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2022.11.30

安全運転義務違反に該当する行為はなに?安全運転義務に違反すると、どんな罰則があるの?

車を運転する上で、安全運転の義務を守るのは当然のことです。しかし、車の運転に慣れてくると基本を忘れてしまいがちです。そこで今回は、安全運転義務違反に該当する行為や、安全運転義務違反を犯すことでどのような罰則や違反点があるかについて解説します。

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安全運転義務とは

「安全運転義務」とは、道路交通法第70条で次のように規定されています。
安全運転の義務(道路交通法第70条)

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

これをわかりやすく言い換えると、「車を安全に運転するために、ハンドルやブレーキなどを確実に操作すること、道路の状況に合わせて他の車や通行人に危害を及ぼさないように運転することが必要がある」ということを意味しています。

当たり前のことを言われていると感じるかもしれませんが、車の運転に慣れている人ほど緊張感がなくなり、安全運転義務に対する意識が低下してしまいがちです。安全運転義務違反の具体的な行為としては、スマートフォンやカーナビを操作しながらの運転(わき見運転)などが挙げられます。通行人や対向車など、他人に危害を及ぼす恐れがある運転をすることは安全運転義務違反になりますので、注意が必要です。

安全運転義務違反の7つの分類

①操作不適

「操作不適」とは、車の操作をミスすることを意味しています。よくある行為としては、アクセルとブレーキの踏み間違いやギアの入れ間違いが挙げられます。

例えば、コンビニなどから出る際に、ギアをバックに入れたつもりで前進に入れてしまい、店舗に突っ込むといったケースが見受けられます。また、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いが多発しており、問題となっています。

他にも、曲がる際にウインカーを出すことを忘れてしまったことにより事故を起こしたり、ハンドル操作を誤ってガードレールや対向車に衝突するケースも頻発しています。

②前方不注意

「前方不注意」とは、前方に対する注意が足りていない状態で運転することを意味しています。前方不注意の種類としては「漫然運転」と「脇見運転」の2種類があります。

漫然運転

漫然運転は聞きなれない言葉かもしれませんが、「前を向いているけれども、考え事をしたり上の空で漫然と運転をしている状態」をいいます。車の運転中に、前を見ているつもりでもちゃんと見えていないという状態は意外と珍しくありません。例えば、仕事やプライベートで悩んでいることがあり、頭がいっぱいになっているといった場合です。また、疲れていると頭がボーっとしてしまい、前が見えていない状態に陥ることもあるでしょう。

漫然運転をしてしまっている時は運転に集中できていないため、スピードが出すぎていることにも気づけません。注意力も散漫になっており、信号無視したことにも気づかないケースも少なくありません。その結果、歩行者や交差点を曲がろうとしている対向車に気づかずに重大な事故を引き起こしてしまいます。

漫然運転の危険性や対策などについては、以下のコラムでも解説していますので、こちらも合わせてご参照ください。

【対策必須!】漫然運転とは?交通事故を起こさないために、漫然運転の原因と対策を知っておこう!

わき見運転

走行中に前方以外を見て車を運転する行為をいいます。例えば、カーナビを操作していたり、外の景色に目を奪われているといった状態です。他には後部座席に座る人に話しかけたり、落とし物を探すなどして視線を前方から外したために事故を起こすケースが挙げられます。

そして、禁止されているにも関わらず多くのドライバーが行いがちなのが、走行中のスマートフォンの操作です。SNSのチェックや通話が原因でわき見運転になり、事故を起こすケースが頻発しています。スマートフォンの通知音が鳴ると内容が気になってしまい、運転中であってもつい確認してしまう人もいるようです。運転に集中するため、スマートフォンの通知は切っておくことをおすすめします。

③動静不注視

「動静不注視」とは、周囲に対向車や歩行者、自転車などが通っていることを認識しているにも関わらず、相手の動きに注意を払わないことを言います。例えば、後方から自転車が近づいてきていることが分かっていながら「止まってくれるだろう」と勝手に思い込んでブレーキをかけずに曲がった末に、自転車を巻き込んでしまうといったケースです。「この時間に歩行者はいないだろう」「対向車は道を譲ってくれるだろう」など「だろう運転」が分かりやすい例です。

④安全不確認

運転中に四方の安全確認を怠ったために引き起こされた事故は「安全不確認」に該当します。安全不確認は、前方不確認、後方不確認、左右不確認の3つに分けられています。例えば、右折しようとした際に、対向車に気を取られて横断歩道を渡る歩行者に気づかないといったケースです。また、駐車場から出る際に、後ろを十分に確認しなかったために後ろから来た車と衝突するといったケースも挙げられます。

⑤安全速度違反

安全速度違反は、普段よく耳にする制限速度違反や法定速度違反とは異なります。制限速度や法定速度をしっかりと守っていても、安全違反に該当することがあります。例えば、曲がり角や狭い路地などでは、どこから歩行者が飛び出してくるか分かりません。このような場合、できるだけ速度を落として走行するべきです。法定速度を守って走っていたとしても、状況に合わせて速度を落とさなければ、事故に繋がる恐れがあるとして安全速度違反となってしまうので、注意が必要です。

⑥予測不適

「予測不適」とは、歩行者や対向車の動きなどを予測せずに運転してしまうことを言います。車を運転している最中には、対向車や歩行者の動きを予測しなければいけない場面は多々あります。例えばT字路を右折しようとした際、視界内に対向車が走っており、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるとしましょう。この場合、対向車は止まらないかもしれない、歩行者は横断歩道を渡るかもしれないなど、ある程度状況の予測をする必要があります。

予測せずに思い込みで運転した結果、横断歩道を渡る歩行者をはねてしまったり、直進する対向車が止まらず衝突事故を起こす可能性もあります。このように、周囲の状況を予測せずに走行すると予測不適に該当します。

⑦その他

上記の違反の他に、手放しで車を運転したり、わざとフラフラと走行するなど、対向車や歩行者に危険が伴うおそれがある運転をしている場合にも、安全運転義務違反とみなされます。

安全運転義務違反を起こしてしまうと?

安全運転義務違反の違反点数と反則金は?

安全運転義務違反を犯した場合は、道路交通法違反として次のような罰則が科せられます。

  • 違反点数:2点
  • 反則金:大型車12,000円、普通自動車9,000円、二輪車7,000円、原付6,000円
  • 反則金が未払いの場合、3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

安全運転義務違反の罰則の内容だけで見ると、重い罰則ではないと感じるかもしれません。しかし、安全運転義務違反に加えて人身事故や物損事故、飲酒運転といった違反を行った場合、さらに重い罰則が科されます。安全運転義務違反は重大な事故を起こしかねない非常に危険行為なので、絶対に防止しなくてはなりません。

なお、安全運転義務違反以外の罰則については、以下の警視庁のホームページを参考にしてください。

参考:交通違反の点数一覧表

安全運転義務違反の危険性

安全運転義務は「前方後方左右をしっかり確認すること」「前をしっかり見て運転すること」「かもしれない運転を守ること」など、車を運転する上で守って当然のことばかりです。それにもかかわらず、死亡事故の多くは安全運転義務違反が原因となっています。

事実として、警視庁のホームページに掲載されている「交通事故分析資料」の「令和3年における交通事故の発生状況等について」によると、横断歩道以外横断中において歩行者が死亡する原因のトップは前方不注意で、46.3%となっています。安全運転義務違反に関する項目だと安全不確認が13.1%、その他の安全運転義務違反についても6%と、安全運転義務違反に関する内容が大半を占めています。横断歩道以外の場所でも交通事故は多発しているため、運転者は常に歩行者がいないか注意する必要があります。

安全運転義務は車を運転する上で当たり前に守ることであるからこそ、違反すると重大な事故を引き起こす原因となるのです。

安全運転義務違反を防ぐためには?

ドライバーができること

安全運転義務に示されている内容は、車を運転する上で基本となることばかりです。車の運転に慣れてくると緊張感がなくなり、これらのことを軽視してしまいがちです。特に、スマートフォンを操作しながら運転や前方不注意、漫然運転などの行為は大事故に繋がる原因であると言われています。

安全運転は自分や同乗者だけでなく、歩行者や対向車など他人の命を守る行為だということを認識する必要があります。車の運転に慣れてきた時こそ安全運転義務を意識し、緊張感を持って運転しましょう。

管理者ができること

業務の中で従業員が車を運転することがある企業の管理者は、次のような方法で安全運転義務違反を防止しなくてはなりません。

  • ドライバーが運転に適しているかを把握する
  • トラブルが起きた際の対応策を練っておく
  • アルコールチェックで酒気帯びの有無を確認を徹底する
  • ドライバーへ安全運転教育を実施する

ドライバーへの安全運転教育は、運転に対する向き合い方を再確認してもらう機会になり、安全運転義務違反を防ぐ効果が期待できます。また、飲酒運転は重大な事故を引き起こす結果となるため、安全運転のためにはアルコールチェックも欠かすことができません。2022年4月から施行された改正道路交通法により、一定台数以上の白ナンバーの社用車を所有する企業に対してもアルコールチェックが義務化されましたが、運転前後のアルコールチェックを厳格に実施することで事故を未然に防ぐことに繋がります。

なお、アルコールチェックの義務化については、以下のコラムでもご紹介しておりますので、合わせてご参照ください。

参考記事:【12月最新】アルコールチェック義務化とは|運用方法まで徹底解説! 

まとめ

当記事では今回、安全運転義務違反と罰則について解説しました。道路交通法第70条に規定されている「安全運転の義務」は車を運転する者として、必ず守るべきルールの1つです。「前を見ながら運転する」「運転中は集中力と緊張感をもつ」「ハンドルやブレーキの操作は確実に行う」など、車を運転する上で当たり前のことばかりです。運転の基本だからこそ、違反をすると重大な事故を引き起こす原因になります。

安全運転義務違反の罰則は重いものではありませんが、飲酒運転などの危険行為も重なることでさらに罰則が重くなります。同乗者や歩行者など、他者の命を守る意味でも、車を運転する際は安全運転義務違反を防ぎ、ルールに従って車の運転を行いましょう。

また、社用車の使用を管理者している方は、安全運転のための教育を定期的に実施したり、従業員への運転前後のアルコールチェックの実施を徹底しなくてはなりません。

アルコールチェックを実施するにあたって、アルコールチェッカーと連携が可能な「Bqey」の導入をおすすめします。「Bqey」では、アルコールチェック項目を含めた運転記録を運転者がスマホアプリから入力できるので、提出漏れを防ぎます。2022年4月から施行された改正道路交通法のチェック項目にも対応しており、データはクラウド上で3年間保管可能です。

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