スマホが車の鍵になる「デジタルキー」とは|仕組みや対応車種も紹介
近年は、スマートフォンを活用した便利なサービスが多数登場しています。車の鍵をスマートフォンで施錠・解錠することができる「デジタルキー」もその中のひとつです。
この記事をご覧になる方は、
- 車の鍵をスマートフォンで施錠・解錠する仕組みを知りたい
- デジタルキーの安全性が気になる
- デジタルキーに対応している自動車メーカーや車種を知りたい
- どのようなシーンで活用できるのかイメージしたい
などの関心をお持ちではないでしょうか。
そこで本記事では、デジタルキーの「仕組み」や「安全性」、「メリットと注意点」、「活用例」などについて詳しく解説します。各メーカーの対応車種も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
スマホが車の鍵になる!
鍵管理を効率化する 「デジタルキー」とは?
「デジタルキー」を活用すれば、スマートフォンで車の施錠・解錠が可能に。鍵の受け渡しが不要となり、持ち歩かずにすむため、紛失リスクも大幅に軽減できます。
後付け可能で取り付け工事不要のBqey(ビーキー)を例に、デジタルキーの仕組みや導入メリットをわかりやすく解説した資料をご用意しました。
【資料でわかること】
- 設置から利用開始までの流れ
- 業務効率化でどれだけ時間が短縮できるか
- 削減できるコストの具体例
デジタルキーに興味がある方は、ぜひこちらの資料をダウンロードしてください!
デジタルキーとは
デジタルキーとは、従来の物理的な鍵を使わず、スマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスを活用して車の施錠や解錠を行うシステムです。
デジタルキーの特長
デジタルキーは、車体そのものに機能が組み込まれている場合と、デバイスを設置することで後付けで使用できる場合があります。
どちらの場合であっても、スマートフォンにアプリをダウンロードし、アプリから操作するタイプが多いようです。
初めて使用する場合には、車体やデバイスとスマートフォンを結びつける設定が必要な場合がありますが、一度設定すればその後はすぐにアプリから操作できるようになります。
デジタルキーには、以下のような特長があります。
- スマートフォンで施錠・解錠ができる
- 合鍵を作らなくても必要なときすぐに鍵が入手でき、複数の利用者でシェアできる
- 利用時間などの制限設定によって一次的な鍵として利用できる
- 複製されにくく、万が一スマートフォンを紛失した場合でも、遠隔操作ですぐに鍵を使えないようにできる
クラウド上で鍵を管理することで他者によるアクセスを拒否でき、オーナーを識別することができるので、優れた防犯性能を発揮します。
また、スマートフォンに鍵の機能を付与する時間を設定できるので、設定時間が過ぎると鍵の機能が消失します。この特性は様々なサービスに活かすことができ、デジタルキー技術はMaaSやスマートシティを支える重要な要素として位置づけることができるでしょう。
スマートキーとの違い
スマートキーとは、鍵穴を必要とせず、車に近づくまたは触れるだけで操作できる鍵のことで、電子キーと呼ばれることもあります。
スマートキーを利用したシステムは、「スマートエントリー&スタートシステム」と呼ばれ、ドアの施錠・解錠だけでなく、エンジンの始動・停止などの操作も行うことができます。車種によって違いはありますが、基本的にスマートキーは所持した状態で車に近づくことで使用できるので、カバンやポケットから取り出す必要がありません。
一方、デジタルキーはスマートフォンで操作を行うため、物理的な鍵を持ち歩くことすら不要となります。
デジタルキーの誕生によって、スマートフォンひとつでカーシェアやモビリティサービスを簡単に利用することができるようになりました。デジタルキーは、便利で安全な次世代の鍵として注目されています。
デジタルキーの仕組み
デジタルキーは、車や車内に設置したデバイスとスマートフォンを通信させることで、鍵の施錠や解錠を行いますが、その通信の仕組みはいくつかあり、提供元によって異なります。
ここでは主な仕組みを3つ紹介します。
①NFC(近距離無線通信規格)を使った仕組み
NFC(Near Field Communication)とは、近距離無線通信規格の一つです。簡単に言い換えると、NFCが搭載された機器同士をかざすことで周辺機器と通信できる技術のことです。
身近なところでは、交通系ICカード(Suicaなど)で使われています。交通系ICカードは改札にカードをかざすだけで、チャージしたお金が自動的に引き落とされます。
また、一部のクレジットカードにもNFCが搭載されており、決済端末にかざすだけで支払いができます。
このNFCの技術は、デジタルキーでも活用されています。例えば、2020年7月から導入された「BMWデジタルキー」では、iPhoneのNFCを使用しています。この仕組みによって、ドアノブにiPhoneを近づけると、施錠・解錠ができます。
②Bluetoothを使った仕組み
Bluetoothは既にご存知の方も多いかもしれません。極超短波である2.4GHz帯域を使い、近距離のデジタルデバイス同士をワイヤレスで接続することができます。スマートフォンに標準的に搭載されており、世界標準規格であるため汎用性も高いです。
Bluetoothが使われている身近な例では、ワイヤレスイヤホンが挙げられます。スマートフォンとイヤホンを事前にペアリングすることで、コードなしでイヤホンから音楽を聞いたり通話したりすることができます。
Bluetoothを活用したデジタルキーとしては、社用車管理においてデジタルキー機能を搭載している「Bqey(ビーキー)」やトヨタが提供するデジタルキーがあります。
Bqeyでデジタルキー機能を活用することによるメリットや事例を『デジタルキーが変える社用車管理』にわかりやすくまとめています。ぜひご覧ください。
③インターネットを使った仕組み
インターネットを活用したデジタルキーもあります。Hondaが提供するデジタルキーは一部の車種に対してインターネットを使っているようです。インターネットの場合は、スマホが圏外になると使用できないので、注意が必要です。
デジタルキーの導入方法
デジタルキーを導入する方法には大きく2つあります。
1つは、最初からデジタルキーに対応した車を購入する方法です。もう1つは、すでに所有している車に、後付け可能なデジタルキー専用デバイスを設置する方法です。ここでは、これら2つの導入方法について詳しく説明します。
デジタルキー対応の車を購入する方法
まずは、デジタルキー対応の車を購入する場合の導入方法を紹介します。
①デジタルキー対応車種を確認の上、車を購入する
まずは、デジタルキーに対応した車を購入します。国内に流通している主な対応車種はこちらから確認してください。
自動車メーカーによっては、新車購入時のみデジタルキーの利用申込を受け付けていることがあるため、注意してください。
②各種申込・手続き
自動車メーカーの会員サービスへの申込やアカウント登録、デジタルキーの利用申込などを行います。会員サービスのアカウントとデジタルキーの連携作業が必要な場合もあります。
③アプリをインストール
iPhoneの場合はApp Store、Androidの場合はGoogle Playからデジタルキーアプリをインストールします。
④利用開始
アプリにログインして初期設定を済ませたら、デジタルキーを利用することができるようになります。
後付け可能なデジタルキーを導入する方法
後付け可能なデジタルキーのメリットは、新車購入時でなくても申込が可能である点です。
①対応可否を確認する
年式や車種などの情報をデジタルキーの提供先に連絡し、対応の可否を確認します。外車や古い車の場合、後付けのデジタルキーであっても対応できないことがあります。
②各種申込・手続き
デバイスの申し込みを行う際には、取り付けを希望する車両の情報を提供する必要があります。デバイスによっては製造や入荷に時間がかかる場合があるため、使用を開始したい時期が決まっている場合は、早めに手続きを行いましょう。
これ以降の流れは、対応車種を購入する場合とほぼ同じです。アプリをインストールし、初期設定を行えば利用を開始できます。
デジタルキーの安全性
スマートフォンで施錠・解錠を行うことに不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。ここでは、デジタルキーのセキュリティ対策と安全性について解説します。
①通信の暗号化
デジタルキーが付与されたスマートフォンと車両やデバイス間で行われる通信は暗号化されており、不正アクセスから守られています。メーカーによっては、車の盗難手口としてよく知られるリレー攻撃やリプレイ攻撃への対策も取られています。
②ソフトウェアの定期的なアップデート
デジタルキーアプリのソフトウェアを定期的にアップデートし、セキュリティの脆弱性を修正することができます。
③有効期限や権限の設定
デジタルキーは、有効期限を設定し、必要な人だけに権限を付与することが可能です。利用期間や対象者を限定することで、デジタルキーの利用状況の把握・管理が容易となります。
また、紛失してしまったスマートフォンの権限を遠隔操作で取り消すことで、第三者に悪用されるリスクを低減します。
これらの対策を組み合わせることで、デジタルキーの安全性は確保されているのです。
メリットと注意点
ここからは、デジタルキーを導入することで得られるメリットと、逆に注意しなければならないポイントを解説します。
メリット
デジタルキーのメリットは主に4つ挙げられます。
- 複数人で鍵を共有できる
- 対面での鍵の受け渡しが不要
- 鍵を使える人や時間をコントロールできる
- 鍵をなくすリスクがない
スマートフォンのアプリを操作するだけで、相手に鍵を渡すことができるため、合鍵を作る必要がなくなります。また、相手と直接会えなくても鍵の貸し借りが可能になります。
スマートフォンに与える鍵の権限をコントロールすることで、乗ろうと思ったら手違いですでに他の人が使ってしまっていた・・・というような困りごとも解消できます。
さらに、物理的な鍵を使わずに施錠・解錠ができるため、鍵の紛失リスク低減にもつながります。
注意点
デジタルキーの活用によりさまざまなメリットが得られる一方で、以下のような注意点もあります。
- スマートフォンの充電が切れると使えない
- システムメンテナンスなどによって一時的にサービスが停止している場合は使えない
- 電波状態(強いノイズや電波が発生する)によっては正常に動作しないことがある
- スマートフォンが金属製のものに覆われていたり接していたりすると動作しないことがある
スマートフォンの充電切れに関しては、デジタルキーに限らず、スマートフォンを活用したサービスに共通することではありますが、対策としてモバイルバッテリーや車内で充電するための充電コードを常備しておくようにしましょう。
最近は車にもUSBポートがついていたり、シガーソケットから充電できたりするため、スマートフォンの電池残量が低下してきたらすぐに充電するよう心がけましょう。
各メーカーの対応車種一覧
自動車メーカー |
サービス名 | 対応車種 |
トヨタ自動車㈱ | T-Connect |
クラウン、プリウス、カローラ クロスなど |
レクサス(トヨタ自動車㈱) | G-Link |
GX、RX、RZなど |
本田技研工業㈱ | Honda デジタルキー |
Honda e、シビック、ステップワゴン、N-BOXなど |
ビー・エム・ダブリュー㈱ | BMWデジタル・キー/BMWデジタル・キー・プラス |
My BMWアプリにて確認可能 ※My BMWアプリは2014年以降の全モデルと互換性あり |
※2024年6月現在
※㈱SUBARUのソルテラでは、トヨタのT-Connectサービスと連携しており、デジタルキーの利用が可能です
ここで紹介したものは、自動車メーカーが自社サービスのひとつとして開発・導入したデジタルキーです。
なお、デジタルキーは後付けで利用できるサービスもあります。
それらのサービスでは、上記の対応車種以外でも、専用デバイスを取り付けることでデジタルキーの利用が可能となります。
日常生活における活用例
デジタルキーを活用した場合、日常生活の中でどのような利便性があるのでしょうか。イメージしやすいように、具体例を用いて紹介します。
鍵を探す手間が解消
スマートフォンは、服のポケットなどすぐに取り出せる場所に入れているけれど、車の鍵は頻繁に使わないため、カバンの奥の方にしまっているという方も多いと思います。
荷物が多いときなどに、カバンの中から鍵を探し出すのは意外と手間がかかります。
デジタルキーなら、ポケットからスマートフォンを取り出してアプリで簡単に操作できるため、鍵を探す手間が解消できます。
外出先での鍵の貸し借りが簡単に
家族や友人などと車で出かけたところ、急に体調不良になってしまった・・・
先に車に戻って休みたいけれど、ドライバーしか鍵を持っていないし、離れたところにいて合流するのも時間がかかりそう・・・
そんな時も、デジタルキーがあれば簡単に鍵の権限を付与できるため、鍵の持ち主と一緒にいなくても車を解錠することが可能になります。
ビジネスにおける活用例
デジタルキーは、日常生活の他に、ビジネスにおいても利便性の向上が期待できます。
レンタカー・カーシェア
従来のレンタカー・カーシェアサービスでは、鍵の受け渡しをする際に人手が必要でした。しかし、デジタルキーを利用することで、物理的な鍵の受け渡しが不要となるため、人件費を削減することが可能になりました。利用者にとっても、受付に寄る必要がなくなることは時間短縮になり、大きなメリットです。
また、物理的な鍵を持たないため、利用者が鍵を紛失するというリスクもなくなります。デジタルキーの導入は、レンタカー・カーシェアサービスにおいて重要な進化だと言えるでしょう。
社用車の利便性向上と管理の効率化
ビジネスにおいて、営業回りや商品の配送などのために、社用車を利用している企業は多いでしょう。
従業員が社用車を利用する際の利便性向上や、管理者の業務効率化にもデジタルキーが役立ちます。
具体的には、以下のような効果が期待できます。
- 利用者が鍵の受け渡しのためだけに管理部署へ行かなければいけないという面倒がなくなる
- 車両予約と鍵の権限を紐づけることで、車両の予約・管理を徹底できる
- アルコールチェックで基準値を超えた場合にはデジタルキーを利用できないように設定することで、飲酒運転防止を徹底できる
- 鍵をなくすリスクを低減し、合鍵を作る手間から解放される
- 土日などの休日はデジタルキーを利用できないように設定することで、社用車の私的利用を防止できる
- デジタルキーの操作ログを自動集計し、車の稼働状況を正確に把握することで、車両台数を最適化できる
しかしながら、デジタルキーに対応した社用車管理システムはまだあまり市場に出回っていません。その中で、数少ないデジタルキー機能を搭載した社用車管理システムとして注目されているのが、弊社が提供する「Bqey(ビーキー)」です。
「Bqey」でできることや導入事例をサービス紹介資料に掲載しています。ぜひご覧ください。
また、デジタルキー活用方法についてわかりやすく説明した動画もご用意しました。ぜひご覧ください。
【Bqey】デジタルキーが変える社用車管理 Full ver.(約5分)
【Bqey】デジタルキーが変える社用車管理 Short ver.(約1分)
デジタルキーは車両工事が必要な場合も多いですが、「Bqey」は「QEY box」というデバイスを車内に置くだけですぐに使用できるので、車への初期工事が不要です。
スイッチ式の鍵の車であれば、ほとんどの車種に対応しています(具体的な車種はお問合せください)。
また、社用車管理システム(車両管理システム)については、以下の記事で詳しく紹介しています。各社の機能なども比較できるようにまとめていますので、合わせてご覧ください。
デジタルキーの導入事例
最後に、デジタルキー機能に魅力を感じて「Bqey」を導入いただいた企業の事例を紹介します。
株式会社文創様の事例
株式会社文創は、愛知県名古屋市中村区京田町に本社を構え、下地処理工事、内装仕上工事、壁紙、床仕上工事、クロス、シートなどの内装工事全般を手がける企業です。
また店舗や病院などの施設、ハウスメーカー、イベント会場の演出など、多岐にわたる分野で内装の企画から施工まで幅広く請け負っています。
同社では営業活動や現地調査、荷物運搬といった用途で30台の社用車を保有していますが、管理と鍵の受け渡しに課題がありBqey(ビーキー)を導入しました。
- 抱えていた課題
・社用車の鍵を手渡しする必要があり、早朝や深夜などには貸出がスムーズに行えなかった
・社用車の貸出票の確認や、予定時間になっても返却されない場合の督促に手間がかかっていた
- Bqeyを導入した理由
・鍵を手渡しする必要がなくなるため
・社用車の貸出をシステムで自動管理できるため
・直感的な操作で誰でも簡単に利用できるため
- Bqeyを導入して感じたメリット
・鍵を手渡しからデジタルキーに変えることで、利用者のスケジュールに合わせて管理者の勤務時間外でも社用車を利用できるようになった
・貸出票や社用車の未返却についての確認が不要になり、管理工数を削減できた
まとめ
車の鍵をスマートフォンで操作するシステムは「デジタルキー」と呼ばれ、国内外の自動車メーカーがサービスを提供しています。
通信の仕組みはサービスによって異なりますが、NFCやBluetooth、インターネットなどが使用されています。
デジタルキーはセキュリティ面も重視されており、通信の暗号化やソフトウェアのアップデートなどの対策がなされています。利便性が高い一方で、スマートフォンの充電切れや電波状況が悪い環境では使用できないという注意点もあります。
利用するためには、あらかじめ車体工事が施されたデジタルキー対応車を購入する必要がありますが、後付け可能なデバイスも存在します。また、個人所有の車だけでなく、社用車の利用・管理に特化したサービスも提供されています。
車の鍵の受け渡しや紛失リスクに悩んでいる方は、デジタルキーを検討してみるのもよいかもしれません。
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