テレマティクスとは?メリットや活用例、おすすめのサービスも紹介
テレマティクスとは、通信システムを活用して自動車などにリアルタイムで情報サービスを提供する技術の総称です。「自動車のIoT」ともいわれていますが、具体的なイメージが湧かない方も少なくないでしょう。
本記事では、テレマティクスの概要を踏まえ、そのメリットや注意点、具体的な活用例などをわかりやすく解説します。
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テレマティクスとは
テレマティクス(Telematics)とは、電気通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)とを組み合わせた造語であり、インターネットを利用して、自動車などの乗り物にリアルタイムで情報サービスを提供することを指します。
「自動車のIoT」とも呼ばれ、車両の位置情報や走行データを遠隔でリアルタイムに取得・管理することが可能です。また、逆にドライバーに対して道路情報などを提供することもできます。
テレマティクスの由来
1986年に本田技研工業がF1界で初めて導入した「テレメトリーシステム(走行中のマシンのデータをピットでモニタリングできるシステム)」が原点ともいわれるテレマティクスは、1990年代後半に入ると一般車にも活用されるようになりました。
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)により、リアルタイムで車両の位置情報を確認できるカーナビが開発され、さらに渋滞や規制などの道路情報を提供する高度交通情報サービス「ATIS(Advanced Traffic Information Service)」や「VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)」もこの時期に誕生しました。
現在では、異常事態に備えた車両緊急通報システム(eCallシステム)やセキュリティシステム、遠隔で車両やコンテナの位置情報を取得できる追跡システム、有料道路料金の自動支払いを可能にするETC(Electronic Toll Collection System:電子料金収受システム)など、テレマティクスを活用した多くのサービスが登場しています。
テレマティクスの仕組み
車両に搭載された「テレマティクス制御ユニット(TCU:Telematics Control Unit)」が、外部ネットワークに接続することで、車両と外部との間で双方向の情報通信を行う仕組みです。
提供されている具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。
- 自動緊急通報
エアバッグと連動して、事故時に自動で緊急通報します - 車両盗難追跡
盗難された車両の位置をリアルタイムで追跡します - 交通情報・天気情報
カーナビなどにリアルタイムで最新の交通情報や天気情報を提供します - 位置情報管理
車両の現在位置や走行履歴などのデータを遠隔で管理します
テレマティクスと混同しやすい用語
テレマティクスと関連性が高く、混同されやすい用語としては「コネクテッドカー(Connected Car)」や「ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)」が挙げられます。
コネクテッドカー
コネクテッドカーとは、常にインターネットに接続された(Connected)自動車(Car)のことを指します。自動車に搭載されたセンサーが車内外のデータを収集し、インターネットを介して情報センターと通信することで、運行に役立つ情報を取得することが可能となります。
一方、テレマティクスは「車両に搭載された通信システムを活用してサービスを提供する」という概念や仕組みそのものを指します。つまりコネクテッドカーは、テレマティクスを実現するための具体的な手段と位置づけられます。
ITS(高度道路交通システム)
ITSとは、人、車両、道路の間で情報をやり取りし、交通事故や渋滞などの道路交通問題を解決するためのシステムです。VICSやETCもITSの一部と位置づけられています。
テレマティクスと同様に、交通の安全性や効率を向上させる重要な技術ですが、テレマティクスが個々の車両の利用に焦点を当てているのに対し、ITSは道路交通全体の問題解決を目指している点が異なります。
テレマティクスの4つのメリット
ここでは、企業が社用車の利用・管理にテレマティクス技術を活用することで得られる4つのメリットを紹介します。
①車両やドライバーを一括管理できる
すべての車両やドライバーの状況を、PCやスマートフォンなどにより遠隔で一括管理できるようになります。車両の位置情報をリアルタイムで確認できるため、トラックや営業車が「今どこにいるのか」「目的地まであとどのくらいかかるのか」といったことを把握できるようになります。
さらに走行距離や走行時間、速度などのデータも確認・管理できるので、必要な整備や労働時間の管理なども適切に行えるようになります。
②業務効率化につながる
車両・道路情報などをリアルタイムで把握できるようになることで、最適な走行ルートの選定や効率的な配車が可能になります。
これにより乗務時間の短縮が実現するほか、運転日報自動生成が可能なサービスを利用すれば、事務作業の負担も軽減されます。
管理者側でもこれらのデータを簡単に集計・分析できるため、企業全体での業務効率化を図ることができます。
③安全性が向上する
テレマティクスを活用したサービスには、加速度センサーやAIを用いて、急停止や急発進、速度超過といった危険運転や、わき見運転、居眠り運転を検知してアラートを発するものがあります。
この機能ではドライバーだけでなく管理者にも通知されるため、ドライバーが危険運転を即座に修正できるだけでなく、管理者が適切な安全運転教育を行うための有効な手段となります。
これらの機能は法令遵守に貢献し、運転中の安全性向上において非常に有用です。
④ムダをなくしてコスト削減できる
車両の稼働状況をリアルタイムで把握することで、稼働率の低い車両や余剰車両を特定することができます。
これにより、車両の台数を減らすことで、リース料やメンテナンス費用を削減することが可能です。
さらに、走行ルートを最適化することで、ムダな走行が減り、燃料費を削減することができます。
導入する際の注意点
一方、テレマティクスサービスを導入する際には注意すべき点もあります。
コストがかかる
導入には、初期費用や月額費用などのコストがかかります。初期費用は1台あたり1万円から3万円程度が相場です。さらに、月々の通信費やシステム利用料も発生します。
「ムダをなくしてコスト削減ができる」というメリットがある一方で、運用にはそれ相応のコストがかかることに注意する必要があります。
監視されることへの抵抗感
企業にとって「車両やドライバーを一括管理できる」ことは大きなメリットですが、従業員(ドライバー)側からすると、常に監視されているという印象を受けることがあり、人によっては強い抵抗感を抱く可能性もあります。
そのため、システム導入時には、何をどこまで管理するのか、目的は何なのかを丁寧にドライバーに説明し、理解を得ることが重要です。
プライバシーへの配慮
テレマティクスサービスで収集されるデータには、従業員の行動ルートや現在地などプライベートな情報が含まれており、これらの取り扱いには十分な注意が必要です。
たとえば、休憩時間や営業時間外では位置情報データを取得しないといった取り決めを設けるなど、従業員が安心して社用車を利用できるように、プライバシーに配慮することを約束しましょう。
テレマティクスの活用例
テレマティクスを活用した身近な例を4つ紹介します。
カーナビ・ドラレコ
カーナビやドライブレコーダー(ドラレコ)は、最も身近なテレマティクスの活用例です。
カーナビはVICSと連携することで、リアルタイムで渋滞情報や道路状況を取得できます。また、最近ではGPSを搭載した通信型ドライブレコーダーも登場しています。
これにより、運転中の映像を記録して事故やトラブル時の証拠となるだけでなく、位置情報の確認や緊急時に外部と通信できる機能、さらには危険運転を警告する機能なども利用できるようになりました。
自動車保険
近年のテレマティクスの活用例として、自動車保険サービスが挙げられます。車両から得られた走行距離や運転情報をもとに保険料を算定するもので、「テレマティクス保険」と呼ばれます。
テレマティクス保険には、走行距離に応じて保険料が決定される「走行距離連動型」と、運転行動の安全性の評価によって保険料が決定される「運転行動連動型」の2種類があります。
コネクテッドカー
テレマティクス技術を活用したコネクテッドカーは、現在国内外の多くの自動車メーカーで提供されています。
たとえば、トヨタ自動車の「T-Connect」では、事故が起きた際にオペレーターが状況を判断して警察や消防に連絡してくれます。また、窓や鍵を閉め忘れたまま車から離れてしまっても、遠隔でロックできます。
車両管理システム
テレマティクスで収集した様々な情報は、車両管理に応用することで管理業務の効率化やコスト削減といったメリットをもたらします。
このサービスは「車両管理システム」と呼ばれ、タクシーやバス、配送トラック、営業車などを業務で利用する企業で注目されています。
テレマティクスサービスのひとつ「車両管理システム」とは
ここからは「車両管理システム」について詳しく解説します。車両管理システムとは、社用車など業務において使用する車両を効率的に管理し、管理者やドライバーにかかる業務負担を減らすことができるツールです。
具体的には、1台の車を複数人で使う場合の予約管理ができるシステム、運転日報や日常点検などの書類をデータで管理できるシステム、アルコールチェック義務化の対応をまるごと行うことができるシステム、スマホで車の施錠・解錠ができる(デジタルキー)システム、走行距離を計測して最適なルートを教えてくれるシステムなどがあります。
2017年の中型トラックに対するタコグラフ搭載義務化をきっかけに需要が一気に高まり、2016年から2022年の間で、車両管理システムを導入した車両台数は約3.7倍になりました。
2022年4月から白ナンバーに対するアルコールチェックが義務化され、業務量が増加したこともあり、車両管理に関する業務負担を軽減させるためにシステムを導入する企業も増え、これから先も需要は伸びていくと言われています。
テレマティクス×車両管理システムに特徴的な5つの機能
車両管理システムは、もともと様々な機能を搭載していますが、その中でもテレマティクスを取り入れたシステムに特有の機能としては、主に以下の5つが挙げられます。
- 位置情報の把握
- 走行ルートの最適化
- 運転傾向分析
- 危険運転アラート
- 日報類の自動生成
車両管理システムのメリット
車両管理システムを導入すると、管理者とドライバー双方にとって大きなメリットがあります。
管理者のメリット
管理者にとってのメリットは以下の4つが挙げられます。
- 管理工数の削減
車両管理システムを用いると、予約や鍵の受け渡し、アルコールチェックにかかる時間を短縮したり、記録類をペーパーレス化して一元管理することで、抜け漏れを防止したりすることができ、工数削減につながります。 - 生産性向上
日報類のデジタル化や自動作成等のドライバーの負担を軽減する機能を備えたシステムを導入すると、ドライバーは本来の業務に集中できる時間が増えるので、生産性の向上が見込まれます。 - 経費削減
デジタルキー機能や動態管理機能、車両稼働状況集計機能などを活用することで、車両の正確な稼働状況を把握し、車両台数の最適化を行うことができます。 - コンプライアンス遵守
飲酒運転や交通事故のない安全な社会にするため、企業にはアルコールチェックや車検の徹底、安全運転教育の実施等が求められています。こうした社用車に関する適切な運用体制も構築できるようになります。
ドライバーのメリット
ドライバーにとってのメリットは以下の4つが挙げられます。
- 利便性の向上
車両管理システムなら外出先からでも簡単に車両の空き状況が確認でき、その場で予約が完了できるため、利便性が向上します。また、外出先でアルコールチェックを行う場合も、測定結果が自動でクラウド上に保存されるため、管理者にメールやチャットで提出する手間を解消できます。 - 管理者とやり取りする手間を削減
車両管理システムを活用するとシステム上で完結する業務が増え、鍵の受け渡しや日報類の提出など、管理者とのやり取りの負担や手間を軽減することができます。 - 長時間労働の解消
ドライバーにとって負担になりがちな日報類の作成を自動化したり、ペーパーレス化したりでき、日報作成にかかる手間や時間を削減できます。また、効率的な走行ルートを提案してくれる機能を活用すれば、移動時間の短縮につながり、長時間労働の解消に役立ちます。 - 働きやすさの向上
デジタルキー機能や日報類のデジタル化機能が搭載されたシステムを導入すれば、鍵の受け渡しや日報類の対面での提出が不要になるため、直行直帰やテレワークなどの選択肢が広がり、働きやすさの向上をもたらします。
このように、車両管理システムには多様な機能が搭載されており、それらを活用することで企業は多くのメリットを得ることができます。車両管理の運用方法に課題を感じている場合は、導入を検討してみてもよいでしょう。
位置情報の把握や安全運転支援を実現したい場合は、テレマティクスを搭載したシステムを選ぶようにしましょう。
なお、車両管理システムについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
テレマティクスは、自動車と通信技術とを組み合わせ、さまざまな情報サービスを提供する技術です。
身近な例としては、カーナビやドライブレコーダー、自動車保険、ETCなどに活用されており、位置情報や走行データのリアルタイム管理、安全運転支援、利便性向上といった多くのメリットをもたらします。
さらに、テレマティクス技術を車両管理システムに応用することで、企業におけるコスト削減や安全性向上に大きく貢献します。テレマティクスは、より安全で効率的な移動社会の実現に向けて、今後ますます重要な役割を果たすでしょう。
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