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2022.06.06

自動車の鍵の歴史

~誕生から、スマホ対応の最新デジタルキーまで~

私たちの移動手段としてなくてはならない自動車。いつの時代も自動車はオーナーにとって大切な存在です。そんな自動車を守る「鍵」は、自動車誕生当時から現在に至るまで大きく進化してきました。

原始的な構造から始まった自動車の鍵も、近年ではスマートフォンに対応した「デジタルキー」にまで発展し、大切な自動車をより安全に守ることができるようになっています。

そこでこの記事では、自動車の鍵の歴史と、最新のデジタルキーについて紹介します。

自動車の誕生

ガソリン自動車が誕生したのは、今から100年以上も前である1885年(当日本は明治時代)です。ドイツ人のゴットリープ・ダイムラーは4ストロークエンジンを開発し、1885年に木製の二輪車にエンジンを載せて試走に成功、翌1886年には四輪車を開発しました。

当時、自動車を購入できるのは一部の富裕層のみで、自動車の運転も一般的ではなかったため、鍵は搭載されていない状況でした。そのためセキュリティに関する問題は深刻で、オーナーはハンドルを完全に取り外す行為でマイカーを盗難などから守っていました。

自動車の鍵の歴史

自動車の鍵の起源は1910年頃から始まり、そこから自動車の鍵を用いた盗難を防止する歴史が始まったとも言えます。

自動車の鍵は、どのように誕生し、どのように進化していったのでしょうか。徐々に性能が向上していった鍵の歴史について触れていきます。

1940年代以前、鍵でエンジンが始動しない!?

自動車の鍵は1940年代まではドアを施錠・解錠することが役割となっており、エンジン始動はクランク式(※1)で行う事が主流でした。

この場合、車をスタートさせるためには片面がギザギザした形状の鍵 でドアの解錠を行い、運転席のスイッチをオンにします。その後外に出て車のフロント部にクランク棒を差し込み手動で回してアイドリングするというかなり手間のかかる作業が必要でした。

※1 クランク式:クランク棒(上図車体中央下部に出ている棒)を用いてエンジンを始動する事

【参考動画】

動画のサムネイル

しかし1949年に、キーを回すだけでエンジン始動ができる「キースタート式イグニッション(※2)スイッチ」が登場し、キーを回すだけで発進できる、革新的な技術が搭載されました。

※2 イグニッション:正式には「IG(イグニッション)電源」車のエンジンをかけるために使用される電源。本記事では運転席の車の鍵を差し込む部位を示す。

イグニッションスイッチが主流となった頃、自動車の鍵の形状は、片側がギザギザにカットされたタイプが主流でした。 その為オーナーがエンジンを始動しようとイグニッションに鍵を差し込んでも、鍵の向きが合わず不要な手探りが増えることが多く見受けられました。

1960年代、鍵の形状の進化

そのようなユーザーの声から1965年に誕生したのが、両面キーです。 

片側だけではなく、両面をギザギザにカットした形状により、向きを確認する事無く挿入できる事で片側と比較すると格段と便利になったのです。その後自動車の鍵はこの形状が主流となりました。

しかし鍵の形状が容易に複製することができる為、ピッキングで自動車が盗まれる事態が多発しました。

1980年代、盗難防止システムが誕生

そこでゼネラルモーターズ(GM)は1980年代当時、盗難のメインターゲットとなっていたシボレーコルベットに車両アンチ盗難システム(VATS: Vehicle Anti Theft System) を導入しました。これは、鍵を差し込んで回すと抵抗器に電流が流れる仕組みとなっており、抵抗器による電圧降下の測定結果と、メモリ上に記憶された設定値が一致しなければエンジンかからない為、それまで多発していた盗難被害を大幅に減らす一助となりました。

電子システムを利用する事によって合鍵やピッキングの脅威を大幅に軽減する事が証明できたため、自動車の鍵は更なる進化を遂げます。

1990年代、どんどん進化する車のセキュリティ

1990年代イモビライザーシステムが開発されました。これはキー側のIDコードと車両側のIDコードが一致しないとエンジンがかからない仕組みで、ICチップによって防犯性能が向上されています。

この技術は東海理化が国内で初めて開発した自動車の電子キー("スマートキー"や"インテリジェンスキー"とも呼ばれる)にも導入されています。

スマホが鍵になる!?最先端技術のデジタルキー

2016年11月、トヨタ自動車はカーシェアをスマートフォンで容易に行えるようにするデバイス「スマートキーボックス(SKB)」を発表し、「チョクノリ!」や「トヨタシェア」のサービスに導入されました。これが国内のモビリティ分野における初めてデジタルキーが導入された事例であり、東海理化はSKBのデジタルキー技術に大きく貢献しました。

デジタルキーは、クラウド上に鍵を保管する技術によって、高い防犯性能や機能性を実現できることが特長となっており、スマートフォンアプリ内に搭載・保存されているデジタルデータを用いて、利用者(オーナー)を識別できます。そのため、他者によるアクセスを拒否できることにより高い防犯性能を発揮できるのです。

東海理化のデジタルキー技術

東海理化は、1948年創業以来、約70年に渡り自動車メーカーの鍵をトップシェアで開発し続けてきました。

その東海理化が大日本印刷と共同で開発している「TOKAI RIKA DigitalkeyⓇ」は、2004年から開発に取り組んでおり、自動車はもちろん、車以外のモビリティ、オフィスなどのドアや宅配ロッカー、EV充電設備など、生活で利用するさまざまな鍵のデジタル化を促進しています。

将来的には、さまざまな物や場所をデジタルキーで繋ぎ、物理的な鍵がなくても安心・安全で便利な、未来のスマートシティを支えるサービスの構築を目指します。デジタルキーの促進により生活の利便性が向上するだけでなく、事業者の人員削減なども期待できます。

まとめ

自動車の誕生当初から現代に至るまで、自動車だけではなく鍵自体も進化を遂げてきました。

かつては盗難防止性能が低く、多くのオーナーの悩みの種となっていた鍵、現在はデジタルキーなどの高度な技術によって盗難被害を回避する優れたツールに進化しているのです。

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