お役立ち情報
  1. Home
  2. お役立ち情報
  3. 日本企業はなぜDXが進まない?中小企業が抱える課題と解決策を徹底解説!
2022.12.28

日本企業はなぜDXが進まない?中小企業が抱える課題と解決策を徹底解説!

国内の中小企業では、いまだにDXが遅々として進まない現状にあります。日本は先進国でありながら、DX後進国と言われるほどDX化は進んでいません。
そこで今回は、中小企業でDX化を進められない原因や抱えている課題、それらを解決する方法について解説します。

DXとは

昨今、ビジネスシーンで頻繁に耳にするようになった「DX」は「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。直訳すると「デジタルを用いた変容」となります。

経済産業省の「DX推進ガイドライン」によると、DXは次のように説明されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
引用:DX推進ガイドライン

このことから、DXはデジタル技術を活用して、我々の生活やビジネスシーンをより良い方向に変えることと定義付けられています。

参考:経済産業省|「DX 推進指標」とそのガイダンス

 

DX化が推奨されている理由とは?2025年の壁

現在、国を挙げてDX化が推し進められていますが、DXを推進することで得られる最大のメリットに「生産性の向上」が挙げられます。作業効率の向上、作業時間の短縮、人件費の削減、ヒューマンエラーの回避など、様々なメリットがあります。

対してDX化を推進しない場合、その企業は淘汰される可能性があります。その理由として挙げられるのが「2025年の崖」です。

「2025年の崖」とは、経済産業省がまとめた「DXレポート」の中で使われている言葉です。そこでは、「日本がこのままDX化を推進できない場合、最大で年間12兆円の損失を生むことになる」と警告されています。

2025年の崖を引き起こす原因には次のような理由が挙げられます。

経営陣がDXについて理解していない

DXという言葉だけは知っているものの、具体的に何をすればいいのか分からない、もしくは現在問題がないからという理由で、DX化に取り組もうとしない経営陣も少なくありません。

DX化についての理解がない経営陣から曖昧な指示を下されても、ビジネスで良い変容がもたらされる可能性は少ないといえます。DX化で自社をどのように変えたいのか、経営陣に明確なビジョンがなければ成功には繋がりません。

 

「レガシーシステム」のブラックボックス化

レガシーシステムのブラックボックス化は、2025年の崖を引き起こす最大の原因とも言われています。
レガシーシステムとは、企業が1980年代に導入したメインフレームやオフィスコンピューターなどを使ったシステムのことを言います。

レガシーシステムは改修に改修を重ねているため、内部がブラックボックス化しています。メンテナンスを担当しているベンダーのエンジニアしか理解できない状態にあります。
これまではエンジニアがメンテナンスを担当していたため問題なかったかもしれません。しかし、2025年にはエンジニアが大量に退職してしまうため、レガシーシステムをメンテナンスできる人がいなくなってしまいます。

エンジニアが不在のままでは、レガシーシステムを刷新することもできません。
問題ないからとレガシーシステムを使い続けていると、技術的に性能の限界を迎えてしまうでしょう。他のシステムとの連携もできなくなり、市場で取り残されてしまいます。

IT人材やエンジニアの不足

DX化を進めるには、IT人材やエンジニアが必要不可欠です。しかし、2025年にはエンジニアが大量に退職し、先端IT技術を知る人・レガシーシステムを知る人の双方の人材不足を引き起こしてしまいます。
そのため各企業が人材を確保するために動くことで人材不足が加速すると考えられています。
対策として自社で新人教育をしようという動きも見られるでしょう。ですが、社内にノウハウがなければそれもできません。
その結果、DX推進に適している人材が枯渇するといった状況が生まれてしまいます。

DX推進の現状

IMD(国際経営開発研究所)が発表した2022年の「世界のデジタル競争力ランキング」によると、1位デンマーク、2位スイス、3位スシンガポールという結果でした。肝心の日本は34位と過去最低の順位を記録し、先進国でありながらIT分野での競争力が低いことが浮き彫りとなっています。

参考:IMD|世界デジタル競争ランキング

業界別で見る推進状況

総務省が発表した令和3年(2021年)版「情報通信白書」内のアンケート調査によると、情報通信業では約45%の企業がすでにDX化に取り組んでいると回答しています。続いて製造業、エネルギー・インフラ、商業・流通業が25%前後となっています。

対してDX化が進んでいない業種として医療・福祉、運輸業、郵便業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業が挙げられます。これらの業種では9~18%となっており、DX化が遅れている、もしくは取り組みを行っていないという結果になりました。

参考:総務省|令和3年(2021年)版「情報通信白書」企業活動におけるデジタル・トランスフォーメーションの現状と課題

中小企業での取り組みは約3割

総務省が中小企業に対して「DXに取り組む予定があるか」というアンケートを取ったところ「2020年時点でDXに取り組んでいない」「今後も取り組む予定はない」と回答した企業が68.6%、「実施はしていないが今後実施を検討している」と回答した企業が17.6%となりました。
この結果から、中小企業でDX化を進めているのは約3割ほどと少ないことが分かります。

一方、大企業の42.3%はDXを推進していると回答しており「実施の予定がない」と回答した企業は39.5%でした。

大企業と比較して、中小企業はDX化に取り組んでいないことが明らかとなりました。
日本企業の99%は100名以下の中小企業が締めていることから、国内ではほとんどの企業でDX化が進んでいないことになります。

参考:総務省|令和3年(2021年)版「情報通信白書」企業活動におけるデジタル・トランスフォーメーションの現状と課題

中小企業でDXが進まない理由と解決策

国内では約7割以上の中小企業でDX化が進んでいません。
ですが、DXに興味や関心がないのではなく、様々な理由から進められていないのが現状です。
以下では、中小企業でDXが進まない理由と解決策をご紹介します。

DXの知識がある人材がいない・採用できない

IT人材の不足が国内でDX化が進まない理由の1つです。DXを進めるには、専門的な知識を持つ人材を確保しなければいけません。
しかし、国内ではDXの知識やスキルを持つ人材が少なく、優秀な人材は大手企業に採られ、中小企業でなかなか人材が確保することが困難な状況にあります。

DXを進めると決めたのであれば、下記のような対策を取る必要があります。
・社内でITツールを積極的に導入する
・デジタル部署を立ち上げる
・人材の確保のために人材育成に着手する

費用隊効果が分からない・予算が確保できない

DX化が成功することで、作業効率や生産性の向上、人件費の削減など、大幅なコスト削減が期待できます。しかし、DXを進めたいが実際の費用対効果が分からず、予算が確保できないという企業も少なくありません。

そこで、DX導入後の効果をKPI(重要業績評価指標)を使って効果測定しましょう。どの程度の効果があるかを見える化することで、費用対効果を把握しやすくなります。

自社に指標がない場合は経済産業省が公表している「『DX推進指標』とそのガイダンス」を参考に効果測定をするのがおすすめです。

参考:経済産業省|「DX 推進指標」とそのガイダンス

また、予算の確保が難しいのであれば、以下のような補助金の活用も検討しましょう。

・IT導入補助金
中小企業・小規模事業者が、ITツールの導入にかかる費用の一部を負担。

・ものづくり補助金
革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を目的として、設備投資をする中小企業・小規模事業者等向けの補助金。

・事業再構築補助金
事業の再構築を考えている中小企業を支援するための補助金。

・令和4年度地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域DX促進活動支援事業)
地域企業のDX推進にかかる費用を補助。

・令和4年度地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域デジタルイノベーション促進事業)
地域企業が新たなビジネスモデルの構築に向けて試作品製作、事業性評価等にかかる費用を補助。

・人材開発支援助成金
従業員のキャリア形成のために、スキルや知識の習得を計画に沿って行った企業に助成を行う。
 

DX化を推進する上で大切なこと

経営層がDXに対する理解を深める

DX化は一部の部署だけが行うのではなく、企業全体で取り組むべき課題です。そのためには、まず経営層がDXに対する理解を深める必要があります。

DX化を推進できていない中小企業の多くは、社長や経営層に興味・関心や知識がないことがほとんどです。

そこで、まずは従業員とともにセミナーに足を運び、DXに対する知識を深めることから始めるといいでしょう。DX化を進めなければ、2025年以降に市場で取り残されてしまうという危機感を持ってもらうことが大切です。
 

老朽化したレガシーシステムからの脱却

上記でも記載した通り、多くの企業ではいまだに1980年代に導入したメインフレームやオフィスパソコンなどを使用しています。
これらレガシーシステムを使い続けることで、内部が複雑化したりブラックボックス化を引き起こします。

老朽化したシステムを使い続けることで、メンテナンスの手間や費用がかかってしまいます。
新たな技術との連携もできないなどデメリットのほうが多いため、DX化を推進するにはレガシーシステムからの脱却は急務と言えます。
 

DX化に向けて、何から始めるべき?

2025年以降も生き残るためにも、今のうちからDX化を推進する必要があります。しかし、DX化のために何から始めればいいかが分からないという人も多いはずです。

経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」では、DXの実行プロセスを3つの手順で解説しています。

1.IT 資産の分析・評価
社内のIT 資産の現状を正しく分析・評価できているか。

2.IT 資産の仕分けとプランニング
以下のような諸点を勘案し、IT 資産の仕分けやどのような IT システムに移行する
かのプランニングができているか。

- バリューチェーンにおける強みや弱みを踏まえつつ、データやデジタル技術の活用
によってビジネス環境の変化に対応して、迅速にビジネスモデルを変革できるよう
にすべき領域を定め、それに適したシステム環境を構築できるか

- 事業部門ごとにバラバラではなく、全社横断的なデータ活用を可能とする等、システム間連携のあり方を含め、全社最適となるようなシステム構成になっているか

- 競争領域とせざるを得ないものを精査した上で特定し、それ以外のものについては、協調領域(非競争領域)として、標準パッケージや業種ごとの共通プラットフォームを利用する等、競争領域へのリソースの重点配分を図っているか

- 経営環境の変化に対応して、IT システムについても、廃棄すべきものはサンクコストとしてこれ以上コストをかけず、廃棄できているか

- 全体として、技術的負債の低減にも繋がっていくか

3.刷新後の IT システム:変化への追従力
刷新後の IT システムには、新たなデジタル技術が導入され、ビジネスモデルの変化に迅速に追従できるようになっているか。また、IT システムができたかどうかではなく、ビジネスがうまくいったかどうかで評価する仕組みとなっているか。

引用:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン

以下では「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」をもとに、DX化にむけて何から着手すべきかを解説します。

DX化への第一歩はペーパーレス化

DX化を進めるのであれば「業務処理の効率化・省力化」から着手するといいでしょう。
その第一歩として、まずはペーパーレス化から始めることをおすすめします。普段、書類に記入して処理している業務をシステム化してペーパーレス化することで、作業効率の向上や省力化が期待できます。

例えば、入退社の記録や伝票、納品書、社用車の鍵の管理などをデジタル化するなどして、身近なところからペーパーレスを進めていくといいでしょう。
 

まずはミニマムスタート

DX化を進めると企業全体を大きく変えることになります。これまで行っていた業務のやり方まで変わってしまうことになるでしょう。
いきなり全てを変えてしまうと抵抗を感じる従業員も出てくるはずです。

そこで、まずは身近な業務から徐々にDX化を進めていくことをおすすめします。
書類をデジタル化してペーパーレス化したり、DX化する際に初期費用がかからないところから始めていき、徐々に拡大していくと良いでしょう。

時間はかかりますが、従業員も慣れていくことで作業効率も向上し、DX化への抵抗感もなくなるはずです。

社用車管理のDXならBqey

当記事では中小企業でDX化が進まない原因や対策について解説しました。多くの中小企業では、いまだにDXに着手していません。
しかし、2025年以降はDX化が進んでいない企業は淘汰される恐れがあります。そこで、できる範囲から徐々にDX化を進めましょう。

そのためには、業務で使用する社用車を管理するために便利なITツールを導入するなど、身近な業務からペーパーレス化を進めるのがおすすめです。

東海理化が提供する社用車管理システム「Bqey」は、社用車の稼働状況を一目で把握することが可能です。
また、鍵の管理・運用をわざわざ紙に記録する必要がなく、煩雑になりがちなこれらの作業を一元管理できます。
蓄積したデータは、車両管理に関する経理削減策としても活用可能です。

初期費用は0円からスタートできるうえに、車両工事も必要ありません。
1台からでも導入可能なため、DX化のミニマムスタートとしても最適です。
「車の鍵を持ち歩かない」生活をぜひ体感してください。

資料請求はこちらから!
https://www.bqey.com/document/