【2023年最新情報】アルコールチェック義務化とは?対象となる企業や罰則など、アルコールチェック義務化を徹底解説!
昨今、飲酒運転による交通事故が問題となっています。
飲酒運転事故の防止を目的として道路交通法が改正され、一定台数以上の白ナンバーの社用車を所有している企業に対して、運転前後のアルコールチェックが義務化されました。
2022年4月からは「目視等」による運転者の酒気帯びの有無の確認と1年間の記録保管が義務付けられました。2022年10月からは「アルコールチェッカー」を用いた運転者の酒気帯びの有無の確認が義務化されるはずでしたが、アルコールチェッカーの供給不足により無期延期(2023年3月10日時点)となっています。
本記事では、アルコールチェック義務化の内容や罰則、アルコールチェック実施の方法やタイミング等について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
アルコールチェック義務化の概要
アルコールチェック義務化とは?
アルコールチェック義務化とは、今まで義務化されていなかった「白ナンバー」の社用車や営業車を一定台数以上使用している企業に対して、運転前後でのアルコールチェックの実施を義務化するということです。
アルコールチェックについては道路交通法で定められています。2022年4月に道路交通法が改正されたことにより、「白ナンバー」の車もアルコールチェック義務化の対象となりました。
なお、「緑ナンバー」の車に対しては、国土交通省によって2011年からすでにアルコールチェックが義務化されていました。「緑ナンバー」の車と、今回義務化された「白ナンバー」の車の違いは以下のとおりです。
- 緑ナンバー:「有償」で人や荷物を目的地に運ぶトラック・バス・タクシーなどの事業用自動車のこと
- 白ナンバー:「無償」で自社の人や荷物を運ぶ事業用自動車以外の車両のこと
アルコールチェック義務化の経緯
白ナンバーへのアルコールチェックは、2021年6月に千葉県八街市で起きた飲酒運転のトラックによる交通事故がきっかけで義務化されました。
- 事故の概要
令和3年6月28日、千葉県八街市で、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童5人が死傷しました。
事故後、運転者の呼気から基準値を上回るアルコールが検出されましたが、運転者が乗っていたのは飲酒検査が義務付けされていない白ナンバーのトラックでした。
この事故を受け、道路交通法施行規則が改正され、白ナンバー車両に対しても飲酒運転防止対策を強化することを目的として、安全運転管理者の確実な選任・運転前後のアルコールチェックの実施・アルコールチェック記録の保管が義務化されました。
アルコールチェック義務化の対象となる企業(事業所)は?
アルコールチェック義務化は、以下のいずれかに当てはまる企業(事業所)が対象となります。
アルコールチェック義務化のスケジュール
アルコールチェック義務化が延期に
アルコールチェック義務化は、2022年4月1日と2022年10月1日の二段階で実施される予定となっていました。ところが、世界的な半導体不足により十分な数のアルコールチェッカーが市場に流通する見通しが立っていないため、警察庁は、2022年10月1日から義務化される予定だった内容については「当分の間延期する」と発表しました。
なお、現時点(2023年3月10日時点)では、いつまで延期されるかは決まっていません。今後のアルコールチェッカーの供給状況などを考慮して判断されることになるので、情報をこまめにチェックしておくことをおすすめします。
2022年4月1日から義務化された内容
2022年4月1日から義務化された内容は以下のとおりです。
- 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無の確認をすること
- 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
(道路交通法施行規則第9条の10)
2022年10月1日から義務化される予定だった内容
2022年10月1日から義務化される予定だった内容は以下のとおりです。
- 運転者の酒気帯びの有無の確認を、国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーを用いておこなうこと
- アルコールチェッカーを常時有効に保持すること
(道路交通法施行規則第9条の10) ※警察庁が無期延期を発表
アルコールチェック義務化に関して対応しなくてはいけないことは?
安全運転管理者の選任
アルコールチェックは安全運転管理者の業務の一つとして定められているため、原則として、安全運転管理者が実施しなくてはなりません。先程お伝えしたアルコールチェック義務化の対象となる企業は、合わせて安全運転管理者を選任する必要があります。
また、安全運転管理者を選任したら、選任後15日以内に管轄の警察庁に届出をする必要があります。安全運転管理者の選任を怠った場合や届出を怠った場合には罰則も設けられているため、注意が必要です。(道路交通法第74条の3第5項)
なお、安全運転管理者の選任義務や罰則、業務内容等については、以下のコラムで詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
【重要】安全運転管理者の選任義務とは?罰則はある?安全運転管理者に関する法改正内容や違反時の罰則、業務内容等について解説!
アルコールチェッカーの購入
アルコールチェックで使用するアルコールチェッカーについては、警察庁の通達で以下のように記載されています。
「アルコール検知器※については、酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば足り、特段の性能上の要件は問わないものとする」
※アルコール検知器とは、アルコールチェッカーのことです。
引用:警察庁 通達 「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者 業務の拡充について」
このように、アルコールチェッカーの性能上の要件は問われていないため、音、色、数値等で酒気帯びの有無が確認できれば問題ありません。現在は各メーカーからいろんな種類のアルコールチェッカーが販売されていて、価格や計測の精度、形状なども様々です。社内でのアルコールチェックの運用方法を想定した上で、自社にとって使いやすいアルコールチェッカーを選ぶことが大切です。
なお、アルコールチェッカーの種類や使い方等については、以下のコラムで詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
アルコールチェッカーの種類や使い方は?アルコールチェック義務化対応を進める法人向けに、記録の管理方法も解説!アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの義務化はいつから開始するかわかりません。開始時期が発表されると、アルコールチェッカーを購入しようとする企業が増えるため、早めに手配しておくことがおすすめです。
アルコールチェックの測定結果の保管方法の検討
2022年4月1日から、アルコールチェックの記録を1年間保管することが義務付けられました。記録しなくてはならない項目は、運転者やアルコールチェック実施者の名前、実施日時、アルコールチェッカーの使用有無(※アルコールチェッカー使用義務化の施行後から)等が挙げられます。
現状ではアルコールチェック記録の保管方法にルールはないので、紙とデータのどちらでも問題ありませんが、書類の紛失や回収漏れを防ぐという点では、パソコンやクラウド上でデータ保管する方がおすすめです。アルコールチェッカーとシステムが連携しており、アルコールチェッカーに息を吹きかけると結果が自動でクラウド上に保存されるシステムなどもあります。車両台数が多い場合や1日あたりの運転者が多い場合などは、紙で管理すると確認作業や管理が煩雑になってしまうため、システムの導入を検討してみても良いでしょう。
アルコールチェックを実施するタイミングや方法
運転前と運転後の2回実施する
アルコールチェックは、安全運転管理者が運転前・運転後の計2回行う必要があります。なお、アルコールチェックを実施するタイミングとしては、運転の直前・直後である必要はなく、運転を含む業務の開始前や終了後、出勤時や退勤時でも問題ありません。
対面で実施する場合
アルコールチェックは原則として対面で行わなくてはなりません。
2022年4月1日から義務化された「目視等による酒気帯びの有無の確認」では、具体的には運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等で確認します。
アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化された場合も、原則として対面で実施する必要があります。
直行直帰など対面で実施できない場合
先程、アルコールチェックは原則対面で実施するとお伝えしましたが、実際は直行直帰や出張等で対面での実施が難しい状況もあるかと思います。そのような場合は、「対面に準ずる適宜の方法」で実施すればよいとされています。
警察庁は対面に準ずる適宜の方法として、以下を具体例として挙げています。
- 運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、
- カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法
- 携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法
なお、直行直帰時のアルコールチェックの実施については、以下のコラムでも詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
【アルコールチェック義務化対応】直行直帰時のアルコールチェックはどうやったらいい?チェック方法を解説した上で、車両管理をスムーズに行うためのコツを伝授!安全運転管理者が対応できないときはどうする?
アルコールチェックは原則として安全運転管理者が実施します。しかし、安全運転管理者の不在時や確認が困難な場合においては、「副安全運転管理者」やあらかじめ指定した「安全運転管理者の業務を補助する人」が代わりに実施しても問題ありません。
ただし、アルコールチェック時に酒気帯びが確認された場合等には、必ず安全運転管理者に速やかに報告し、必要な対応等について指示を受けるか、安全運転管理者自らが運転者に対して運航中止の指示灯を行う必要があります。また、代理でアルコールチェックを実施した場合であっても、その責任は安全運転管理者が負うことになります。
アルコールチェック義務化には罰則がある?
会社の代表者や責任者も罰則の対象になる?
飲酒運転や酒気帯び運転を行った場合や事故を起こした場合は、道路交通法違反となり、罰則が設けられています。この場合、従業員本人が罰せられるのはもちろん、会社の代表者や責任者も従業員と同等の罰則を科せられます。
企業は従業員を雇用する立場として、アルコールチェックの徹底や安全教育の実施等、飲酒運転防止に努めなくてはなりません。
従業員が飲酒運転や酒気帯び運転によって事故を起こした場合は、罰則を科せられるだけでなく、企業としての社会的信用を失うことにも繋がるので、企業として対策を行うことは重要です。
安全運転管理者の業務違反
アルコールチェックを怠った場合は、安全運転管理者の義務違反となりますが、現時点では特に罰則は設けられていません。ただし、公安委員会によって安全運転管理者の解任や、命令違反に対する罰則が科せられる可能性があります。
飲酒運転に該当する場合
先程もお伝えしたとおり、従業員が業務において飲酒運転や酒気帯び運転をした場合は、会社の代表者や責任者も従業員と同等の罰則を科せられます。
具体的には以下のような罰則が科せられます。
なお、飲酒運転に関わらず、従業員が社用車で事故を起こしてしまった場合の責任の所在等については、以下のコラムでも詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
まとめ
今回は、アルコールチェック義務化の概要やスケジュール、罰則等について解説しました。従業員が飲酒運転や酒気帯び運転によって事故を起こした場合は、企業も従業員と同等の罰則を科せられるだけでなく、社会的信用を失うことにも繋がります。企業として体制を整えておくことが必要です。
また、アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックの実施は、現時点(2022年3月10日時点)では無期延期となっていますが、開始時期が確定する前に準備を進めておくと安心です。
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「Bqey」は、2022年4月からのアルコールチェック義務化にも対応しており、データはクラウド上で3年間保管可能なので、これからアルコールチェック義務化対応を進められる方にもおすすめです。
専用のアルコールチェッカーを使うと、アルコールチェックの結果が自動でアプリ上の運転日報に反映されるので入力の手間を省き、データ改ざん等の不正を防ぐこともできるので、飲酒運転防止による安全対策にも繋がります。
また、「Bqey」にはアルコールチェック時の写真撮影機能も搭載されているので、直行直帰時や出張時など対面でアルコールチェックができない場合に、対面対応の代替としてご活用いただけます。
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