸化炭素と水に分解され、最終的に呼吸、尿、汗として体外へ排出されます。
このように、アルコールは「吸収」「分解」「排出」という3段階のプロセスを経て最終的に無害化されます。お酒と肝臓の関係を知っている人は多いかもしれませんが、こうして見てみると、肝臓がアルコール代謝においていかに重要な役割を果たしているかがよくわかります。
【お酒の種類別】アルコール分解時間の目安
アルコール分解にかかる時間は一律ではなく、個人差があり、お酒の種類によっても異なります。これは、お酒ごとに含まれる純アルコール量が異なるためです。
アルコールが体内で分解される時間を計算するためには、純アルコールに関する理解が必要です。 ここでは成人男性を例に、お酒の種類ごとのアルコール分解時間を紹介します。
純アルコール量とは
純アルコール量とは、飲酒時に摂取するアルコールの正確な量を指します。お酒の種類や量に関わらず、アルコールそのものがどれだけ含まれているかを表す数値です。
厚生労働省の基準によると、健康に影響を与えない適度な飲酒量とされているのは、1日あたり純アルコール量20gです。
これは「アルコールの1単位」とも呼ばれ、一般的な適量の目安となっています。
純アルコール量は、飲み物の容量(mL)とアルコール度数(%)がわかれば計算できます。計算式は次のとおりです。
純アルコール量 (g)=容量 (mL)×アルコール度数 (%)×0.8
この「0.8」という数値はアルコールの比重です。水の比重を1としたとき、アルコールは水より軽いため、0.8という数値が使われます。
純アルコール量と分解時間
一般的な目安として、純アルコール量20 gを分解するのにかかる時間は、成人男性で約4~5時間です。
ビール、ワイン、焼酎など、主なお酒に含まれる純アルコール量と、体内での分解時間について表にまとめたので参考にしてください。
お酒の種類 | 容量 | 度数 | 純アルコール量 | 単位換算 | 分解時間の目安 |
---|---|---|---|---|---|
ビール(大瓶) |
633mL |
5% |
25.3g |
1.3 |
5~6時間 |
ビール(ロング缶) |
500mL |
5% |
20g |
1 |
4~5時間 |
ビール(レギュラー缶) |
350mL |
5% |
14g |
0.7 |
3~4時間 |
ワイン(グラス1杯) |
125mL |
12% |
12g |
0.6 |
2.5~3時間 |
日本酒(1合) |
180mL |
15% |
21.6g |
1.1 |
4~5時間 |
焼酎(ロック1杯) |
60mL |
25% |
12g |
0.6 |
2.5~3時間 |
チューハイ(1缶) |
350mL |
5% |
14g |
0.7 |
3~4時間 |
梅酒(ロック1杯) |
60mL |
14% |
6.7g |
0.3 |
1.5~2時間 |
ウイスキー(ダブル1杯) |
60mL |
40% |
19.2g |
1 |
4~5時間 |
泡盛(ロック1杯) |
60mL |
30% |
14.4g |
0.7 |
3~4時間 |
このように、お酒によってアルコール度数や1杯あたりの量が異なるため、摂取する純アルコール量も変わってきます。
表を参考にしつつ、自分の飲酒量や適量を把握することが大切です。
アルコール分解時間の計算ツール
アルコール分解時間を計算できる専用ツールとして、「アルコールウォッチ」があります。
これは厚生労働省が提供しているため信頼性が高く、Webツールなのでスマートフォンから簡単にアクセスして使用できます。会員登録などの手続きも不要です。
使い方も非常に簡単です。画面に表示されたさまざまな種類のお酒の中から、飲んだお酒の種類、量、度数を選択し、リストにドラッグ&ドロップして計算ボタンを押すだけで、摂取した純アルコール量とアルコール分解時間、つまり運転を控えるべき時間が瞬時に表示されます。
自分ではアルコールが抜けていると思っていても、実際にはさらに分解時間が必要な場合があります。普段の飲酒習慣にこのツールをぜひ活用してみましょう。
分解時間が変わる6つのファクター
アルコールの分解にかかる時間には個人差があります。しかし、その個人差にはどのような要素が関係しているのでしょうか。
分解時間に影響を及ぼす要素として、以下の6つが挙げられます。
①性別
女性は男性に比べてアルコールの分解が遅いとされています。これは、男性に比べて体格が小さく、それに伴って臓器も小さくなるためです。
体格が小さい分、体内の水分量が男性より少なく、同じ量のアルコールを摂取しても血中アルコール濃度が高くなりやすい傾向にあります。
また、肝臓が小さいため、代謝に関わる酵素の働きが男性よりも弱く、体内でアルコールが代謝される速度が遅いとされています。女性のアルコール代謝能力は、男性の約75%程度といわれています。
このため、女性はアルコールの影響を受けやすく、少量でも酔いが長く続くことがあります。さらに、多量の飲酒をすると肝臓に負担がかかりやすく、肝障害などアルコールによる病気のリスクも高まります。女性の適量の目安は、男性の半分から3分の2程度です。
②年齢
アルコールの分解速度は年齢によっても異なります。一般的に、若年層および高齢者は分解が遅くなります。
若年層の場合、アルコールを代謝する酵素がまだ十分に発達していないため、分解が遅くなります。国内で飲酒が20歳以上に制限されている理由の一つです。
一方、高齢になると、肝臓の機能が衰え、アルコールの分解速度が遅くなります。若いころと同じ量を飲んでも、分解に時間がかかることがあります。また、年齢とともに体内の水分量が減少するため、血中アルコール濃度が高くなる傾向もあります。
それ以外の世代は、代謝機能が発達し安定しているため、個人差はあるものの、通常は正常に分解されます。
③体格
体格がよい人ほど、アルコールの分解が速い傾向にあります。
肝臓の重さは体重の約50分の1といわれています。したがって、体格の良い人は一般的に肝臓も大きく、代謝速度が速いため、アルコールに強い傾向があります。
さらに、体格がよい人は一般的に筋肉量も多いため、体内の水分量が多く保持されやすくなります。筋肉は脂肪よりも水分保持能力が高いため、血中アルコール濃度が下がりやすく、分解にかかる時間も短縮されます。
④顔色
お酒を飲んだ後、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドが血中に多く残ると、顔が赤くなることがあります(フラッシング反応)。これは、アセトアルデヒドを酢酸に分解する酵素の働きが弱いことが原因です。
この酵素の働きの程度は人によって異なり、一般的に働きが強い人はお酒に強く、働きが弱い人はお酒に弱いといわれています。
なお、顔が赤くなりやすい人もそうでない人も、アルコールそのものを分解する酵素の働きには大きな違いがないことが多いです。そのため、アルコールの分解速度には大きな差はないと考えられますが、有害なアセトアルデヒドを分解する速度には違いがあります。
顔が赤くなりやすい人は、頭痛や倦怠感などの影響が残りやすいため、注意が必要です。
また、アセトアルデヒドは発がん性があることでも知られているため、飲酒によって肝臓がんや食道がんなどを引き起こすリスクは、顔が赤くなる人の方が高いといえます。
お酒を少量飲んだだけで顔が赤くなる人や、吐き気や頭痛といった症状が出る人は、無理に飲まない方がよいでしょう。
⑤食事
空腹時に飲酒をすると、アルコールがすぐに吸収され、血中アルコール濃度が急激に上昇した結果、分解が遅くなることがあります。
一方、食事をした後に飲酒すると、胃の中に食べ物とアルコールが共存するため、腸にアルコールが流れ込む速度が遅くなり、その結果、アルコールの吸収速度も緩やかになります。
これにより血中アルコール濃度の急激な上昇が抑えられ、酔いが一気に回る状態を防ぐことができます。
また、アルコールは主に肝臓で分解されますが、胃にも分解酵素が存在します。食事をしてから飲酒することで、食べたものの消化に時間がかかり、アルコールが長く胃にとどまるため、肝臓に到達する前に一部が分解されます。その結果、酔いにくくなり、分解が終わるまでの時間が短縮されるのです。
⑥睡眠
睡眠中はアルコールの分解が遅くなる傾向があります。体内の活動が低下し、代謝スピードが落ちるためです。起きている方が体の代謝が活発になり、結果的に分解が早まります。
なお、「寝たらアルコールが早く抜ける」と誤解している人も多いですが、これは眠ることで体が休まり、目覚めたときに回復した感覚を「アルコールが抜けた」と誤認している可能性があります。
アルコールを早く抜く方法はある?
アルコールを体内から早く抜くためには、アルコールの分解を早める必要がありますが、残念ながら、アルコールの分解を促進する科学的な方法は実証されていません。しかし、飲み過ぎや、急速に酔うのを防ぐ方法はいくつかあります。
適量の飲酒を楽しむためにも、次のポイントを覚えておきましょう。
水分を摂る
飲酒中やその後に水分を多く摂ったからといって、アルコールの分解が早まるわけではありませんが、お酒の飲み過ぎや脱水の防止には大いに役立ちます。
アルコールには利尿作用があるため、過剰に摂取すると体内の水分が失われやすくなります。また、過度に飲んで吐いてしまうことも水分を失う原因となります。さらに、アルコールの分解や排出にも体内の水分が使われます。
脱水症状が起きると肝臓での代謝がうまく進まず、分解速度が遅くなるため、翌日に二日酔いになってしまうこともあります。
このように、飲酒時の水分不足には多くの悪影響があります。水やノンカフェインのお茶などの水分をこまめに摂りながらお酒を飲むことで、血中アルコール濃度が薄まり酔いにくくなり、翌朝の体調への影響も少なくなります。
適量を楽しむためにも、和らぎ水やチェイサーなどを用意し、水を摂取する習慣をつけましょう。濃いお酒を水で薄めて飲むのもよい方法です。
食べながら飲む
空腹時にアルコールを摂取すると血中アルコール濃度が急速に上がる原因となるため、できるだけ食事を摂った後や、食べながら飲むことを心がけましょう。
アルコールは主に小腸で吸収されますが、胃に食べ物があると、アルコールが直接小腸に流れて吸収されるのを防ぎます。これにより、アルコールの吸収が遅くなります。また、胃に留まっている間にアルコールが少しずつ分解されるため、酔いがゆっくりと回るようになります。
さらに、食べ物があることでお酒を飲む量が自然と減り、結果として酔いにくくなります。食事をしながらお酒を飲むと、飲むペースがゆっくりになるため、消化もゆっくり進むという利点もあります。
安静にする
アルコールの分解を妨げないために、安静にすることが重要です。
お酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解に全力で取り組みます。しかし、運動などで汗をかくと体内の水分が失われ、さらに運動によって血液が全身に分散することで、肝臓の働きが低下してしまいます。
そのため、お酒を飲んだ後は安静にし、汗をかくような行為を避けることが大切です。
アルコールを排出するためにサウナや運動で汗をかくのがよいという説がありますが、これは誤った情報であり、むしろ逆効果となる可能性があります。
水分をしっかり摂取し、リラックスすることが推奨されます。また、安静にすることは、酔いによる転倒や事故の防止にもつながります。
アルコールが抜けたか確認する方法
アルコールの分解には個人差があるため、仮に20gのアルコールを摂取して4~5時間経過しても、実際にはまだ体内に残っている可能性があります。
本当にアルコールが抜けたかどうかを確認するために、次の2つの方法でチェックしましょう。
体調を確認する
まずは体調に異常がないか確認しましょう。顔のほてり、頭痛、吐き気、ふらつきなど、酔いに似た症状が残っている状態で運転すると、たとえお酒を飲んだ翌日であったとしても、酒酔い運転とみなされる可能性があります。
「翌日だから大丈夫」「一晩寝たからアルコールが分解された」とは限りません。二日酔いの際は絶対に運転を避けましょう。
また、アルコールが分解されていたとしても、肝臓や胃腸に負担がかかっていることから、下痢や便秘、吐き気を引き起こすことがあります。
体調が優れない場合は運転を控え、十分な休息を取るか、必要に応じて医師の診断を受けることが大切です。
アルコールチェッカーを使用する
確実にアルコールが抜けているか確認するには、アルコールチェッカーの使用が有効です。体調の変化を自覚しないほどの微量なアルコールも検知でき、数値や警告音などで教えてくれます。
一部の企業にはアルコールチェッカーの使用が義務付けられていますが、個人でも簡単に購入できるため、お酒を飲む機会が多い方は入手しておくとよいでしょう。
なお、お酒に酔いやすい人の中には、アルコールチェッカーの結果が正常でも酔いに似た症状が出ることがあります。アルコールチェッカーだけで確認すればよいと考えるのではなく、自分の体調も合わせて確認することが大切です。
なお、アルコールチェッカーの正しい使い方やメンテナンス方法などについては、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
飲酒運転の行政処分と罰則
飲酒運転をしてしまうと、厳しい行政処分と罰則が適用されます。運転者本人だけでなく、車両等の提供者や、酒類の提供者、車両の同乗者にも罰則が設けられています。
具体的な内容について詳しく見ていきましょう。
運転者に対する行政処分と罰則
運転者には以下の行政処分と罰則が科されます。酒気帯び運転の場合
- 行政処分
基礎点数:13点
免許停止:期間90日※1
アルコール基準値が0.25 mg/L以上の場合
基礎点数:25点
免許取消:欠格期間2年※1, 2
- 罰則
酒酔い運転の場合
- 行政処分
免許取消:欠格期間3年※1, 2
- 罰則
(※1)前歴およびその他の累積点数がない場合
(※2)「欠格期間」とは、運転免許の取消し処分を受けたものが再取得することができない期間のこと
酒類の提供者・車両の同乗者に対する罰則
また、罰則の対象になるのは運転者本人だけではありません。酒類を提供した人や一緒に車に乗っていた人も、罰則の対象になります。
具体的には、以下のような罰則が科されます。
酒気帯び運転の場合
- 罰則
酒酔い運転の場合
- 罰則
車両等の提供者に対する罰則
従業員が飲酒運転をした場合、車両の提供者である企業の代表者や責任者も従業員と同等の罰則を科されます。
酒気帯び運転の場合
- 罰則
酒酔い運転の場合
- 罰則
このことからも、企業における飲酒運転防止の取り組みは重要といえます。法律では、運送業などの緑ナンバー事業者および一部の白ナンバー事業者に対し、運転業務に伴うアルコールチェックが義務付けられています。
なお、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違いや法令違反を防ぐポイントについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アルコールチェック義務化について
アルコールチェック義務化とは、2022年4月と2023年12月に段階的に施行された改正道路交通法により、それまで義務がなかった「白ナンバー」の社用車や営業車を一定台数以上使用している企業に対し、アルコールチェックの実施が義務付けられたことを指します。
なお、トラックやバス、タクシーなどの事業用自動車、いわゆる緑ナンバーについては、以前からアルコールチェックが義務付けられています。
他にも建設現場や公共交通機関といった、特に安全性が重視される業種においても、アルコールチェックが実施されています。
『5分でわかる!アルコールチェック義務化のすべて』では、イラストを用いてわかりやすく説明しています。ぜひ手元に置いて参考にしてください。
義務化の内容とスケジュール
アルコールチェック義務化の背景には、2021年6月に千葉県八街市で発生した交通事故があります。飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み、児童2人が死亡、3人が重傷を負う大事故でした。
事故後、運転者の呼気からは基準値を上回るアルコールが検出されましたが、運転者が乗っていたのは、当時アルコールチェックが義務付けられていなかった白ナンバーのトラックでした。
この事故を受け、白ナンバーに対する飲酒運転防止を目的としてアルコールチェックが義務化されたのです。二段階に分けて施行された義務化の内容とスケジュールは以下のとおりです。
2022年4月に施行された内容(第一段階)
飲酒運転による交通事故を今まで以上に厳格に防止するために、まずは運転前と運転後の計2回、ドライバーに対してアルコールチェックを実施し、その記録を管理することが義務化されました。
ただし、第一段階では、アルコールチェックの際にアルコールチェッカー(アルコール検知器)を用いることまでは義務化されず、「目視等」で実施すればよいとされていました。
2022年4月1日から義務化された内容は、具体的には以下のとおりです。
- 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無の確認をすること
- 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
(道路交通法施行規則第9条の10)
2023年12月に施行された内容 (第二段階)
第二段階では、さらに厳格なアルコールチェックの実施が必要となりました。第一段階では「目視等」での実施に留められていましたが、第二段階では「アルコールチェッカー」を用いたアルコールチェックが義務付けられました。
また、アルコールチェッカーは定期的に点検を行い、いつでも正確に測定できる状態にしておくことも義務化の内容に含まれています。
アルコールチェッカーの使用について、当初は2022年10月1日から義務化される予定でしたが、アルコールチェッカーの供給不足等を踏まえて延期となっていました。
(参照:警察庁の発表文書)
その後、安全運転管理者へのアンケートやアルコールチェッカー製造業界からの意見等により、アルコールチェッカーの供給状況は改善傾向にあると認められ、飲酒運転防止を図るためには早期にアルコールチェッカーを導入することが望ましいとの見方から、2023年12月1日に義務化開始となりました。
2023年12月1日から義務化された内容は、具体的には以下のとおりです。
- 運転者の酒気帯びの有無の確認を、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーを用いておこなうこと
- アルコールチェッカーを常時有効に保持すること
(道路交通法施行規則第9条の10)
なお、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、、”呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器”を指しており、これを満たしたアルコールチェッカーであれば問題なく使用できます。
二段階にわたるアルコールチェック義務化の内容を図でまとめると以下のとおりです。
対象となる事業所
アルコールチェック義務化の対象となるのは、以下の条件に当てはまる企業や事業所です。
- 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上使用している
- 5台以上の自動車を使用している
(ただし、原動機付自転車を除く自動二輪は、1台を0.5台として計算)
対象の事業所は、アルコールチェック義務化に確実に対応しなければなりません。具体的な実施方法や記録項目などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、アルコールが体内から抜ける時間について解説しました。
一般的に、純アルコール20gの分解には成人男性で4~5時間程度かかりますが、あくまで目安であり、実際には性別、年齢、体格など様々な要因によって個人差が生じます。お酒を飲む時は空腹を避け、水分を十分摂取し、飲んだ後は安静にすることが重要です。
特に、翌日に運転を控えている場合は、体調確認やアルコールチェッカーの使用で、確実にアルコールが抜けているか確認することが欠かせません。2022年のアルコールチェック義務化により、多くの企業でも厳格な管理が求められています。
飲酒運転は重大な違反であり、運転者本人だけでなく、周囲の関係者にも厳しい罰則が科されることを認識し、安全な飲酒習慣を心がけましょう。
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