軽自動車の黒ナンバーとは?取得方法やメリットを詳しく解説!
軽自動車に取り付けられるナンバープレートの中には、黒い背景に黄色い文字が印字された「黒ナンバー」と呼ばれるものがあります。街中で見かける機会はあるものの、普通の軽自動車のナンバーとの違いを明確に理解していない方も多いのではないでしょうか。
黒ナンバーは、軽自動車を使って荷物を運び、報酬を得る「貨物軽自動車運送事業」を行うために必要なナンバープレートです。副業や個人事業として人気が高まっている軽貨物ドライバーや、個人での配送業を始める際にも取得が求められます。
この記事でわかること
- 黒ナンバーについての基本的な知識
- 黒ナンバーであることのメリット・デメリット
- 取得するためのステップや必要な費用
- 取得後に対応すべきこと
- 安全対策業務の効率化が目指せる車両管理システム
黒ナンバーの役割を正しく理解し、スムーズな開業や安全対策の強化に取り組むきっかけにしてください。
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そもそも、黒ナンバーとは?
軽自動車のナンバープレートには「黄色ナンバー」と「黒ナンバー」の2種類があり、使用目的によって色が異なります。黄色ナンバーは一般的な自家用の軽自動車に付けられ、通勤や買い物、プライベートでの移動など、日常生活の中で個人が車を利用する際に登録されます。
一方、黒ナンバーは、軽自動車を使って報酬を得ながら物を運ぶ「貨物軽自動車運送事業」に使用される車両に発行されます。たとえば、ネット通販の商品を配送したり、企業の依頼を受けて定期的に荷物を届けたりといった業務に従事する場合に必要です。
黒ナンバーは、貨物軽自動車運送事業として法的に届出が義務づけられている業務に使用されるものであり、正規の事業者であることを示すナンバープレートです。ナンバープレートの色は見た目だけでなく、車の使用目的そのものを表す役割を担っており、不適切な使い方をすると法令違反となる可能性もあります。
対象となる車両
黒ナンバーを取得できるのは、主に4ナンバーまたは5ナンバーの軽自動車です。4ナンバー車は、元々荷物の積載を主目的として設計されており、商用利用を前提とした構造になっています。かつては、小型貨物自動車に分類される4ナンバー車のみが黒ナンバー取得の対象でした。
しかし、2022年10月の規制緩和により、これまで対象外だった小型乗用自動車(5ナンバー車)でも黒ナンバーを取得できるようになりました。
これにより、日常的に使用している軽自動車を事業用として活用できる可能性が広がり、副業や小規模な配送ビジネスを始めたい個人にとっては大きな追い風となっています。
なお、以前は黒ナンバーを取得するために後部座席を取り外すなど、貨物運送に適した改造が求められていましたが、規制緩和以降はその必要がなくなっています。
4ナンバーの条件
4ナンバー車とは、ナンバープレートの分類番号が「4」から始まる車両のことで、小型貨物自動車に分類されます。荷物の運搬を主な目的として設計されており、以下のような条件を満たす必要があります。
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全長4.7 m以下、全幅1.7 m以下、全高2.0 m以下
- 総排気量600~ 2,000 cc(ディーゼル車は制限なし)
- 座席面積より荷室の方が広い
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荷室の床面積が1 ㎡以上(軽自動車は0.6 ㎡以上)
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荷物の積卸口が縦横80 cm以上(軽自動車は縦60 cm以上)
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乗車定員重量より、積載可能重量の方が重い
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運転席と荷室に仕切りがある
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荷室の座席(後部座席)が脱着式であること
また、4ナンバー車は事業用車両としての位置づけから、車検の有効期間が通常より短いことも特徴です。自家用の乗用車が新車登録から3年間有効なのに対し、4ナンバー車は新車登録から2年、以降は1年ごとに車検を受ける必要があります。(※軽自動車の場合は2年ごとでよい)
これは業務利用が前提の車両であるため、安全性や整備状況についても高い基準が求められているためです。
ほかに緑ナンバーや白ナンバーもある
ナンバープレートの色は、その車両がどのような目的で使われているかを示すものです。軽自動車の「黒ナンバー」や「黄色ナンバー」以外にも、事業内容や車両の種類に応じて「緑ナンバー」や「白ナンバー」があります。
緑ナンバーは、事業用の中型・大型車両に交付されるもので、一般貨物運送事業者のトラックや、旅客自動車運送事業者のバス・タクシーなどが該当します。これらは国土交通省から事業の認可を受けて運行されており、黒ナンバーに比べて大規模な運送事業で使われる点が特徴です。
一方、白ナンバーは自家用の普通車や、記念ナンバーなどに付与されるナンバープレートです。個人利用の一般的な車両に広く使われており、軽自動車でも特別仕様として白ナンバーが交付される場合があります。2025年現在では、47都道府県の花が描かれたデザインや、大阪・関西万博仕様の特別ナンバープレートなどが利用可能です。
どの色のナンバーであっても、車両の用途は明確に定められており、使用者は自らの目的に合った正しい登録を行い、法令に沿った運用を徹底する必要があります。
黒ナンバーの取得のメリット・デメリット
EC市場やフードデリバリーサービスの発展により、小さな荷物を運ぶニーズが増加しています。これにより、黒ナンバーを取得して貨物軽自動車運送事業を始めるケースが増えており、新たな働き方として注目されています。
黒ナンバーを取得することで得られるメリットは多くありますが、同時に事業用車両ならではの制約や手間も存在します。開業後に後悔しないためには、メリットとデメリットの両方を理解し、自身の働き方や目的に合っているかを慎重に見極めることが重要です。
ここでは、黒ナンバーを取得することで得られる主なメリットと、注意すべきデメリットについて解説します。
メリット
主なメリットは以下の3点です。
税金が安くなる
黒ナンバーを取得した軽自動車は営業用として扱われるため、黄色ナンバーと比べて軽自動車税や重量税が軽減されます。たとえば、N-VANなどの軽貨物車を保有する場合は以下のような違いがあります。
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黄色ナンバー(自家用)として使用する場合
軽自動車税(標準税額):年額5,000円
重量税:2年で6,600円 - 黒ナンバー(営業用)として使用する場合
軽自動車税(標準税額):年額3,800円
重量税:2年で5,200円
こうした税負担の軽減は、長期的に見て維持費の節約につながります。
開業・参入ハードルが比較的低い
黒ナンバーを用いた事業は、トラック運送などで使用される緑ナンバーと比較して、開業までの手続きや要件が簡略化されています。緑ナンバーでは、営業所や車庫の確保、運行管理者や整備管理者の配置などが求められ、申請や審査にも時間と手間がかかります。
一方、黒ナンバーは運輸支局への届出のみで取得でき、必要書類が揃っていれば即日交付されるケースもあります。そのため、個人で小規模に運送業を始めたい方や、副業として軽貨物配送を行いたい方にとっては参入しやすい制度といえます。
法令に基づいた正規事業者である証明になる
報酬を得て荷物を運ぶ行為は、たとえ短時間の作業や個人間の取引であっても「事業」として扱われます。そのため、貨物軽自動車運送事業としての届出を行い、黒ナンバーを取得することが法律上義務づけられています。
黄色ナンバー(または白色ナンバー)のまま有償で物品を運送する行為は、通称「白トラ」と呼ばれる違法営業に該当し、発覚した場合には罰則や契約解除のリスクもあります。
黒ナンバーは、事業者として適法に運送を行っている証明であり、荷主や業務委託先に対して信頼を得るためにも重要なものです。継続的に安定した仕事を行うためにも、必ず正規の登録を済ませておきましょう。
デメリット
黒ナンバーの取得にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
任意保険料が割高になる可能性がある
黒ナンバーは事業用車両として扱われるため、任意保険の保険料が自家用車より高額になる傾向にあります。これは、営業車両として長距離走行や運転頻度が多くなることが想定されているためです。
特に運送業務を始めたばかりの方や、等級の低い保険契約者にとっては、費用負担が大きく感じられることもあるかもしれません。保険料が過度な負担とならないためにも、複数の保険会社で見積もりを取って無理のない保険プランを選ぶことが大切です。
自家用としての使用が制限される
黒ナンバーの車両は、貨物軽自動車運送事業として登録されており、その使用目的は事業に限定されています。買い物やレジャーなど私的な用途での使用は、道路運送法や関連規則に反する可能性があり、行政処分の対象となることがあります。
黒ナンバーは乗車人数に制限がある場合があり、さらに業務用として使用することで消耗部品の劣化が早まるおそれがあります。加えて、ガソリン代などの経費を仕事とプライベートで明確に分けて管理する必要があるため、その分手間がかかる点にも注意が必要です。
新車の車検有効期間に注意が必要
通常、自家用の軽乗用車を新車で購入した場合、最初の車検は新車登録から3年間有効です。しかし、購入時に黒ナンバーで登録すると、新車であっても最初の車検は2年後に設定されます。
これは、黒ナンバー車両が商用車として扱われるため、走行距離や使用頻度の高さを踏まえて、安全確認の間隔が短く設定されていることが理由です。以降の車検も2年ごとに受ける必要があります。
車検の回数が増えることで、維持費用や点検の手間が増加する可能性があるため、あらかじめその点を考慮しておきましょう。
黒ナンバーで軽貨物事業を始める6ステップ
- 開業届の提出
- 車両の準備
- 事業計画の策定
- 運輸支局への経営届出
- 事業用ナンバー(黒ナンバー)の取得
- 安全管理者の選任
それぞれの手順を理解し、スムーズに開業準備を進めましょう。
①開業届の提出
まず、所轄の税務署に開業届を提出します。開業届には、書類の提出日や納税地、本人情報や個人番号、屋号、職業、事業内容などを記載します。提出しておくことで青色申告による節税につながります。提出期限は事業開始から1ヶ月以内です。
②車両の準備
事業に使用する車両を1台以上用意します。貨物軽自動車運送事業に使用可能な車両は、軽トラック・軽バン・軽自動車・排気量125cc以上のバイクです。 使用する車両は以下の軽自動車規格を満たす必要があります。-
全長:3,400mm以下
- 全幅:1,480mm以下
- 全高:2,000mm以下
- 排気量:660cc以下
なお、車両の外側には氏名または事業者名を表示しなければなりません。
貨物軽自動車運送事業の開業において、任意保険の加入は必須ではありません。しかし、業務委託の条件として任意保険の加入を求められるケースが多く、自賠責保険だけでは補償が不十分であるため、任意保険への加入をおすすめします。
③事業計画の策定
後ほど運輸支局に提出する「経営届出書」に基づき、事前に以下の事業計画を策定しておきましょう。-
営業所
ドライバーを管理する場所です。自宅でも問題ありません。 - 事業用自動車
要件を満たした車両について記載します。 - 車庫
車庫は1車両あたり8㎡以上が目安です。営業所に併設、または営業所から2km以内の場所に確保します。 - 休憩施設
ドライバーが休憩や睡眠できる適切な場所を用意します。自宅でも問題ありません。 - 運送約款
国土交通省の標準運送約款に基づいて設定し、利用者がわかるよう営業所に掲示します。 - 管理体制
過積載や過労運転の防止、乗務前後の点呼、乗務員に対する監督など、適正な運営のための体制を整えます。 - 運賃・料金
不当でない料金を設定し、利用者がわかるよう営業所に掲示します。
④運輸支局への経営届出
管轄の運輸支局に、必要書類をそろえて届出を行います。
必要書類
主に必要となる書類は、次の4点です。-
貨物軽自動車運送事業経営届出書
開業届提出日や代表者の氏名、住所、事業用自動車の台数、車庫情報、休憩所情報などを記載します。 - 運賃料金表(運賃料金設定届出書)
運賃料金表には、設定した運賃料金の記載が必要です。料金は不当でない範囲内で自由に設定可能ですが、運輸支局が用意している記入例の標準料金を参考にすることもできます。 - 事業用自動車等連絡書
事業の種別、使用者情報、所属営業所、使用車両情報などを記載して提出します。交付されることで、運輸支局への届出が完了していることの証明となります。軽自動車検査協会に提出が必要となります。 - 車検証の写し(新車の場合は車台番号確認書面
届出の手順
直接窓口で手続きする場合は、書類一式を運輸支局へ提出し、不備がなければその場で完了します。
郵送で手続きする場合は、書類一式と返信用封筒、提出者の連絡先を記入した書類を管轄の運輸支局へ郵送します。返信用封筒には、返信先の住所や宛名を記載し、切手を貼っておく必要があります。
いずれの場合でも、届出手続きが完了すると「事業用自動車等連絡書」が交付されます。
⑤事業用ナンバー(黒ナンバー)の取得
運輸支局で発行された事業用自動車等連絡書を持参し、軽自動車検査協会で車検証とナンバープレートの発行を受けます。ナンバープレートは、黒地に黄色の文字で作られていることから「黒ナンバー」と呼ばれています。
必要書類
黒ナンバーの取得には、次の書類が必要です。なお、書類以外にも印鑑が必要な場合もあります。-
車検証原本
事業に使用する車両の車台番号を確認するために必要です。新車の場合は、完成検査証で問題ありません。 - 使用者の住所の証明書
個人の場合は住民票や印鑑証明書、法人の場合は商業登記簿謄本、登記事項証明書、印鑑証明書などを用意します。 - 黄色ナンバープレート
前後の2枚が必要です。 - 自動車検査証変更記録申請書
軽第2号様式に記入します。 - 事業用自動車等連絡書
運輸支局の受領印が押されたものを持参します。 -
申請依頼書
代理人が手続きをする場合にのみ必要となります。
⑥安全管理者の選任
2025年4月の法改正により、軽貨物事業者は「安全管理者」の選任と講習受講が義務化されました。選任後は、運輸支局への届出も必要です。
詳しくは以下の記事でご確認ください。
黒ナンバー取得に必要な費用の目安
黒ナンバーを取得して貨物軽自動車運送事業を始める際には、登録手続きだけでなく、いくつかの初期費用がかかります。高額な投資が必要になるわけではありませんが、事業用として最低限の設備や保険への加入が求められるため、あらかじめ予算を立てておくことが重要です。
まず、運輸支局に貨物軽自動車運送事業の届出を行う際の費用は、基本的に無料です。ただし、必要書類の準備には費用がかかります。
たとえば、個人の場合は住民票、法人の場合は商業登記簿謄本の取得手数料が必要です。また、黒ナンバーへの変更に伴い、ナンバープレートの交換費用として約1,500円がかかります。
事業開始に必要な初期費用の目安は、全体でおおよそ50万〜200万円程度といわれています。中でも最も大きな出費となるのが車両の購入費であり、新車・中古車によって価格は異なりますが、おおよそ50万〜150万円を想定しておくとよいでしょう。
さらに、自賠責保険や任意保険の加入も必須です。任意保険は自家用車に比べて2〜3割ほど高く設定されることが多く、年間10万円以上かかるケースもあります。そのほか、タイヤやオイルといった消耗品のメンテナンス費用も継続的に発生します。
これらの費用を踏まえたうえで、事業計画を立てることが黒ナンバー取得後のスムーズな運営につながります。
取得後に対応すべきこと
黒ナンバーを取得しただけでは、すぐに運送業務を開始できるわけではありません。事業を安全かつ効率的に進めていくためには、案件の確保や法令に基づく安全対策への対応が必要です。また、確定申告に向けた帳簿の準備や経費管理といった基本的な事務作業も欠かせません。
ここでは、継続的に仕事を得るための「案件の確保」と、2025年4月に施行される法改正により義務化された「安全対策」について、それぞれ概要を解説します。
案件の確保
黒ナンバーを取得しても、配送の案件を確保できなければ収入にはつながりません。そのため、安定的に荷物を運ぶ仕事を得ることが重要です。
多くの個人事業主は、大手宅配業者や通販会社と業務委託契約を結び、定期的な配達ルートを持つことで収益を安定させています。近年では、いわゆる「2024年問題」への対策として、軽貨物ドライバー向けのマッチングアプリも登場しており、スマートフォンから簡単に案件を探せるようになっています。
また、地域密着型の取り組みとして、地元の企業や店舗に営業をかけるのも効果的です。たとえば、飲食店のテイクアウト配達や中小企業の部品配送など、地域内には多様なニーズが存在します。
継続的に案件を確保するためには、顧客からの信頼を得ることが欠かせません。誠実な対応や丁寧な仕事を心がけ、リピートや紹介につなげていくことが大切です。
安全対策の実施
荷物の取り扱い数の増加に伴い、軽貨物ドライバーの労働時間も長期化する傾向にあります。ドライバーが過労状態で運転するケースも見られ、事故のリスクが深刻な課題となっています。
国土交通省によると、保有台数1万台あたりの事業用軽自動車による死亡及び重傷事故の件数は、2016年から2023年の間に約4割増加しています。こうした状況を受けて、貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化する制度改正が行われ、2025年4月より新たな義務が施行されました。
所定のタイミングで実施すべき安全対策
毎日ではなく、決められたタイミングで実施が求められる安全対策には、次のようなものがあります。- 貨物軽自動車安全管理者講習の受講
- 貨物軽自動車安全管理者の選任・届出
- 初任運転者等への指導及び適性診断の受診
- 健康状態の把握
- 運転者に対する指導及び監督
日常業務の中で実施すべき安全対策
日々の業務の中でも、実施が義務づけられている安全対策があります。以下に内容を整理して紹介します。
- 業務前後の点呼
- 運転者の勤務時間の遵守
- 異常気象時における措置
- 業務の記録
- 過積載の防止
- 貨物の適正な積載
- 事故の記録
- 国土交通大臣への事故報告
参照元:貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました|国土交通省
なお、貨物軽自動車運送事業者(黒ナンバー)に義務付けられた安全対策については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
安全対策業務を効率化する「車両管理システム」とは
ここまで説明してきたように、貨物軽自動車運送事業者(黒ナンバー)には、安全対策の実施が法律で義務付けられています。これに対応しない場合、安全運行に支障をきたすだけでなく、罰則を科される可能性もあるため、確実な業務遂行が求められます。
しかしながら、安全対策に関する業務は多岐にわたるため、徹底しようとすればするほど事業者の負担が増すのも事実です。こうした業務の効率化に役立つツールとして、近年注目を集めているのが「車両管理システム」です。
車両管理システムとは
車両管理システムとは、企業が業務において使用する車両を効率的に管理し、管理者や運転者にかかる業務負担を減らすことができるツールです。車両を法令に沿って適切に管理する上で必要となる様々な機能を搭載しています。
2017年の中型トラックに対するタコグラフ搭載義務化をきっかけに需要が一気に高まり、2016年から2022年の間で、車両管理システムを導入した車両台数は約3.7倍になりました。
安全運転管理者や運行管理者の車両管理に関する業務負担を軽減させるため、システムを導入する企業も増え、これから先も需要は伸びていくと言われています。
車両管理システムの主な機能
車両管理システムの主な機能としては、以下の8つが挙げられます。
①車両予約・管理機能
車両の予約や割り当てを管理し、複数の車両の使用予定や空き状況をリアルタイムで確認できます。また、予約の変更やキャンセルにも柔軟に対応できるため、業務の円滑な運営に役立ちます。
②アルコールチェック機能
運転前後のアルコールチェック結果を自動で記録・保存します。実施忘れを防ぐリマインダーや、アルコールが検知されると管理者へアラートが通知されるため、アルコールチェックの徹底と効率化に役立ちます。
③免許証等の有効期限管理機能
運転者の免許証や車検証の有効期限などを一元管理できます。有効期限が近づくと通知が届き、更新手続きを忘れることを防ぎ、常に法的要件を満たした運行が可能となります。期限が切れると車両の利用を制限できるサービスもあります。
④日報類のデジタル化機能
運転日報や点検記録などの書類をデジタル化し、ペーパーレスで管理することができます。これにより、日報の提出や車両の点検記録が自動的に保存され、必要に応じてすぐにアクセスできるようになります。項目のカスタマイズができるサービスを選べば、より自社に合った運用ができます。
⑤デジタルキー機能
車両の鍵をデジタル化し、スマートフォンで車両の施錠・解錠を行うことができる機能です。従来の物理的な鍵の受け渡しの手間が省けるうえに、鍵の紛失や盗難リスクを減らすことができます。また、車両ごとのデジタルキーの使用履歴を記録できるため、車両の使用状況や稼働率の管理にも寄与します。
⑥動態管理機能
車両の位置情報をリアルタイムで追跡し、運行中の車両を常に監視することができます。これにより、最適な運行ルートや車両の現在位置が確認でき、運行指示を効率よく行うことが可能になります。また、異常が発生した場合にはすぐに対応できる体制を整えることができます。
⑦稼働状況集計機能
車両予約やデジタルキーの履歴、動態管理による走行データなどから、車両の稼働状況を集計する機能です。車両台数の最適化による経費削減や、運行効率を向上させるための改善提案に活用できます。
⑧安全運転支援機能
居眠り運転や急加速、急ブレーキなどを自動で検知する「危険運転アラート」、ドライバーの運転傾向を分析する「運転診断」、危険があった場所を記録する「ヒヤリハットマップ」などがあります。運転者への適切な運転指導、交通事故のリスクが高い場所の情報共有に役立ちます。
このように、車両管理システムには、貨物軽自動車運送事業者の安全運行に役立つ、様々な機能が搭載されています。
車両管理システムの選び方
車両管理システムの導入を検討したいけれど、世の中には色んなシステムがあってどれがよいのか選べないという方は、以下の3ステップで考えるとよいでしょう。
ステップ1:システムの導入目的・解決したい課題を整理する
ステップ2:課題を解決できる機能を把握する
ステップ3:導入のしやすさ・導入前後のサポート体制を確認する
まずは車両管理や安全対策に関して自社の抱えている課題を整理し、車両管理システムの主な機能のうちどれを活用すれば解決できるのかを見極めましょう。
導入を検討する際には、費用対効果やサポート体制、導入しやすいデバイスであるかどうかも確認するようにしましょう。
自社に合ったシステムを選定するポイントについて知りたい方は、『車両管理システムの選び方』をダウンロードしてみてください。自社の抱える課題を整理するためのチェックシートも掲載しているのでぜひ活用してください。
車両管理システムのメリットや、おすすめのサービスについて詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
まとめ
黒ナンバーは、軽自動車で貨物運送を行い報酬を得る際に必要なナンバープレートで、副業や個人事業としての配送ビジネスを始める際に欠かせません。
税制優遇や取得のしやすさといったメリットがある一方で、保険料の増加や使用制限などのデメリットもあります。安全対策や経費管理を含め、適切な準備と法令順守のもとで活用しましょう。
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